最高の形?
「旦那様!?」
「お父様!?ソフィーです!今治療中です!」
「ソフィー?空けてあげて?」
「え?でもシルビアさんの・・・・」
「良いよ。空けて」
「おぉ〜・・・イルマ・・・それにソフィー!!今までどこに行ってたんだ!?心配してたんだぞ!?」
ソフィーのお父さんは見るからに優しそうな良いお父さんって感じの人だった。見ず知らずの俺が治療してるのに悪い顔もせず事情を話したらすぐに頭を下げ礼を言ってきた。
「本当にこの度はありがとうございます」
「まだ奥さんの目が覚めてないので素直に喜べませんがもう怪我の方は大丈夫だと思います」
「いえ、顔の傷も治ってるのでトレノさまの薬が呪いのペンダントより勝っていたのでしょう。本当にありがとうございます」
「あ・・・・あれ!?足も手も痛くない!?」
「お母さまっ!?イルマッ!?」
そこから、執事のクロノアも混ざってみんなで喜んでいた。呪力が強いって言ってもやはり俺達の敵じゃないな。なんともないくらいに再生クリームが効いたな。
「トレノ様っ!?先程は信用できないとか言って申し訳ありませんでした!!この通り怪我は治りました!!ありがとうございました!!」
「トレノ!?本当にありがとう!!」
「いえ、このくらい大した事ありませんので大丈夫ですよ」
「イルマ?怪我は治ったが呪いのペンダントの解呪がまだだから傷や怪我に気をつけないといけないぞ?ディスペルを使える魔術師を必ず見つけるからな!?」
"ユウコ?あのペンダントもエアブレードナイフで斬れないか?"
"見た感じただのチェーンなので斬れると思います"
「あの・・よければそのペンダント私が外しましょうか?と言っても切断って形になりますが」
「まさか!?トレノはこの呪いのペンダントも外せるの!?お母さま!?外してもらって!!」
「私も以前は隷属の魔法をかけられた首輪をつけられてたのですがトレノに外してもらった経験があります。大丈夫です!またトレノを信じてください!」
「分かったわ!怪我も絶対治らないと思ったのに呪力が掛かってる状態で治ったんだもの。私はあなたを信じます!」
「分かりました。なら今から外しますのでうつ伏せで寝てください、そして絶対に動かないでください。素早くします」
"エルフのユウコの時とは違い、チェーンの弛みが少ない。ユウコ?補助頼むぞ?"
"任せてください エアブレードナイフ剣先をチェーンに引っ掛けてください できればそれでパワーオンにしてください"
"了解"
「じゃあみんないきます。3 2 1 」
パキッ
ふぅ〜・・・どうやら首を切らずに済んだな。
"ユウコ助かったナイスアシストだ"
"いえ とんとでもないです お疲れ様でした"
「あの強い呪力のペンダントが取れたのか!?」
「お父様!間違いないです!外れました!!」
「あなた・・・私・・・・」
そこから家族三人が泣いて喜び、それをしばらく眺めてた俺とユウコ。確かに絶望から希望に変わった瞬間だった。
「ユウコ?とりあえずはソフィーの母親は大丈夫だから日が沈まない内に宿でも探さないか?」
「そうですね。それと冒険者ギルドに行ってオーガロードとゴブリンの処理のギルを貰いましょう」
ドタドタドタドタドタドタ
"曹長 若い男性が店の者の静止を振り切りこの部屋に向かってきています"
"あの足音で分かっている"
「凄い足音。誰かしら?」
「誰だ!!誰が僕が作った呪いのペンダントを解呪した!?」
「お、お客様そちらは・・・」
「だまれっ!!」
ドンッ!
"事前に魔力を練っていたようです 風の衝撃波みたいな感じです"
"その割に焦っていないな?"
"あの程度の奴に 曹長がやられるわけもありません 捕まえて背後関係を洗いましょう"
「おい!無関係な人に手出すな。お前の呪いのペンダントなら俺が斬ってやったさ。造作もなかったぞ」
「嘘だッ!!僕が掛けた呪いは完璧なんだ!」
「現に斬ったんだから大した事なかったんだろうな。とりあえずお前がこの呪いか何かも分からんペンダントをこの女性に付けたんだな?」
「うるさいっ!!もう許さないぞ!!僕の魔法が1番強いんだッ!!!」
"曹長 あれが俗に言う思春期に訪れる 男性特有の出来事の塊です 所謂勘違いというやつです"
"なんか可哀想に見えてくるな"
「アシュタルト様が作りし………」
「お前か!!?お前がお母さまをッッ!!無双四段乱れ雪月花ッッッッ!!!!!」
"・・・・・・・・・・・・・・・・・・"
"曹長 対象の男性が死んでしまいました 曹長が教えた剣で です"
"んな事見たら分かるよ!!!"
くそっ!せっかく背後関係調べようとしたのに・・・ソフィーのやつどうしてくれるんだよ!!自分が教えた剣で本来なら敵を倒した事を喜んでやりたいけどこれじゃあ素直に喜べないじゃないか!
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