これからの目的
俺は夢を見た。俺とエルフのユウコとアバター姿のユウコがみんな傷付き敵に魔法やエネルギー銃を撃たれてる中笑顔でアバター姿のユウコが敵陣の中に突撃して自爆する夢だ。気になる最後のアバター姿のユウコの言葉・・・確かに聞いたはずなのに何を言っていたか・・・・分からない・・・
「ハァーハァーハァー・・・・夢か・・・今の夢はなんだ!?あんな明確な夢なんか初めてだぞ!?」
「あっ!トレノ目が覚めたんだね!おはよう!」
「トレノ様おはようございます!」
「うん。おはよう。確かアバター姿のユウコを待っていたはずだが・・・」
「曹長!おはようございます!!良く眠れましたか!?」
「おっおい!?アバターのユウコ・・・だよな!?」
「そうです!エクセルシオ第18世代 トレノ・リアク曹長 軍用脳内チップAIユウコ 現在アバターにて着任の挨拶とします」
俺は寝起きだがユウコがエクセルシオの公用語で敬礼しながら俺に軍隊式の挨拶をしたため俺もすぐベッドから出て敬礼をし答えた。
「着任ご苦労である!現在エクセルシオ国としての任務はない。だがエクセルシオ航宙軍から任を解かれた報告もない。よって、引き続きトレノ・リアク曹長つまり私の補佐及び護衛をユウコの任務とする。今まで武器使用に制限があったがいついかなる時でも必要に応じる武器の使用を許可する。これ以降確認も必要なし」
「了解致しました。トレノ曹長の護衛を第一、補佐及び調査偵察を私が致します。作業用ドローンに載せ替えしたチップは万が一のために攻撃用ドローンと交換してもよろしいでしょうか?」
「許可する」
「了解致しました。全力で任務にあたらせて頂きます」
「ちょっとちょっと!?何言ってるの!?言葉は分からなかったけど凄く厳格な感じがしてたよ!?」
「あぁ。すまない。俺の国の言葉でアバターユウコの着任の挨拶をしてたんだ。こう見えても一応まだ国の軍に所属してるからな」
「トレノ様!何言ってるか分かりませんでしたがカッコよかったです!」
「ただの挨拶しただけさ。俺が寝起き姿なのがダサいけどな。ちょっと風呂に入ってきていいか?」
「そうそう!とうとうミラもアグニ達が見えるようになったんだよ!!喋れるようにも!!」
「そうなのです!私も精霊様も話せるようになったのですよ!!」
「良かったじゃないか!ちゃんと挨拶とかーーあぁー!!俺はどのくらい寝てたんだ!?」
「え?14時間くらいかな?ミラを看病してたのが夕方くらいだって今が朝の6時くらいだから・・・きっと疲れてたんですよ!そんな事よりお風呂に入ってきてください!朝ご飯は私達が作るよ!」
「そうか・・うん、まぁ分かったよ。じゃあ行ってくる」
なんか久々の風呂のような気がする・・・あの夢はなんだったんだろう・・・
"曹長 先程は軍用語だけですいません 改めましてアバターはありがとうございました"
"あぁ。なんか冷たい感じがしたからアバターに不満があったのかと思ったよ"
"話したい事が山程ありまして けど私も魔法の練習やドローンの事でやる事が多くて"
"これからゆっくり話せるから急がなくて大丈夫さ"
"後 わざわざ脳内会話じゃなくてもいいのですがアバターでは大精霊と会話ではないですが 似たような思念みたいなやりとりができます それで私の身体の事聞きましたが ウィスプという大精霊の眷属みたいですね それで 曹長に伝え忘れたそうなのですが 私の名前をルクスとしなさいとの事です"
詳しくユウコに聞けば眷属は大精霊がつけた名前じゃないといけないという決まり?があるらしく、一応ユウコは精霊という括りになるのでその親であるウィスプ様が付けた名前を名乗らないといけないらしい。精霊は自分を隠す名前や嘘を付いたら魔力が減って初級精霊まで落ちていくらしい。まぁ俺達は本当の真名を知ってるから別にかまわないけど。けど、精霊も色々縛りがあるんだな。
"とりあえずこれからルクスと呼ぶがかまわないか?"
"せっかく曹長が 付けてくれた名前ですが この素晴らしいアバターを作ってくれた大精霊の言う事は聞かないといけないと思うので ルクスでよろしくお願い致します"
"分かった。風呂から出たらみんなに今の事伝えよう"
風呂から上がり家の方に入りみんなを呼んでさっきの事を伝えた。
『だから俺っちもずっと名前を変えずにいるんだぞ?俺っちも後5000年くらい頑張ればイフリート様の横に座れるかもしれないんだぜ!?』
『アグニだけずるいよ!!ジン様!私も頑張っていますよ!』
『ポセイドン様・・・私も・・』
「アグニちゃん、シルフちゃん、ウンディーネちゃん!?これから一生懸命魔法覚えるからよろしくお願いしますね!」
『おうおう!上級精霊のアグニ様が人間にも精霊魔法の威力がどのくらいか教えてやるぞ!がはははは!』
『そうそう。その辺の人間に負けないくらいにしてあげるわよ!』
『私も・・・教えてあげる・・』
「ミラは魔法頑張って教えてもらえよ?さて・・・カリホルニウムは変わらず欲しいがそのアバターはカリホルニウムは必要ないんだろう?」
「はい。ウィスプ様が作ってくれたアバターは周囲の魔力を取り込むようにできています」
「でもアバターは大丈夫でも俺の頭にある本体は変わらずだろ?」
「そうですね。なので前程急ではないですがカリホルニウムがあるに越した事はないですね」
「まぁとにかく例の島に行こう。それとユウコ?朝ご飯作ってくれたんだろ?食べてもいいか?」
「そうそう!実はルクス様に聞いて地球料理作ったのよ!」
「ユウコ?呼び捨てって言ったでしょう?」
「そうだった!そう!ルクスに教えてもらって作ったのよ!えっと・・サンドイッチという物を作りました!」
なんか、ユウコとルクスは仲良くなったのか?姿こそ見えてなかったけど確かにこの惑星に来て最初の仲間だからな。これからも仲良くしてくれればいいな。でもユウコも中々粋な事してくれるじゃないか!サンドイッチだと!?
「おっ!俺が好きな地球料理の一つじゃないか!!」
「ミラも一緒に作りました!!」
「そうか!楽しみだ!さっみんなで食べよう!」
初めて実物のアバター姿になりましたが・・・曹長の顔を見て話すのは恥ずかしいですね。本当は抱きしめて家族になりましょう!と言うつもりだったのに全然言葉がでませんね。
これが感情というやつでしょうか。これからもっともっと感情を知り、笑い、怒り、悲しみを覚えていきましょう。
そして・・・・曹長、ミラ、ユウコみんなを守りましょう。私はそう決意した。




