ユウコの子守歌
「ただ今より宇宙ゴミ回収機体発射に入る。ドッグ、格納庫、発射台で作業中の宙域隊士及び作業員は直ちに施設から離れよ。繰り返すーー」
「くれぐれもミシェル中将まで宇宙迷子にならないでくださいよ!?」
「馬鹿を言うな!私はそう簡単にくたばるつもりもないし、迷子にもならない!」
「ミシェル!大声出さないで!ばれると私達は間違いなく逮捕されるのだから!!」
「悪い。じゃあアマンダ、フーバー行ってくる。ソンブレロの連中に特定されたくないから安全を確保できるまで通信はしない事にする」
「何回も言いますが絶対にビーコン切らないでくださいね!?」
「フーバーはしつこいぞ?しつこい男は嫌われるぞ?アマンダ?頼む」
「・・・・・ミシェル!死なないでね」
「大丈夫さ!」
「宇宙ゴミ回収機発射10秒前…3 2 1 発射」
「アマンダ局長・・・大丈夫すよね!?」
「ミシェルの事だからどんな形でさえトレノとか言う部下を連れて帰るでしょう。あなたもビクトリア大将に今から24時間後に手紙を渡すのよ?」
「はい!」
オレは剣が出来上がるまでルカやウンディーネ達に見てもらいながら水属性究極魔法のトライデントの練習をしてたのだがこいつはヤバい魔法だった。
俺の想像では水が凄い勢いで回転する槍みたいなのを想像してたが実際行使してみると確かに槍が出てきたのだが、槍の先端部分が常人の目では確認する事すらできないくらいに水が回転していて軽く投擲してみたのだがカルデラ噴火したのか!?ってくらい地中が抉れた。
「おい!ルカもウンディーネもあんな凄い魔法なら先に言えよ!?」
『・・・だって練習って言ったから・・・』
『あーしの魔力使った癖に何言ってるのさ?別に誰も死んだわけじゃねーんだしいいだろ?』
「曹長!大変素晴らしい威力です!曹長も私達精霊に負けないくらいの魔法ですよ!」
こんな魔法誰に使うんだよ!こんなの使えばこの惑星レベルの軍隊となら一人で戦えるぞ!?
だがやはり究極魔法というだけある。一発でオレは膝が笑うくらいにフラフラになった。
『あーしの魔力使ったのに枯渇気味になってらー!きゃははは!』
「ルカ?あなたは曹長を笑いましたね?それ相応の覚悟はよろしくて?」
『なっ、なんだよ!?まさかその手に持ってるのはセイントソードか!?ウ、ウンディーネまでランサーまで行使してどどどうしたんだ!?』
『トレノを・・・笑い者にするなら・・・許さない・・・ユウコの次に大事な人間・・・』
「ちょっと!みんな何してるのよ!少しはトレノの事看病してあげなさい!ウンディーネまでどうしたのよ!?」
『ユウコ・・・ごめん・・』
「トレノ大丈夫?」
「すまん。さすが究極魔法と言うだけある。一発でこの状態だ。これは本当に危ない時にだけ使うようにする。連発はできない」
「私も見てたけどあの魔法は凄すぎて言葉がでないよ。今はゆっくり休んでね」
そこからオレは恥ずかしくもなりながらエルフのユウコに膝枕をしてもらい聞いた事ない歌?を優しく歌ってもらうと初めて聞いた歌なのに安心するような感覚になり眠くもなかったのに意識が遠のいていった。
サクソンに臭いがあったのに急に迷いの森初心者区域の方角でも臭いがしたからこっちに来たけど当たりすね!家見つけましたよ!でもあれはなんでですか!?前の家より少し大きいすね!?あんな家なかったすよ!?
「ミラ?シルビア?あの獣人族の女がこちらをこそこそ確認していますよ?」
「え?ルクス様が言ってるのはカエラさんの事ですか?」
『だれだ?カエラって?』
「あなたも曹長の精霊なら気を張りなさい?あの獣人は何やら私達を探っているようですね」
『よーし!ならあーしが一発・・・』
「あなたは普通の上級精霊だから私達以外は見えないでしょう?私みたいに特別な器を用意してから言いなさい?」
『だから、あーしがウォーターボールで追い払ってやろうかなと』
「ルカ様それはだめ!!!!ミラが見てきます!」
「さすが、ミラ!私が見込んだだけの事はありますね。曹長は争いが嫌いな方、まだ疲れがたまり、起きないので何の為に来たか私達だけで対処しましょう」
あれは絶対何か企んでる目だ。ルクス・・いやユウコ!同じ名前だけど最近私もあなたの事が少し分かるような気がする・・・口調が変わった時と変に笑みが浮かんでる時は危ない兆しだ!
トレノ早く起きてよ・・・