ミラが加わる
次の日の朝、店兼住居の下女さんに朝風呂入っていいかと聞いた所かまわないと言われたので入らせて貰った。一時間程堪能した所で、風呂から上がるとちょうどエルフのユウコが起きた時間に重なった。
「シルビアおはよう」
「おはようございます。トレノ」
「シルビアもせっかくだから風呂に入ってきなよ?朝から入る風呂も気持ち良いんだ」
「そうなのですか!?分かりました!今から行ってきますね!」
「トレノ様おはようございます。昨夜は良く寝れましたかな?」
「バリスさんおはようございます!久しぶりに良く寝れました!ありがとうございました」
「それは良かった!今が6時くらいなので7時には朝ご飯としますがよろしいですか?」
「大丈夫です。お願いします」
"やはりこの惑星も俺達エクセルシオと同じ時間計算になるんだな"
"現地の住民が 言った事なので間違いなさそうですね"
"不思議だよな"
部屋に戻り部屋でまったりしてるとミラがやってきた
「トレノ様よろしいですか?」
「あぁ。どうぞ」
「ミラ、おはよう」
「おはようございます。トレノ様」
「どうしたんだ?」
「実は・・・昨日お母さんといっぱい話しました。これまでの事、ミストの事、冒険者の事とか・・・それで・・・シルビア様やトレノ様は私は足手纏いですか?」
「いや?そんな事は思った事ないな。足手纏いな人間は俺はそうそう居ないと思っている。人には向き不向きがあり、仮にミラが一流の宿の料理人を任せられればミラは務まると思うか?」
「いえ無理です」
「でも俺達がたまに食べる飯くらいなら作れるよな?」
「まぁそのくらいなら・・・」
「そうやって最初からできる奴なんて誰も居ない。最初に比べて魔法も二属性も使えるようになったんだろう?なら成長してる事だ。足手纏いと思う事なんてないぞ?」
「ありがとうございます!その言葉が聞けて良かったです!それでもし良いなら・・・これからも私を連れて行ってくれませんか!?シルビア様やトレノ様には何か秘密がある事は知ってます。その秘密を探ったり聞いたりするつもりもありません!どうかお願いします」
"曹長 良かったですね もう一人の小娘なら私が拒否しますが このミラという 女性なら許可致します"
"何でユウコの許可がいるんだよ"
「お母さんは大丈夫なのか?」
「実は昨日の夜にマジックバック見させてもらいました。あんなお金見た事ありませんでした。それにあの触媒ってユグドラシルの触媒でしたよね?」
「あぁ。確かにユグドラシルの枝だな。少し前に変な奴が俺に魔法を撃ってきたんで返り討ちにしてやったんだがそいつが持っていたんだ。捨てるのはもったいないからシルビアにあげたんだがシルビアはどうもあのユグドラシルを触媒にすると上手く魔法が発動しないみたいなんだ」
「そうなのですね。けどあれは私が持つには相応しくないのでお返しします!それとお金もお返しします!なので私も連れてってください!お願い致します」
「あぁ〜気持ちよかった!ってあれ!?ミラちゃんは何してるの!?まさかまたトレノに詰められてるの!?」
「何でだよ!?俺は何もしてねーよ!ミラが俺達に連れてって欲しいだとさ。俺は問題ないと思っている。シルビアはどう思う?」
「本当!?私も嬉しいよ!!これからも魔法頑張ろうね!!」
「はい!ありがとうございます!これからも雑用はしますのでよろしくお願いします!それとこれが渡されたマジックバックです。そのまま全部入れてます」
「いや、これは受け取ってくれ。ユグドラシルの触媒はミラが使いなさい。俺達には必要ないから。お金はお母さんに渡しなさい」
「え?でも・・・・」
それから俺達はミラのお母さんの元に行き挨拶をして渋々ながらお金を受け取って貰った。律儀にマジックバックも返してくれた。
実は中々高い容量の多いマジックバックだったので返された事が嬉しかったのは内緒だ。ユグドラシルの触媒はミラがこれから魔法を使う時に使用するという事にした。
その後、バリスさんに呼ばれ朝ご飯を食べたがこれまた非常に美味かった。俺の好みの問題かもしれないがこの国の飯は総じて俺の舌に合う飯が多いんだ。
"ユウコ、悪いんだがこの料理を新たにフォルダを作って記録しておいてくれるか?いつか暇ができれば俺も作ってみたい"
"了解致しました ただ私の仮想アバターが手に入れば私にも食べさせてくださいね"
"アバターでも味って分かるのか?"
"曹長と 同じ味を感じるかは分かりませんが曹長と同じ物を食べ 生活を共にする事に意味があります"
"なんだそりゃ。まあ分かったよ"
それから俺達はバリスさんや奥さんソフィーに別れの挨拶をした。ミラのお母さんはこの店の雑用を住み込みでさせてもらえるようになったらしく、イルマさんに何回もお礼を言っていた。
ソフィーも俺達と冒険者をしたかったらしいがというか何も言われてないのに俺達と普通に出て行く感じだったにビックリしたがバリスさんに止められていた。
「離してよ!私はこれからも冒険者するの!ミラみたいに強くなるの!」
「ソフィーはこのお店を継いで欲しいのだ。分かってくれ」
「そうだぞソフィー?俺達は明日も分からない生活をするんだ。こんな立派な店、立派な家も貴族街にあるんだろう?何もわざわざ俺達みたいな生活をしなくて良いじゃないか」
「私だけ・・・なんか寂しい・・・」
「ソフィー!ミラはたまにお母さんに会いに帰ってくるから!それにしばらくはまだサクソンに居るんだよ?」
「そうよ。ソフィー?まだしばらくはこの街に居るから泣かないで」
「分かった。けど、本当に顔見せてよ!?いつか私がお父様の後を継いでもっと商会を大きくするから!」
「あぁ。俺はサハリン帝国の商会ってのを調べておくから結果はソフィー達も喜ぶ事になるかもな。じゃあ頑張れよ。バリスさんイルマさんありがとうございました」
「いえいえ恩人を追い出すような感じですいません。本当に何泊でもしてもらって良いのに・・・」
「いやこんな高級な生活をしてたら冒険者に戻れそうもないので。ではまた何か進展があれば寄らせて頂きます。ありがとうございました」
「さて・・・シルビア?俺達の事ミラに言おうと思うが良いか?」
「うん。良いよ。むしろ私が言おうと思ったくらいだけど」
「え?トレノ様!?シルビア様!?」
「ミラ?今から現れる物に悲鳴をあげたりしないでくれ。それに軽く触れていてくれ」
"ユウコ?あの家に一度帰れるか?"
"了解です ドローンステルスモード解除します"
バーンッ!!
「!?!?!?!?!?!?!?」
"声を上げるなと言ったから顔はかなり引き攣ってるが必死で言った事守ってるな。人が現れたらいかないから転送してくれ"
"ミラと言う 女性は見所がありそうです 健気ながら約束を守ろうとする姿勢は 評価に値します 転送開始します"
「ミラ?もう喋ってもいいぞ。ここが本来の俺達の拠点だ」