星の知的生命体と遭遇
"曹長 起きてください この惑星の住民による敵襲です"
"おはよう。って敵襲とはなんだ!?知的生命体が居るのか!?"
"エクセルシオと同じ成分でできてる惑星なので知的生命体が居てもおかしくはありません ただ今襲ってきてる奴は高度な知能は持ってないようです それと人間ではなくエクセルシオの豚に似た顔の二足歩行の生き物です"
"作業用ドローン一機飛ばして映像をリンクして直接俺に見せてくれ"
"はい 現在スラスター辺りに体当たりしていますが反撃はどうしますか?"
"現在我々がこの惑星に無断で着陸した事になっている。緊急事態とはいえ本来なら宣戦布告と見られてもおかしくない。ここは穏便に会話をしてみる"
"とても会話ができる生き物とは思いませんが"
"とりあえず映像を頼む"
そこには醜悪な顔をした二足歩行の豚が3匹?3人?居て脱出ポッドに一生懸命体当たりや木の棒で殴っていた。いくら脱出ポッドでもそんな攻撃じゃビクともしないぞ?なんなら振動すら感じでないんだよな。
"これはなんというか色々酷いな"
"それはこの星の住民に対しての言葉でしょうか?容姿に対してならエクセルシオ軍隊法 第4章 第2部の3項目に記載されている全ての星の住民の容姿や喋り方を馬鹿にしたり貶したりすれば軍法会議にかけられるとなっております"
"いやそういう意味ではなかった。訂正する。でも今更軍法会議に掛けられても俺は終身刑だしな。まず外に出てみよう。生身で出ても問題ないのか?"
"大気中の成分は窒素(78.08%)酸素(20.95%)アルゴン(0.93%)二酸化炭素(0.03%)でおおよその成分はできております 奇しくも私の名前を付ける事になった天の川銀河域 太陽系 第三惑星 地球と同じ成分となっております"
"なに!?そんな偶然があるのか?でも実際そうだったのだからそうなんだろうな"
"じゃあコンタクトしてくる。念のためにディスラプター銃を装備しておく。攻撃を受けた場合反撃しても問題ないか?"
"この星に対して大使館どころか交流もない惑星です。エクセルシオが宣戦布告と見られるかもしれませんが この惑星は宙域通信もしくは 通信電波すら捕らえる事ができません 私の脳波にまったく捕らえられないので 恐らくこの惑星はまだ宇宙に出た事ないのではと思います なので宣戦布告と見られてもエクセルシオには何も害は及ばないと思います"
"了解した。なるべく穏便に話すようにするが何かあればユウコはアレス艦長が送ってくれたドローンにアクセスしてドローン及び物資を素早く処分し自爆して破棄してくれ。俺が死んだ事を確認して俺がこの星に来た痕跡を消してくれ"
"了解しました でも私は曹長を死なせはしません 作業用ドローンでも原始的ながら物理銃を装備しております 今銃口を向けております 戦略作戦の都合上目標及び対象の名前を豚と名付けます では曹長!任務頑張りましょう"
おいおい。なんかユウコの奴張り切ってるんじゃないか?しかも見た目の事を俺に言って来た割に自分は見たまんまの名前で呼ぶのかよ。
それから俺はポッド後方、スラスターの方から飛び出した。
言葉は違うから通じるわけはないと思い、エクセルシオ及び我々の国での総称、所謂西側諸星の全星及び全諸国の言葉約10000の言語を翻訳機を使い問いかけた。
「驚かせてすいません。我々はあなたがたに攻撃するつもりはありません。少し話しをさせていただけませんか?」
「ブボォーーーーーーーン」
"おい!ユウコ!この翻訳機は間違いないのか?まったく理解してる風じゃないぞ?"
"エクセルシオの翻訳機は銀河一を謳っています 訛り 発音共に完璧です"
"これはコンタクト失敗だな。それにさっきより攻撃が増してるぞ"
"まだ大丈夫ですがこのまま体当たりが続くと約45時間後にはこのポッドは破壊されます 排除しますか?"
"う〜ん。もう少し粘ってみるよ。どの道このままレーションが途切れたら俺は餓死してしまう。この惑星の住民にほかの知的生命体及び我らと同じ種族人間が居る事を願うしかない"
"了解しました 曹長に死なれたら私も居なくなるのと同じになります 曹長を絶対死なせないため エクセルシオ軍正規ドローン三機のうち一機を護衛に就かせます"
"おいおい、俺はそこまで弱くないぞ?"
"曹長にもしものことがあればいけないので直近 作業用ドローン及び 正規ドローンは手を余してるので問題ないです"
"分かった。ユウコに任せる"
そこからオレは1時間程攻撃を避けながら対話を頑張ってたがまったく止むことのない攻撃にさすがに交流は無理かもと諦めかけたその時空にエクセルシオにはいない大きい鳥?みたいな生き物が飛んで来て口から火を放ってきた
"曹長!新手の敵襲です ポッドが重大な損傷が起きました エンジン出力の回路基盤が焼き切れました"
"なに!?これじゃもうポッドは本当に物置きになったじゃないか"
"すいません 私のAIリンクの権限がドローン操作までしかなくレーダー感知ができないので 遅れました トレノ曹長本当にすいません"
なんか今までにないくらいユウコが謝ってくるな。まあ別にポッドで帰れるとは思ってなかったからいいけど。それにしてもあれはなんだ!?昔エクセルシオに跋扈してた恐竜に似ているぞ!?ポッドを攻撃していた豚?みたいな生物は炭屑みたいになっているな。これは通常の炎ではないみたいだ。一瞬で高温になる・・・気をつけないと俺も危ないがよくこのポッドは保ってくれたな。
"ユウコ?あれはエクセルシオの昔生息していた恐竜の一種か?"
"構成されてる成分が分からないためなんとも言えませんが見た目では似た生き物だと思います 1匹捕獲したいです"
AIであるユウコが自分から物事を考えるとは珍しいな。
"そうだな。では、我らエクセルシオ軍 ソンブレロ調査艦 巡洋宙域艦 第8艦隊所属 トレノ・リアクはこの星に無断で緊急着陸をしたもののこの星の知的生命体に平和的にコンタクトを取る努力をしたがその努力虚しく攻撃を受け艦体が著しく損傷する攻撃を受けたため敵を排除する"
"エクセルシオ軍 ソンブレロ調査艦 巡洋宙域艦 第8艦隊所属 トレノ・リアク曹長AI ユウコは曹長は何も脳に異常がなく正常の判断であると認める 迎撃を許可する"
まあなんともめんどくさい事をする法律だよな。そもそも単独で任務をこなす事なんか今までなかったはずだけど大昔、同胞の国の一般兵が相手国は降伏を示したのに興奮の余りに殺してしまってから未確認の生物に対しては攻撃する前は口上を相手に伝えて脳波の異常があるか確認させられるんだよな。
"曹長見事な口上です 曹長が迎撃お願いします 私は正規ドローンの操作はできますが ドローンのディスラプター砲を撃つ権限がないため 作業用ドローンの物理銃しか操作できない為 相手に効かないと思われます"
"了解した。ディスラプターで頭を狙う。無駄弾を撃ちたくない。相手の動きに合わせて予測して演算補正してくれ"
"了解しました"
「おい!でかい鳥!今からあんたを殺す!あんたから攻撃してきたんだ。恨んでくれるなよ」
「ギャオーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!」
"曹長 今です!"
チュドォーーーーーーン
"目標の生命反応を確認 喪失した事を確認 ユウコ、相変わらず見事な補助だった"
"私はトレノ曹長の脳チップAIに過ぎません 曹長の脳の演算能力を最大限引き出してるに過ぎません"
"それでもだ。ありがとう。それでこの恐竜はどうする?"
"できればどんな生物か知る必要があるので 解剖 分析する事を提案します"
え?解剖するのか?それにディスラプター銃使ってるから頭の方は綺麗に分子分解されてるからまあまあグロいんだけどな。でもディスラプター銃が高温で当たった所から美味しそうな匂いがしてるんだが。とりあえずユウコの言う通り切っていくか。
"はぁ〜・・・・疲れたぞ。ユウコこれくらいで良いか?皮が思いの外分厚くてエクセルシオ軍正式採用されてるエアブレードナイフも一回で充電なくなったぞ"
"曹長 お見事でした エアブレードナイフの充電を無くすくらい頑丈な皮をしてる生き物は興味深いです 是非とも知識の泉にアップデートしたいです"
"AI特有の言い方はやめろ。知識の泉じゃなくデータバンクでいいだろう?それとさっきから見れば見る程高級な鶏肉にしか見えないんだがこれは食用できるのか?"
"食用できるかは 作業用ドローンに早急に解析させますのでお待ちください それと目標を対処したため対象物の名称を決めていなかった為 便宣上恐竜と言いますが 胸の方から大きめの宝石が出てきましたがどうしましょうか?"
"こいつ宝石なんか食べてたのか?随分偏食なやつなんだな。それに俺が宝石持ってても使い道なんかないぞ?ユウコが解析なりなんなり使っても良いぞ?"
"私は宝石に価値を見出せません もしこの惑星に人間種が居るかは分かりませんがもし居た時のために保管しておきます 作業用ドローンの倉庫に入れておきます それとこんな大きいドローンを付近に飛ばしていたらまたさっきの恐竜に見つかるかもしれません 幸いこの星も太陽があるためドローンが航行できる最高高度で1台だけ護衛に残し 残りは太陽光での充電をしつつ待機させます"
"了解した。いきなり丸焦げにはなりたくないしな。じゃあ俺は少しレーションを食べて休憩するついでに付近に人間が居ないか、飲み水にできそうな川がないかを調べてくれ"
"了解しました"
とりあえず当面は水とレーションがあるからなんとかなるし、銃もディスラプター銃は限りがあるがチャージライフルは太陽で充電させれば壊れさえしなければ使えるな。
艦隊学校の授業以来のサバイバルだ。