変なパーティー二つ
俺達がこのドラゴンをどうしようか悩んでいた所に冒険者らしき人4人がやってきた。
「確かこっちの方角のはずだ!うん?こんな所に家?っておい!ドラゴンがいるぞ!って死んでいるのか!?」
「こっち!こっちですよ!」
「なんか色々なやつが来たな。とりあえず挨拶だけしておくか」
「トレノ?私も行きます!」
「よぉ!このドラゴンは俺が倒したんだが何か用か?」
「おいおい!お前が倒したってーのか!?俺は帝都で冒険者をしている紅蓮の矛パーティーのマークだ」
「あなた?私達初対面にお前呼ばわりとは中々面白い人達ですね?」
またルクスの変な性格が出たな。冒険者ならこんなもんだろ!?
「おい!女!俺達の事知らねーのか?」
「マーク!こんな田舎者は私達の事知らなくて当然よ!」
本当に冒険者は礼儀を知らない奴ばかりなのか?
「本当に面白い人達ね?帝都だかサクソンだか知らないけど私達からすれば文明レベルの田舎ーー」
「ルクス!黙れ!」
「はっ。曹長!すいませんでした!」
さっきの言葉こそエクセルシオ軍隊法にひっかかるだろ!?
「えっとな?ツレが悪かった。俺が謝る。それで何か用か?」
「女は威勢良くて男は緩い奴だな?俺達がドラゴンを見つけ狩ってやろうかと思ったんだが弱そうなお前達に狩られるって事はもう弱ってたんじゃないか?」
「多分そうだろうな」
「おい!光栄に思え!俺達がこのドラゴンをーー」
俺は余りの怒りに魔力を込め攻撃してやろうかと思ったがミラが珍しく怒った。
「あなたたちがどんな冒険者の人か分かりませんが人の獲物を横取りするのはルール違反です!この事は即刻ーー」
「あぁ〜、こんな田舎のパーティーか何かと帝都の特級パーティーどちらを信用されるかはすぐ分かるよな!?」
「ミラ?代弁すまんな。けどこういう奴らは実力の違いを見せないと分からないもんなんだ。少し下がっててくれ」
「ほーう!男の方が今度はーー」
俺は被せる形で言った
「お前達はさぞ有名な冒険者か知らんがドラゴンを倒した事あるのか?」
「ふん。俺達は強すぎてドラゴンが近寄って来んからな。けど現れたら俺の剣で一撃だ」
こんな奴らが特級ランクかなんかとかおかしいんじゃねーのか!?もういいな。面倒臭い。
「ウォーターチェーン!」
「クッ・・・なんだ!?この魔法は!?水が手足に絡まって・・・」
「おい!無理に外そうとするな!凄い水圧が掛かっている!」
リーダーらしき奴は分析能力はあるんだな。これは俺とウンディーネが考えた魔法だ。水を手足に絡ませて外側だけ水圧を掛けて外れないようにした魔法だ
「またトレノは新しい魔法考えたの?」
「ウンディーネと少しな?これを凍らせる魔法もルカと考えたんだがそっちは氷が砕けると手足がもしかすると砕けるかもしれないからな」
「魔法を考えただと!?それにお前は誰に手を出したか分かってるのか!?俺達は帝都のある貴族のお抱えだぞ!?今なら内緒にしといてやるから早く外せ!」
こりゃ面倒臭い。いや本当に面倒臭い事になったな。でもよくもまあこんな実力でドラゴンが倒せるとか思ってるよな。これはあれか?貴族のコネでとかいうやつか!?
「曹長?もう一グループこちらに来ています」
「はぁ〜・・・・ルクス分かった。こいつら見張っててくれ」
「おい!どこへ行く!?早くこれを外せ!」
「おや!?こんな所で・・・うん!?お前達は紅蓮か!?貴族お抱え詐欺冒険者が何をしているのかな!?」
現れたら奴は見るからに女にモテるであろうルックスの若い男二人と女二人のグループだった
「トレノ?ちょっと・・・・」
「シルビアどうした?」
「多分あの女の人エルフです・・・・向こうも私に気づいています」
「分かった。話しながら探りを入れてみる」
「えっと?こっちは今取り込み中でな?この紅蓮とかいうパーティーが俺達の獲物を横取りしようとしたから拘束してるんだが何か用だったか?」
「いきなり現れて名乗らずに悪いね。俺達は帝都の冒険者 暁のパーティー 俺はルイン、こっちの男はアセス、後の女性はステラとナタリーだ」
「俺はトレノ、こっちがシルビアにミラとルクスだ。あんた達はこの紅蓮の事知ってるのか?」
「こいつらは実力はない癖にとある貴族のお抱えでな?人の獲物を横取りするわ、詐欺紛いの事をするわ、無銭飲食する事で有名なんだ」
「おい!何勝手に言ってやがる!!」
「ちょうど俺達はこいつらを追っていたんだ。これもとある貴族様の依頼でね?よければ引き渡してくれるとありがたいんだけど?」
「そうか。こっちも助かる。正直どうしようかと思ってな」
それから引き渡すにあたって、拘束していた魔法はなんだ?とか横たわっていたドラゴンはなんだ?とか色々聞かれた。
俺はさっさと連れてって欲しかったが気付けば夕方まで話し込んでいて、シルビアが言った相手のステラ、ナタリーって女性がエルフって事で探りを掛けようかと思ったけど中々聞けずに暁の奴らは帰っていった。
ただ暁のパーティーも特級パーティーらしく、帝都でも有名らしく、リーダーのルインって男は本当に強そうに感じた。ルクスも『あのルインって男性は常に曹長と一定の距離を取りすぐ動けるような体勢でした』と言っていた。
ルイン達もオギゴで競売がある事を知っていて、あの紅蓮のパーティーはオギゴに出向きドラゴンの鱗を盗むという風な感じだったらしく貴族間でも色々勢力がありそれを捕まえるのがこの暁の役目だったらしい。
「本当にあんたがドラゴンを倒せる人だったとはな?信じられなかったよ!こいつらを帝都に連れ戻せばまた俺達もオギゴに来るからその時は飯でも一緒にどうかな?」
「あぁ。その時は俺が奢るよ。色々話したい事もあるしな?」
俺は最後の言葉を女性二人向け言ったら二人も気づいてくれたのか少し笑顔で返事をしてくれた気がする。
「はい!近々'色々'お話ししましょう!」
そう言って二つの冒険者パーティーは帰っていった。
「てかルクス?結局運ぶ方法考えれなかったじゃないか!?」
「そうですね。横槍が多くて進みませんでしたね?」
「くそ!馬鹿紅蓮パーティーが!もういいわ!夕方だか入り口にあまり人居ないよな?転送で運ぼう!」
そう言い、俺とルクスでタイミングを見計らい転送でドラゴンを入り口まで運んだ。