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水氷の上級精霊

 「よし!着いたぞ!ここが世にも珍しいドワーフが店主の酒場だ!」


 中に入るとかなりの客が入っていた。繁盛店だな。


 「ドワーフが酒場は珍しいのか?」


 「はは!トレノはここらへんの出身じゃなかったって言ったよな?ドワーフは生まれつき俺達人間と身体付きが違うのでな?筋肉量が違うから力仕事や剣作りが向いてるのだ」


 「初めて聞いた。そうなんですね。それでこの酒場が珍しいという事なのですね」


 「おう!ダルカスか!久しぶりだな!」


 「ヨーギの店は相変わらず繁盛してるな!エールを人数分とあの肉の香草焼きを持ってきてくれ!」


 「あいよ!」


 「女達には悪いが騙されたと思ってここの肉の香草焼きを食べてくれ!本当に美味いから!それと今日はオレの奢りだ!好きなだけ食べて好きなだけ飲んでくれ!」


 「ダルカスさんなんか悪いですね。今日はお言葉は甘えますが次は俺達が奢らせてください」


 「そんな事はどうでもいいんだがお前ドラゴンの鱗をどうしたんだ?」


 「ダルカス氏?あの鱗の事を聞きたいなら女性が男性に剣を贈る意味を教えてくださる?」


 ヤバい!あの口調は静かに怒ってる時の口調だ・・・


 「なんだ。そんな事かそれはーー」


 「ダルカスさん!その事は私から後で言いますので!!!」


 「おっおう。悪かった!という事だからルクスも堪えてくれ」


 「シルビア?今すぐ教えなさい?」


 「ルクス・・ここでは言いにくい・・・」


 「ぎゃはははは!!シルビアのその表情は初めて見たぞ!!言いにくいなら俺が言ってやるぞ?うん?」


 ダルカスも悪ノリするなよ!?ルクスは表情は変わらないがあれは何としても追求してしまうぞ?シルビアは顔が真っ赤になってるけどまだ酒飲んでないよな!?


 「ゔ・・・・・・・ダルカスさん・・・」


 「まっ、とりあえず飲んで食べてからだな!」


 その後少しすると見た感じ肉と草を焼いただけの肉が出てきたが、オギゴの宿で食べたのより更に美味しく油が凄いのに気持ち悪くならないので食べ過ぎてしまった。それにこの味付けがエールの進みをよくしてくれて俺は4杯もおかわりしてしまった。


 「そろそろ教えてくださるかしら?」


 おいおい、ルクスはまだ言ってるのか!?


 「もう分かったよ!!!言えばいいんでしょ!?」


 「おっおう!?シルビアどうしたんだ!?」


 「女の人が男性に剣を贈る意味は『これからその剣で私を守ってください』って意味なの!ルクスもこれでいいでしょ!?」


 「うん?なんだそんな事か。約束しただろ?シルビアは俺が守るって」


 「おい?トレノ?お前分かってるのか?」


 「うん?守れって事だろ?そんなの当たり前じゃないか?」


 「はぁ〜・・・・シルビア?お前の苦労を察するよ。まあなんだ。これでも飲んで頑張れ」


 「はい・・・・・」


 「シルビア?なら私も曹長に剣を贈っても問題ないですね?」


 「え!?ええ。大丈夫ですわよ!ほほほほ」


 シルビアもルクスの真似し出したぞ!?酔っているのか!?


 「モテる男は良いよな?あんな美人二人に言い寄られてな?俺も後30若ければな?まっ、浮気だけには気をつけろよ?がはははは!」


 その日は遅くまで飲み食いし、ダルカスは先に手続きした宿に帰った。俺達もどこかに泊まろうとしたが夜も遅かったため転送で拠点に帰る事にした。

 ミラはお母さんと一緒に居るからな。明日ソフィーの所に迎えに行くか。なにやら、シルビアとルクスはバチバチやり合っているけど本当になんなんだ?


 『トレノは本当に鈍感ね!?精霊の私でも意味が分かるわよ!?』


 『私も・・・分かる・・』


 おい!?シルフもウンディーネも分かるってなんなんだ!?違う意味があるのか!?


 拠点に着きそれぞれの部屋に入り、オレは疲れたためポセイドン様から貰ったルルの実を迷わず食べそのまま休む事にした。


 次の日オレはウンディーネに起こされた。


 『トレノ・・・新しい水氷の精霊が来た・・・』


 「うん?あ、おはよう。水氷の精霊!?そんなの居るのか!?」


 『チッ、ポセイドン様から言われたから人間界に来てやったがあーしがこんな人間に仕えるなんてね』


 口が悪い精霊だな。こんな奴なら要らないんだけど。


 『トレノ・・・ごめん・・・私のお姉ちゃん・・ルカって名前なの』


 「ウンディーネのお姉さんか。だいぶタイプが違うな?ポセイドン様になんて言われたか分からないけど一緒に着いて来てくれるのか?」


 『そうだよ!ポセイドン様に言われたからしょうがなくだからな?』


 ウンディーネと大違いだな。けど水と氷って二属性の精霊って事か?


 『あんたの顔で分かるね。私が何故水と氷を司ってるかだろ?』


 このルカが言うには元々氷という属性はなかったがポセイドン様の眷族に居た精霊が大精霊に格が上がったため、アシュタルト様とポセイドン様が考えた結果氷属性の大精霊になったと言った。それでその氷属性の大精霊誕生の時、最初の眷族になったのがこのルカという訳だが元々ウンディーネのお姉さんで氷属性に変わった為ニ属性となったらしい。精霊界でも初めてだと言った。


 「そんな上級精霊様がオレに仕えてくれるのか?」


 『ポセイドン様とシヴァ様があんたの見る世界が気になるとか言うんであーしが名指しされたわけだ!』


 「へぇ〜。そうなんだ。ならとりあえずよろしくな?なんか儀式みたいなのとかあるの?」


 それからこのルカが発光しておでこを当てろと言うので当てると俺の中に何か異物が入った感じがしたがすぐに治った。


 『へぇ〜、あんたウィスプ様とも繋がりがあるのか?珍しいな?ウィスプ様の眷族はどこに居るんだ?』


 「呼びましたか?」


 『お前が光の上級精霊か。動きが速いな?』


 『私は光を司ってますからね?こんな事もできますよ?』


 シュンシュンシュン


 『ふん!面白い!あーしもこんな事ができるのさ?』


 パキパキパキ


 『大した事ないですわね?こちらはどうかしら?』



 また二人して何で張りあってるんだよ!?


 「トレノおはよ…って何!?どういう事!?」


 シルビアが起きて来て事情を話したが頭が追いついてないのかお風呂に入ってくると言い、俺はこの状況をどうにかしようと思案するのだった。

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