ルクスとユウコの張り合い
良い匂いがして目が覚めた。この匂いはパンの焼ける匂いとバターの匂いか?たしか、何の動物か分からないが何かのミルクをドローンの火薬精製する分離機でバター作ったってルクスが言ってたっけな。
「曹長おはようございます。本日はこの惑星の硬いパンとバターを初級魔法ファイヤで焼きました。途中柔らかくなるように小麦と水を混ぜ傘増ししました」
「おはよう。中々凝った事してくれるんだな?ありがとう。食べさせてもらうよ。うん!美味い!ほんのり砂糖も混ぜただろう?」
「ご名答!表面に溶かした砂糖も塗り美味しく食べれるようにしました。知識の泉にデータがありそのまま真似しました」
「誰がアップデートしたか知らんが良い事だな。てかアバターが手に入ったから毎回ルクスがご飯担当になってるがいやじゃないか?今日は俺が作ろうか?」
「いえ。これは私の役目です。曹長やユウコ、ミラに食べてもらい色々試行錯誤してデータを集め私も美味しい美味しくないをみなさんと共有したいのでこのままお願い致します」
「そうか。無理しない程度によろしくな。何回も言うがルクス?いつもありがとうな」
「・・・・・いえ大丈夫です」
感情が日に日に分かってきているんだな。表情が豊かになってきている。でも本当にルクスには感謝だな。さて朝風呂に入って雷魔法と樹属性魔法を覚えるか。
「なんですって!?樹属性魔法の魔法書だって!?そんな有り得ないわ!」
「私も初めて聞きました!」
『おうおう!トレノは珍しい魔法属性の人間の書物を持ってるんだな!さすがの俺っちも樹属性は見た事ないぜ!』
『アグニもユウコもトレノも勉強不足よ!樹属性魔法は人間が知る魔法の理だけでは発動しないのよ?』
「シルフは知ってるの?」
シルフが言うには樹属性魔法は魔法陣を頭に描き樹属性の精霊の魔力を借りてじゃないと魔法行使できないらしい。未完成の魔法陣が精霊の魔力に反応して魔法陣が完成するみたいだった。
『おうおう!シルフが勝ち誇った顔してるぞ!?そんな事くらい俺っちは本当は知ってたんだぞ!?』
『何よ!?何も知らなかったくせに!上級精霊も大した事ないわね!』
『なっなんだと!?』
「二人とも落ち着いて!」
「まっ、まずはこの雷属性を俺は覚えようと思う。樹属性魔法は残念だが仕方ない。もし樹属性の精霊を見かけたら、ウンディーネが声をかけてくれるか?」
『おいおい!トレノ!?そこは上級精霊の俺っちが…』
「アグニ?なりません。曹長は考えがあって名指ししています。それは私でも同じです。私も上級精霊の区分に入りますが呼ばれていません」
「ルクスの考えと合ってるかは分からないがアグニかシルフが声をかけるとまた喧嘩してしまうだろう?この中で真面目なのはウンディーネだ。それにいつもウンディーネは文句も言わず料理や風呂の水を貯めてくれたり手を洗ったりする時助けてくれてるだろ?つまり信用できる」
『俺っちだって人間が食う時の火を出したり…』
「本来は自分で水を出したり炎も出せるがウンディーネは自分から魔法を使ってくれる。しかも俺は発声しなくてもだ。この意味分かるよな?アグニ達精霊がどのように魔法を使うか分からないけど、面倒臭い工程をウンディーネは文句言わずにしてくれてるんだ。元はユウコの精霊なのにだ」
『私だけ・・・戦闘に役立たないから・・・』
「ウンディーネ!?そんな事ないよ?私はウンディーネが居てくれて嬉しいよ!!これからも一緒に居てね!?」
「俺もウンディーネが居てくれて感謝しているぞ。だからそんな落ち込むな?水だって使い方には一番綺麗に魔物を倒す方法だってあるんだぞ?」
『どうやって?・・・・』
「ウォーターボールって魔法があるだろう?あれは水を回転させて水圧でボールを回してる感じだろ?あれを回転させず魔物の顔に纏わりつかせて二分も経てば窒息して服も汚さずに倒せるだろ?今度試してみようと思ってな。要は使い方だ」
「トレノ様凄いです!!!それならこのミラも魔物倒せそうです!!!」
『トレノは本当に色々考えてるのね。そんな使い方知らなかったわよ』
「まあまだ試してないから何とも言えないが多分大丈夫だ」
『分かった分かったよ!今回は俺っちが下がるよ』
『私も下がるよ。ウンディーネ?よろしくね?』
『ありがとう・・・見かけたら説得してみる・・・』
その後俺は雷属性の魔法書を二時間程読んで、途中分からない単語が多くユウコに聞きながらだが教えてもらい知らない単語はその都度アップデートだけして夜にインストールしようと思い、後は魔法陣がどういう意味合いがあるのかとルクスと二人で考えた。
「恐らく魔法陣とは魔法を行使する上で必要な準備でしょうか。曹長は魔法陣を知らない時から魔法が行使できましたので魔法陣は本来は要らないと考えれます」
「う〜ん。ちょっと弱いかな。俺はこの惑星は科学が進んでないというか見てないけど、エクセルシオは火を覚えた人類は最初焚き火のような火だったと思う。だからこの惑星の初級魔法のファイヤはただ手から普通の炎が出るんだと思う」
「想像の違いでしょうか?」
「その通りだ。俺が知ってる最高温度の炎はディスラプラター銃の銃腔を製造するエクセルシオの工場のバーナーの炎だ。魔力装填してるな?そのバーナーを俺は今想像している。『バーナー!』とこんな風に青色のバーナーが出たよな」
「曹長お見事です!」
「要は想像できるかできないかだけだ。ユウコ達は科学が分からないからファイヤはこの魔法陣を思い浮かべてコレ!ウォーターはこの魔法陣を思い浮かべてコレ!としか考えれないのだと思う。その分威力が高い魔法を行使すると強ければ強いほど消費も激しいけどな」
「恐らくそれが答えだと思います」
「だから雷属性の魔法もこの本を見れば初級からサンダーといって、稲妻を対象に当てると書いているが消費魔力が炎の初級魔法ファイヤの10倍だ」
「なるほど。だから雷属性は珍しいとユウコが言っていたのですね。雷属性が使えたら国王の近衛にすらなれる。とも言ってました」
「だろうな。俺は魔力の練り方はルクス任せだが魔力を使ったらその感じは分かる。なんていうか・・・少し脱力する感じだ。この雷属性を使える奴が居て、そいつがもし敵として出会ったら中々手強そうだ」
「大丈夫です。その時は私がその敵を瞬殺しますので」
「頼もしいな。その時はよろしくな」
「了解致しました。この後練習しますか?」
「そうだな。せっかくだから雷魔法とかその他色々魔力が続く限り色々開発してみよう。ルクスは悪いがミラやユウコ達にさっきの俺の理論の仮説を言ってくれないか?」
「了解致しました」
俺はルクス、ユウコ、ミラ、精霊達と少し距離を置き一人で思案する。ユウコに聞けば属性攻撃が通らない魔物もいると聞いたから満遍なく色々な属性の魔法が使えたら便利だと思う。
雷は、どうしても天気の雷を想像してしまうな。たしか以前撃ったレールガンは炎属性になるのか・・・。
あれは確か超高速で物質が回転すると電気が発生しその発生した電気と電気をさらに摩擦、回転させるとレールガンみたいな武器があったような・・・でもコストに合わないと言って開発中止になったとか聞いたような・・・思い出せん。いや待てよ?
わざわざそんな高出力な魔法を使わなくても雷は約3万度・・速度は1秒に340m進むから・・・名前は・・サンダーバレットでもしようか。これは超高温度、高貫通の・・・。うーん。エクセルシオの昔の規格の弾だけ雷の銃みたいな魔法だな。
「サンダーバレット!」
ドンッ!
"ユウコすまん!一人で考えると言ったが今の魔力はどのくらい使ったか分かるか?"
"はい、ファイヤ1.5発分くらいです"
"了解。ありがとう"
その後数発試し撃ちをし、本来の魔法書に書かれている複数の敵に雷を落とすライトニングを試し撃ちした所で音に反応してミラとユウコに詰められ、これまた色々聞かれたが今回はこの惑星の人みたいに説明できたと思う。
エルフのユウコは魔力を全部使う勢いでライトニングを撃てた。ミラはまだ鍛錬が必要だったが。
「トレノありがとう!まさが私が雷属性を撃てるとは思いませんでした!」
「良かったな!最初に行使したサンダーバレットは本当に使えると思うから頑張って覚えて欲しい。これはミラも同じだ。ルクスとドローンの銃を見て理論が分かればすぐに撃てると思う。頑張ってくれ」
「ミラも頑張ります!」
それまで、無言だったルクスが急に話した。
「ユウコ?私はこんな魔法もできますよ?」
ドォォォォォーーーーーーーン!
「「「・・・・・・・・・・・・」」」
「雷は約3万度に達しますが、光はそこまで高温ではありませんが雷より早く敵に命中します。光属性魔法、シューティングスターですよ」
いや勝ち誇ってルクスはなに言ってるんだよ!いきなりビックリしたじゃないか!
「そ、そうですね。ルクス様は光属性の精霊でしたもんね。でも、私もいずれそんな魔法くらい撃てるようになりますよ!!」
ユウコも張り合うなよ!?
「ほほ。エルフが光属性魔法を撃てるでしょうか?楽しみにしてますわよ?ほほほほ」
ルクスも何でユウコに煽るんだよ!?いつのまにそんな感情覚えたんだ!?それにその笑いはやめろと言ったはずだぞ!?そこから二人を宥めて夜はエルフのユウコが作ると言いはり、甘辛い肉や野菜が入ったこの惑星で普通に食べられる鍋を作ってくれたが最初よそった量が明らかにルクスだけ少ない気がした。




