ユウコの成長
競売を後一週間少しのある夜にオレはルクスを呼び出した。
「お呼びですか?曹長♪」
凄くご機嫌だな。
「いや気になってる事があってな。ソフィーの母親の件の商会だかなんだかはどうなってるか分かるか?」
あからさまにガッカリした表情になったな。何かオレに求めてたのか?
「ドローンで追跡しております。あの小娘の父親が雇っている者達は頑張っているようですがまだまだですね」
「まだまだとは?」
「証拠を掴めていない感じですかね」
オレは少し考えた。乗りかかった船から降りるつもりはないしあんな無謀な店の乗っ取りをするなんか可笑しい。後一週間くらいか・・・転送で乗り込むか?いやそんな商会なら競売にも来るか!?
「競売に来る商会や商人の中にそいつらは居るのか?」
「すいません。そこまでは把握できていません」
「なら明日にでも一度バリスさんに会うか?それにちょうどその時にどうなったかを聞けば早いしな」
「了解致しました」
「それとミラやエルフのユウコ達は魔法の方はどうだ?」
「ミラの方は成長が早いですね。冒険者ギルドに居た最初の人間くらいなら瞬殺できるでしょう。ただどうしても魔力は少ないですね」
「まあ普通に魔物を狩って生活する分には問題ないだろう。ユウコの方は?」
「彼女は気がつけば火、水、氷、風、光属性が使えています。ルカのおかげというのもありますが5属性扱えるというのは複合魔法とかも覚えたのか!?」
「さすがにそこまではまだですね。ただファイヤボールにウインドで加速を付けウォーターボールで水蒸気爆発を起こしたあの魔法覚えてますか?」
「俺が少し前に行使したやつだろ?擬似複合魔法のやつだよな?」
「そうです。あれに私の光属性魔法のスターロードという移動魔法を組み合わせあのコクリュウですら負傷くらいはさせれる魔法を覚えました」
「凄いな!コクリュウに傷を負わせるのは中々だぞ!?」
「ですが、やはり本物の複合魔法を覚えさせたいですね。エルフの賢者でしたかね?伝説と言われている。私はその伝説のエルフをユウコに塗り替えてもらおうと思ってます」
「また壮大な夢だな。でもそういうのは嫌いじゃないぞ!?」
「ユウコが賢者となりまだ見ぬエルフ達や他の種族の奴隷制度をなくしたいと思っています。私はドローンの映像で今の映像を見ていますが相当に酷い扱いです」
「そんなにか。俺も見たいがキレてしまいそうだ」
「だから見せていません。頼まれても今はまだダメです。もう少ししたら帝都に行くでしょう。その時に作戦を考える時にでも」
「分かった。それとルクスは甘い物とか作れるか?それに以前言っていた美味しい酒なんかもそろそろ飲みたいな」
「その辺は競売が終わってからと思っています。すぐに飲みたいですか?」
「いや、飲みたいのは飲みたいがこの惑星の酒は飽きてしまってな・・・」
「なら明日は別行動にしましょう!私がトンゴ氏にお願いして蒸留器を作ってもらい曹長にとびきり美味しいお酒と甘味をお作りします!!!」
おいおい、物凄く嬉々としだしたぞ!?トンゴさん申し訳ねぇ〜・・・
「贅沢言って悪い。昔地球の酒を作ろうと捨ててあった酒のサンプルがあっただろう?谷崎25年ってやつだ。区分はウイスキーになるのか?あれをお願いできるか?あれにランプーを混ぜて飲んでみたい」
「了解致しました!曹長の願いを明日は最優先に考えます!!」
その後、ユウコやミラを呼んで明日の予定を言った。
「明日はルクスが別行動になる。俺の我が儘のためなんだが堪えてほしい。ただ上手くいけばとびきり美味しい甘味を用意してくれるぞ!」
「甘味!!甘味ですか!?やったぁー!!ミラ甘い物大好きです!!!」
「ルクス?ありがとう。何を作ってくれるの?」
「ユウコ?それは内緒!出来上がってからのお楽しみよ?」
「それで俺達はソフィーの所に行こうと思う。ちょっと聞きたい事があってな?その後はオギゴに行き、ギルドマスターに本当に屋台とか出すのか聞いてみようと思ってる」
「そうそう!私も気になっていたのよ。トレノは本当にその屋台とかをやるつもりなの?」
「俺だけでは無理だから手伝ってはもらうつもりだが色々この地にない食べ物を作りできれば誰かに真似してもらい食が広がれば今後俺達も楽しめていけるかな?と思っている」
「そこまで考えてたの?なら一度ちゃんと話し合いましょう!私もトレノとの料理は楽しみよ!」
そのまま予定を言いルカ達に魔力を食べさせて?あげてこの日は終わった。