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獣人族カエラの追跡3

 「曹長起きてください」


 「うん?もう朝か!?」


 「なに寝ぼけているんですか?例の対象、獣人族の女性が10リーグまで来ました」


 「あぁ。すまん。目的は俺達のようだな。まあ良く追跡できるものだな。それとカエラは敵じゃないから対象とつけなくて良い」


 「了解致しました」


 「ミラやユウコ達は?」


 「寝ています」


 「なら俺達が逆に迎えに行ってやるか?驚かせてやるか」


 「喧嘩はしてはいけませんよ。是非とも仲良くしてください」


 どうせデータバンクにアップデートするために色々知りたいだけだろうな。


 「まあ一応知り合いだからな。目的を聞くさ。それと今後距離を俺に伝える時はこの惑星に馴染むためこの国の単位で言ってくれ」


 「分かりました。ではその時は最初分からなかったらいけないので目の前にリーグ キロメートル ヤーグ ナンメートルと表記しましょう」


 「助かる。ありがとう」







 「曹長、残り二キロ程で獣人族と会います」


 「ここで待ち伏せていたとしてこのルートを通るか?」


 「96%でこのルートを通ります。4%は魔物の位置により変化します」


 「とりあえずドローンのステルスモードで追跡してるんだろ?ここで待機しておく。合流20秒前に教えてくれ。ついでに覚えたての光属性魔法を試したい」


 「シューティングスターですか?」


 「ブッ!!バカ!?あんなものぶっ放してどうするんだ!?殺す気か!?人工太陽擬もどきの俺が考えたライトサンだ!」


 「あぁ〜。エクセルシオのプランタ工場で使われてるエセ太陽ですか」


 「なんだよその言い方は!?あれは優秀なんだぞ!?辺りを一面明るくしてくれるんだぞ!?」


 「どうせなら他の魔法にして欲しかっただけですよ。せっかくライトアローもシューティングスターも太陽電磁砲レールガンもシャイニングクロスもシャイニングスラッシュも私が教えたのに」


 「だからルクスが教えてくれた魔法は全部極大魔法だろ!?この星を死の星にしたいのか!?そもそもカエラは敵じゃないし仲良くなって欲しいんだろ!?」


 「私は曹長に一目置かれて欲しいだけです。舐められた態度は許されないだけです。どうもあの獣人族の女は曹長の事舐めてる節が見え隠れしていたのです。この惑星の住人は相手を舐めた態度を取るのが普通のようですし。仲良くなる事も大事ですがそれとこれとは話しが別です」


 「まあ今までこの惑星の住人でまともなのは宿のお母さんとエルフのユウコと後はバルさんくらいか?ソフィー達親子も最初少し小馬鹿にした感じだったしな」


 「だからです。この惑星の住人に格の違いを見せつけてやりましょう」


 言いたい事だけ言って気が済んだのか少ししたらさっきの言った事はエクセルシオ軍隊法に色々抵触するので無かった事にして欲しいと言ってきた。

 怒りの感情でも芽生えてきたのかな?どの道本国と連絡取れないし別に気にしてなんかないけどな。


 「後、150メートルくらいの距離に居ますが獣人族の女が止まりました。こちらを伺ってる感じがします。それに中々相手は追跡が上手いです」


 「150メートルか・・・確かに常人の視覚聴覚が感じるか感じないかギリギリの所だな。こちらから出向いてやるか?」


 「そうですね。どうせなら度肝抜いてやりましょう私の合図で66.3度に魔力は最小のライトアローを撃ってください」


 「だから攻撃しなーー」


 「大丈夫です。攻撃ではありません。信じてください」


 「・・・・・分かった!分かったよ!ちゃんと合図頼むぞ!」







 ここらへんから急に臭いが濃くなったっすね。近くに来たっすかね?あれ!?少しずつ近付いてきて・・・る?追跡がバレてるっすか!?え!?一瞬で目の前に!?





 「曹長!今です!」



 ヒュュュュュ〜〜〜〜〜



 今の魔法はなんすか!?見た事ないすよ!?



 バァァァァァンッッ!!!!!!



 「なんだ。ただのエクセルシオにもある花火か。しかも火薬を使ったような花火の形か。確かに殺傷能力はないわな。火事は大丈夫か?」


 「光属性魔法で擬似花火なので大丈夫です。ライトアローを合図に私のライトボールを当てて後は花火のように見せてるだけです」


 「言ってる事は簡単だがよくタイミングが計れたな。よしカエラは何しに来たんだろうな」



 あわわわわわ・・・あの魔法はなんっすか!?光の矢が現れたと思ったらいきなり光が飛び散ったっす!!ヤバイっす!これはヤバイっす!!!うん!?まさか!?トレノさんっすか!?完璧位置までバレてるすか!?


 「やぁ〜。カエラだったか?こんな夜更けも夜更けなんなら朝方に近いが何の用だ?」


 "私は念の為隠れておきます"


 "了解"


 「え!?いやっ・・私は・・・」


 「俺を追跡してここまで来たんじゃないのか?違うか?」


 ヤバイっす!トレノさんが怒ってるっす・・なんとかしないとなんとかしないと・・・・


 「答えられないのか?でもまあここまでよく追いかけて来れたな。追跡能力はピカイチだな?獣人族の恩恵か?」


 「そうっす!私は別に悪気があったりとか害そうとしたりとか思って来たのじゃないっす!」


 「別に脅すつもりはないけど俺はカエラの追跡は50キロ先から気付いてたぞ?たまたまこっちに用事があるのかとも思ったが、近付いてくる方角が明らかに'俺達'の方だったからギルドの依頼とは違うように思ったが別に然程脅威とは思ってなかったから放置してただけだ」


 俺はルクスの言う舐められないようにと言う事を実践しようと思い、言いたくなかったが語気を強め威圧するように言った。内心俺はカエラに謝りたかった。なんなら少し耳を触らせて欲しいとすらまで思う。


 「おれ・・たち?・・・えっと・・わたしは」


 カエラを見ると目に涙を浮かべ出したのでさすがに言い過ぎたかと思い頭の会話でルクスにこの辺にすると伝えた。


 "本当に目的はなかったようですね。あれだけの詰問で涙流すなんか兵士失格です。追跡だけは本物でしたがね"


 "そう言ってやるな。そもそもカエラは兵士じゃないだろ?後は俺の好きに話すぞ"


 "了解です 私もそちらに行きます"


 「うん?誰っすか!?」


 「こんばんは?獣人族のお嬢ちゃん?」


 なんでまた威圧するように魔力流しながら問いかけるかな・・・俺でも皮膚がヒリヒリするくらい魔力感じてるぞ?


 「わ・・・わた・・・わたしは・・・」


 「ルクスッ!!!!今すぐ魔力を引っ込めろ!!命令だ!!」


 「了解です。申し訳ありませんでした」


 うん?ルクスの奴やけに素直だな?


 「カエラ大丈夫か?ツレがすまん。あいつは加減がまだまだなんだ許してくれ。魔力酔いしてないか?」


 「だ大丈夫っす・・元々獣人は魔力が低いので魔力酔いはしないのですがその獣人の私ですら感じる魔力をこの綺麗な人間な女の人が・・・」


 「綺麗?あなた今綺麗とおっしゃいましたか?それは私の事でしょうか?」


 おいおいいきなりどうしたんだ!?


 「は・・・はい、貴方様の事っす」


 「曹長、この獣人の女性は見所がありそうです!拠点に案内致しましょう。追跡でだいぶ疲れてるはずです。休ませてあげましょう。それとあなたカエラとおっしゃいましたか?」


 「はっ、はい!獣人族、猫獣人のカエラという名前っす」


 「そう。先程の私の魔力は私の体内魔力の10分の1を解放したに過ぎません。横の男性、トレノ曹長が私の主であり我が君であり命より代え難い方です。この意味が分かりますか?更に分かりやすく言うとトレノ曹長の魔力は私の6倍はあります」



 スパコンっ!!!!



 「ルクス!今すぐランニングだ!できるだけ負荷を掛けるように爪先走り!俺が良いと言うまでだ!」


 「了解致しました!」

 

 「えっと、変な所を見せてしまった。悪い。とりあえず拠点に案内する。着いて来てくれ」


 「あっありがとうございます」


 ルクスは綺麗と言われて嬉しかったのか?いやまさかな?この前も綺麗と言われてもそれは器のどうとか言ってたと思うが・・・また新しい感情でも見つけたか?

 普通の女性なら綺麗と言われれば嬉しいはずだよな。今度俺も言ってみようか。けど結果当初言ってたように度肝抜くのは成功したように思う。

 それに俺を舐められないようにという事も達成されたように思う。これもルクスの計算通りなのか!?なら本当にルクスは物凄いAIだぞ!?








 私は何を見せられたのっすかね!?初めて見る魔法、獣人の私でも感じるくらいの巨大な魔力を放つ人間の女性・・・その女性が放つ魔力より更に魔力の多いトレノさん・・しかもただでさえ危ないあの女性を従えてるトレノさん・・・曹長?曹長とはなんすか?そのままの意味の兵隊さんすか?まさか・・・魔人すか!?


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