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マテリアの粉末

 アップデートした後ユウコの解析を確認した。マテリアはカリホルニウムを粉末にして放射能を除去して特殊なカプセルに入れて出来上がるのだが粉末にする前に魔力を流せばカリホルニウムの放射能が除去される事が分かった。更に魔力を流したカリホルニウムは放射能がなくなるだけにならず魔力を引き寄せる性質を持つらしい。

 

 ユウコが言うには、魔力を流し放射能を除去して粉末にしたカリホルニウムを特殊カプセルを使わずそのまま飲み込めば後はユウコが俺の体内で脾臓と肝臓の間の空いてる所に粉末にしたカリホルニウムで魔力溜まりの仮想臓器を作ると言った。


 "いくらなんでもさすがに怖いぞ!?"


 "でもこの星の人間はエクセルシオの人間にはない名前も分からない臓器があるのは確かです"


 "何でそこまで断定できるんだ?解剖なんかしてないだろ?"


 "あの賊を撃った時にドローンで魔力の計測をしてました 私が倒した容疑者の男3人 全員が同じ場所に魔力溜まりがある事が分かりました"


 "そんな事まで調べてたのか?だからあまりしゃべってこなかったのか?"


 "そういう訳ではありませんが 私の解析が正しければ曹長も 魔法が使えるようになると思います ただ容疑者達の体内の魔力溜まりがマテリアとは断定できませんが似たような働きのある我々人類にはない臓器があると断定します 曹長 お手柄です エクセルシオに帰れば歴史に名が残りますよ"


 "いやだから帰っても俺は終身刑だから"


 "この功績と相殺できると私は思います どうしますか?仮想臓器を作りますか?"


 "やはり少し怖いんだが・・・それにマテリアの結晶、カリホルニウムはこの一つしかないから俺がこれを粉末にして飲めばユウコのマテリアがだいぶ減るから作戦に支障が…"


 "曹長 これだけは言わせてください 私は軍用AIに過ぎませんが私は主であるトレノ曹長の生存が最優先任務です 私の活動を止めないと言ってくれますが私はトレノ曹長が魔法を使う所を見て 魔法を使って喜ぶ姿が見たいです"


 "だが・・・まだマテリアに余裕があるが・・・どうだかな・・・"


 "私の演算では 曹長が魔法を覚えれば この国の龍脈にあると思われる カリホルニウムの採取成功確率が25%上がります その理由が魔法により攻撃手段が増え 生存確率が上がり その魔法もこの星の賢者と言われたエルフ族を超えれば国の中枢が黙ってはいないでしょう 囲い込もうとすると思います その後は帝国に侵入しカリホルニウムを採取するという作戦を提案します"


 "壮大な計画だな。俺はまだ炎の初級魔法しか使ってないんだぞ?"


 "大丈夫です 私がいつものように補佐します"


 "いつものようにって、俺が無能みたいな言い方じゃないか!?あんまりだぞ!?"


 "私は曹長をこの国1番の魔法使いにしてみせます 私を信用してくれませんか"


 "分かった!分かったよ!これで何か俺に障害が出たり死んだりしたらエルフのユウコの事頼むぞ!?"


 "私の任務に 対象 エルフ ユウコ様の護衛も含まれています 安心してください"


 "安心して死んでくださいに聞こえるぞ!?"


 "私のこのデータに間違いはありません 安心してください"


 "分かったよ。とりあえずエルフのユウコにもこの事教えていいか?ユウコに魔力流してもらわないと飲めないし"


 "その方が良いと思います"


 "ならすまないがドローンで起こしてきてくれないか?"


 "了解致しました"





 「どう言う事!?もう一回説明してくれませんか!?」


 「いやだからこのカリホルニウムに魔力を流してもらえばこれを粉末にして俺の体内で魔力溜まりを作り魔法が使えるようになると思うんだ」


 「そんな事あり得ない・・・」


 「俺もあり得ないと思うが頭のユウコが言うには間違いないそうだ。試してみる価値はあると思う。もし俺に何かあってもユウコは残るから何かあれば今後はこのドローン達を上手く使って好きに生きてくれ」


 「いやそんな事私は・・・」


 「最悪な事を想定して言ったが頭のユウコに間違いはないと思うから大丈夫だ。魔力を頼む」


 「・・・・分かりました」


 そこから暫くエルフのユウコに魔力を流してもらい、巨大なカリホルニウムだから満遍なく魔力を流すのは1時間程掛かると言われたので俺は一応念の為に二人のユウコに手紙を書く事にした。


 "ユウコ、暫くの間でいい。シャットダウンしてくれ"


 "知識の泉によると 鬱状態になった隊員が自殺する前にシャットダウンする傾向が多いようですが大丈夫ですか?"


 "そんなデータもあるんだな。大丈夫。念の為に二人のユウコにも手紙を書くだけだ。今回の任務で家族に手紙を書いてるが今頃もう見てるかな?この星では送る人がユウコ以外居ないからな"


 "分かりました ドローンにリンクしておきますので本体シャットダウンします 書き終えたらドローンから手動で起動をお願い致します"


 "あぁ分かったよ"



 そこから俺は頭にチップを入れ名前を決めた日から今までの事を感謝している事を書き、もしこの事で俺に何かあってもユウコの事は恨まないと書いた。そして俺が生きてはいるが意思疎通ができない場合は直ちに心臓の動きを停止し今後はエルフのユウコの補佐をするように書いた。宗教上、輪廻転生があるとかは思わないがもしあるとして、俺は軍に身を置く事になってもまたユウコのAIのチップを入れて貰いたい。と最後に書いた



 "おはよう。久しぶりのシャットダウンはどうだった?"


 "曹長 おはようございます そうですね 約3年ぶりでした あの時は地球の日本のすき焼きを研究してる時に上官に見つかりそうになった時以来ですね"


 "よく覚えているな。恥ずかしいから思い出ささないでくれよ"


 "私は曹長との 任務外の出来事は ちゃんと仮想メモリーじゃなく本体メモリーに保存してますよ"


 "やめろ!そんな勿体無い事しなくていいからっ!恥ずかしい!"




 「できた!!!トレノ!!ユウコ様!!終わりましたよ!!!」


 そこには今まで見た事ない程の艶、光沢、見る角度によって色が変わるカリホルニウムに変わっていた。

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