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ランプーのジュース

 おんぶされたミラの案内で商業区にやってきた。

門番に俺の名前を伝えたらそのまま通してくれた。

商業区は色々な一見では何を売っているか分からないお店や怪しいお店など色々あった。



 「色々な店があるんだな」


 「そうなのです!ドワーフの武器屋やラミア族アルケミー族の雑貨屋さんや道具屋さんなんかもあるのです!」


 「そうなんだ。それでバルさんのお店ってどこか分かるか?」


 「お店じゃなく倉庫兼、事務所ですよ!」


 「シルビアは揚げ足取らなくていいって!」


 歩いてる種族はエクセルシオでは見た事ない種族ばかりだ。特に驚いたのは上半身女性の下半身蜘蛛や蛇の人達だ。総じて言えるのはみんな人間部分が女性で美人ということだ。


 "曹長 また何か考えていませんか?"


 "何を言っているんだ!?何も考えてなんかないぞ!?"


 "それなら いいのです"


 何かやたらとユウコが鋭くなってきてるな。気をつけよう。

 ミラはもう自分で歩けるようになったので俺が道行く人にバルさんって方の事務所を聞いたのだがバルさんの事務所は商業区に入った所すぐの大きい建物だった。通り過ぎる時に一際大きくて感心した建物だった。


 「よくまあこんな大きい建物を建てれるよな。儲けているんだな」


 「そうですね。ソフィーのお父さんはサクソンで1番の商会ですからね。その屋台骨がバル様と言われていますよ。ただバル様の事務所は初めて知りました」


 「本当に大きい・・・」


 「まぁとりあえずノックしてみよう」


 ノックして待ってるとラミア族の女性がやってきた。間近で見たのは初めてだったので俺は驚いて後退りしてしまった。


 「申し訳ございません。ただ今、人間種の方と交代致しますので・・・」


 「いえ、そんなつもりじゃなく初めてラミア族を見たのでビックリしただけです。別に嫌悪感とかそんなもの一切ありませんのでこちらの方こそ申し訳ありません。バル様にトレノが来たと伝えてもらえますか?言って頂いたら分かると思います」


 「あっ、あなたがトレノ様だったのですね!?旦那様から聞いてます!どうぞこちらに上がってください!」


 "曹長 是非このラミア族の女性とお近付きになりましょう そして種族の事とか聞いてください"


 "はぁ〜・・・どうせ知識の泉にアップデートしたいだけだろ?"


 "そんな事ありません 身体の構造 遺伝子がどうなってるのか 知りたい 無限の探究心です"


 "まぁ友達くらいにはな"


 "お願い致します"


 「色々な木箱があるんだな」


 「確かに多いですね。ここが倉庫と言われてるのも分かりますね」


 「はい!ここは旦那様が店や各地に卸売するための素材や道具を管理してる倉庫なので各地の珍しい物など保管しています。どうぞこちらでお待ち下さい」


 「ラミア族とは初めて見たが器用に動くんだな」


 「下半身が蛇ですからね。帝都なら間違いなく奴隷対象なはずですが、さすがサクソンですね」


 「うん?確か帝都は人族至上主義とか言ってたよな?あのラミア族とかも奴隷対象なのか?」


 「そうです。私みたいなエルフもドワーフやアルケーミー、色々な種族は帝都では奴隷になります」


 「ここの国の管理はサハリン帝国だろう?違うのか?」


 「そこは、難しい所です。サクソンの商業長とロドリゲス男爵は人族至上主義の考えに異議を唱えていてそれで見ての通りサクソンは商業が盛んなのでお金を払う代わり奴隷狩りをするな。決めたギルをその代わり払う。と言う風になったと聞いています」


 「その二人は中々出来た人達だ。やはり一度会っておきたいな」


 「おぉー!トレノさん!!」


 「こんにちわ!お加減は良いようで!?」


 「すっかり良い!むしろ前より良いくらいだ!こんな所で悪いな!キアロ、お客様にランプーの飲み物を出しなさい」


 「ランプーですか!?良いのですか!?」


 「かまわんよ!なんせ、このお方達は命の恩人だからだ。早くしなさい」


 「ランプーの飲み物とは!?」


 「それは飲んでからのお楽しみという事でな?ははは!凄く美味しいんだ!中々手に入らないんでな」


 「なんか、すみませんね。楽しみにしておきますね」


 「それで・・・例のお礼の件なのだが・・・」


 「それなんですが、実は頼みたい事があります。少しの間はこの街に居ますがまた別に俺達は目的がありますのでその目的地にどんな魔物がいるか分からなくて魔法をもっと覚えようと思うのですが、よければ魔法書なんかいただけませんか?」


 「ちょちょっとトレノ!?魔法書は凄く高いのよ!?バル様に流石に失礼よ!?」


 「おっ、そうなのか!?いや悪い。価値が分からなくてな。バルさんすいません、今のはなしでかまいません。この辺の物価に疎くて・・・」


 「はっはっはっ!魔法書だな!?どの属性が良い!?流石に全属性は難しいが二属性くらいまでなら用意しよう!」


 「本当ですか!?ありがとうございます!」


 "曹長 雷 光 属性をお願いしてください"


 "了解"


 「雷属性と光属性とかお願いできますか?」


 「トレノ!?分かって言ってるの!?その二つは魔法書でもまた一段と高いのよ!?」


 「シルビアさん?かまわんからそう言いなさんな。すぐに用意しよう。三日後くらいにまた来てくれるか?」


 「そんなに早いんですか?こちらは大変嬉しいですが・・・」


 「ワシはサクソン棚卸しバルだ!お客様の求める物を一早く届けるのを心情としておる!任せてくれ」


 「ありがとうございます!」


 「お待たせしました!」


 「うは!?何これ!?」


 ミラは子供のように驚いてるな。俺も少し驚いてるが。こんな緑色の飲み物なんかエクセルシオにも少ないぞ!?


 「さぁ、飲んでくれ!あぁ〜、酒ではないから女性二人も安心しなさい」


 "曹長 その飲み物から微量の魔力が含まれています"


 "魔力?毒とかはないんだろう?"


 "さすがにこの状況で この人間の男性が毒を入れる可能性は低いと思いますが 調べてからにしますか"


 "いや、バルは大丈夫だ。このまま飲もう"


 "異常を感じたらすぐに吐き出してください"



 ゴクッゴクッゴクッ


 「・・・・甘いっ!凄く甘いっ!トレノ!早く飲んでみて!」


 「本当!凄く甘いですよ!トレノ様早く!」


 「いただきます・・・・これは美味い!なんともいえない甘さだ!これ凄く良いな!バルさん!?良かったらこれ売ってくれませんか!?」


 "曹長 大丈夫ですか"


 "あぁ。問題ない。かなり美味い!"


 「残念なんだが、これはさっき言った通り貴重でたまに海からしか流れてこない果物なんだ。しかも、流れてきたのは全て腐らずに流れてくるんだ」


 「変わった果物なんですね。もし今度手に入れば売ってください!馬鹿みたいに高くないなら購入しますので!」


 「分かった。その時はトレノさん達に売るようにする」


 「それと今度遠征行く前の準備する物はバルさんの所で購入してもよろしいですか?」


 「いやそれはありがたいがうちは一応卸売なので店舗はないんだ。もし良いならバリスの店で買ってあげてくれないか?」


 「そうでしたね。分かりました!バリスさんの店で買うようにしますね。ではまた3日後くらいに来ます」


 「トレノ?あの素材なんだけどトレノが良いなら商業ギルドで買い取ってもらったら?」


 「商業ギルドってのもあるのか?バルさん?良ければ素材とかは買い取ってもらえたりは・・・?」


 「うちでは扱えないが商業ギルドに登録したら買い取りしてもらえるぞ?」


 「そうなんですね!分かりました!また伺ってみますね!では、魔法書お願い致します。また3.4日したら来ますね」


 「あぁ分かった」


 


 「ランプーの飲み物は美味かったな!」


 「本当に美味しかったですね!ミラもまた飲みたいです!」


 「あぁ今度購入したら飲ませてやるからな」


 「トレノ?これから商業ギルドに行くの?」


 「う〜ん・・・正直登録とか面倒なんだよな・・・」



 「見つけた!!やっと見つけた!!さっきはすまん!この通りだ!」


 "この惑星の人間はすぐ土下座するようだ"


 "言葉に差別的感情があるように思います"


 "ユウコの方が酷いと思うぞ?"


 「ギルドマスターがこんな所で土下座は感心しないが場所変えるか」


 「いやここで良い。あのボンクラとシーラはクビにした。これからは贔屓せずまともにするから良ければあの素材を買い取らせてくれないか!?」


 "正直どうでも良くなってきてるんだがどうしたらいいと思う?"


 "正直私の 演算でもカルロという 男性が土下座するとは思いませんでした ただここで頑なになればサクソンでの行動に支障がでそうではあります クビにしたって事で水に流しても 良いかもしれません"


 "う〜ん・・・分かった"


 「そこまで言うなーー」「舐めてるんですか?」


 "おい!?エルフのユウコが未だにキレてるぞ!?"


 "しょうがありません 後はなるようになります"


 「そう言われてもどうしたら良いか・・・・」


 「シルビア?その辺にしておこう。こんな人通りの多い所でギルドマスターである人を土下座までさせて追い返すのはこちらが悪くなる。それに元凶はクビにしたと言ったしこの辺で手打ちにしないか?」


 「トレノがそう言うなら・・・・もし、またこんな事があれば許しませんよ?」


 「だ大丈夫だ。二度と不正はないようにする」


 そう言い人の注目を浴びたが冒険者ギルドに戻った。色々マスターは話し掛けてはきたが仲良くなるつもりはまったくないのでゴブリンやオーガの死体を出し義務的な会話だけで終わらした。

 買い取り金額は4000万ギルだった。30枚だけ大金貨を貰い後はギルドカードに入金してもらった。



 「やっぱ気分は悪いな。仲良くはするつもりはないからシルビアも許してくれ」


 『そうだぞ!?ユウコが怒るとマナが荒ぶってしまうから制御が大変なんだぞ!?』


 『でもあんたも中々やるじゃない!?トレノが全力で出したマナは中々だったわよ?』


 『私達・・・くらいだった・・・』


 "あれが全力だと思ってるみたいだがどのくらいあれは解放したんだ?"


 "3割くらいです"


 3割であんなに驚かれるのか!?本当の事は黙っておこう。


 「精霊さんとお話ししてるのですか?」


 「うん?よく分かったな?」


 「なんか首がゾワゾワするから・・・」


 『おうっ!この人間も中々やるじゃねーか!俺達の魔力を少し感じてるぞ!!』


 『本当!中々分かる人間居ないんだけどね!』


 「ミラちゃん?精霊が褒めてるよ?中々精霊の魔力が分かる人間は居ないって!」


 「本当ですか!?シルビアさん!嬉しい!!」


 「とにかく今日はもう夕方だし拠点に帰ろう」


 「賛成〜!今日はトレノが料理してくれるんでしょう!?楽しみにしてるよ♪」


 「そんな事言ったか!?まあ別にいいけど」


 そう言って俺達は転送で家に戻りレッドボアの肉で地球料理のトンカツを作り食べたが、これまた絶品と言うくらい美味く出来てあっと言う間に平らげてこの日は終わった。


 "ユウコ?明日はドラゴンの情報を探そう。カリホルニウムの近くはドラゴンが居るって言ってたがまったくこの辺に気配はないか?"


 "ドローンで哨戒してますが らしき者は居ません"


 "分かった。引き続き頼む。じゃあおやすみ"


 "おやすみなさい"

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