精霊の誓い
"ユウコ?辺りに人が居ないかビーコンの反射で分からないか?"
"目視できる範囲には居ません"
"了解。ありがとう。拠点まで転送頼めるか?"
"了解です ドローンステルスモード解除します"
「ユウコ?転送で帰るからドローンに触っててくれるか?」
「はい!これでかまいませんか?」
「それでいい」
「うわっ!!本当だ!本当にあの距離を一瞬で!?凄い凄い!!」
「あのくらいの距離なら中継しなくてもすぐ移動できる。それより先に川で汗を流してきてくれないか?俺はたこ焼きの準備をする」
「分かりました!楽しみにしておきます!買った調味料は台の上に置いておきますね!」
「ああ。助かる!念のためドローンを見えないように護衛で就かせておくから安心してくれ」
「え!?そんなユウコ様に悪いですよ!!それに私は大丈…」
「俺はこれからユウコを守ると約束しただろ?だからそんな事言わないでくれ」
「・・・・ありがとう・・ございます」
あれ!?ユウコが自らドローン操作してるのか!?まだ命令してないぞ!?
「ユウコ様すいません!ありがとうございます!よろしくお願いします!もし何かあっても私もそこそこは戦えますよ!」
"曹長 対象 エルフ ユウコ様の護衛に着きます"
"あぁ・・。すまんよろしく頼む"
どんどん最近ユウコが変わってきている。こんな事今までエクセルシオでなかったことだ。どうなっていくんだ?でもどうなっても悪いようにはならないだろう。
それよりたこ焼きって言ったが、地球産のタコなんかここにはないし何か代用できる物はあるのか!?チーズがあるぞ!よしチーズと・・・これは何かの腸詰めか!?
よしこの二つでしよう!早くしないと戻ってきたらだめだからな。
〜ユウコ視点〜
「あっ!着替えの服忘れた!ユウコ様、着替えを忘れてしまいました。取りに戻っても….あれ!?ユウコ様が私の服を!?すいません、ありがとうございます!さすがユウコ様ですね!」
「・・・・・・・・・・・・・・」
「では汗を流してきますね!ユウコ様も少し休憩してください!いつもトレノを護衛したりしてるんですよね?休む暇もなく私なんか護衛してくれてありがとうございます!」
「・・・・・・・・・・・・・・」
「ユウコ様も話す事ができたら良いのになって思うんです!トレノやユウコ様の故郷でも、そりゃもちろん私達の星より発展してるかもですがユウコ様が喋る事はできないんですね・・・」
「・・・・・・・・・・・・・」
「私はお二人にお世話になってばかりで何もお礼なんかできていませんし、それにもっともっと借りを作ってしまって、それにユウコ様にお礼の言葉を言ってるだけでユウコ様と喋れないのが寂しいです」
「・・・・・・・・・・・・・」
「本当はユウコ様とトレノに会わなかったら私はもう死んでいたと思います。これから先どれだけお二人に恩を返せるか分かりませんし、カリホルニウムでしたよね?せめてカリホルニウムだけは命に変えても見つけてみせますので安心してください!あっ、精霊に誓いましょうか!その方がお二人も安心できるでしょう!?」
「・・・・・・・・・・・・・・」
「実はこの星では精霊に誓うと言う事は必ず誓った事を守らないといけないのです。もし守らなかったり反故したりすれば魔力欠乏症になり死んでしまうのですが私は二人に出会わなかったら既に死んでますので大丈夫です!」
「!?!?!?!?!?!?!?」
「アシュタルト様の眷族全ての精霊に誓う 我 アシュタルト様が作りしエルフ族ユウコはトレノ ユウコ様が必要とする物を全力で探すと誓う」
「!!!!!!!???」
「ユウコ様は確か精霊を感じる事ができるのですよね!?これで精霊契約をしましたので約束を反故したりはできません!これからもよろしくお願い致します!もしトレノやユウコ様が危ない状況とかになれば私は迷わず盾になりますので安心してください!」
「・・・・・・・・・・・・・・」
「本当にユウコ様とおしゃべりできてお友達になれたらなって思います!もしトレノやユウコ様が自分の生まれた星に帰れるなら帰りますか?」
「・・・・・・・・・・・・・」
「やっぱりそりゃ帰りますよね・・・本当はこんな所に居るはずないですもんね・・・。もし・・・もし!良いなら私もユウコ様やトレノの星に連れて行って欲しいです!下働きでもなんでもします!!今までお父さんお母さんが死んで独りだったけど・・・今・・・私凄く幸せです!もう独りになりたくないです・・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
「いつかユウコ様が喋れる事ができたら今の返事お願いしますね!無理にとは言いませんが・・・。さて洗えましたので戻りましょう!ユウコ様護衛ありがとうございます!あっ、ユウコ様の使徒様が汚れております!拭きますので少し待って下さい・・・・・はい!これで綺麗になりました!戻りましょう!」
「!!!!!!!!!!!!!!」
AIである私は主であるトレノ曹長以外と意思疎通できないしエルフ ユウコ様を思うと不思議なCPUの暴走などあったがこの日を境にその兆候がなくなった。そして私の任務にトレノ曹長だけじゃなく エルフ ユウコ様も絶対に守るとプログラムに自ら書き込んだ




