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俺達の生い立ち

 「トレノ!早くシルビアにも飲ませてやれ!」


 「おやおや?まさか二人が知り合いだったなんてね?」


 「うん?ルインか。ルインもトレノと知り合いなのか?」


 「うん?まあね?これから仕事を一緒にする仲になるかもしれないのだよ」


 「何をさせるのだ?内容によってはーー」


 「え!?ちょっと待って!?その瓶に入ってるのって・・・」


 「うん?これか?これはエリク……………うんッ!?な、何をする!?」


 「トレノ?分かってるわね?とりあえず部屋に行きましょう!」


 「分かった」


 あぁ〜・・・後で俺が中将にどやされるのだろうな。


 俺の部屋に来たみんな。二人はまだ気を失ってはいるがこんな人数が来れば狭い。そして俺の大切な公休日が終わった・・・。


 「さて・・・何故エリクサーをこんなに持っているのかな?」


 「うん?お前もエリクサーが欲しいのか?」


 「いやそんな事はないが余ってるなら欲しいな?もちろん持ってるお金は全部払うよ?俺の主も凄く喜ぶと思う」


 カオス神が戻ってくるまでになんとかしておかないといけないからな。もうこいつらは恐らく国の中枢を担う奴等になると思うし俺達の事を言うか?ミシェル中将の事も隠せると思えないし。


 「中将?この者は俺達の事知りません」


 「そうか。そもそもーー」


 「ちょっと待った!君の探し人はトレノだったのかい?」


 「うん?そうだが?トレノ?お前が何をしようとしてるかは分からない。だが同じ国の者として、宙域艦隊士として、上官としてお前を補佐してやる」


 「すいません。御指導御鞭撻の程をよろしくお願い致します」


 「ははは。二人は面白いね?凄い上下関係だよ」


 「そうだな。まずは私達の事を言おう。そしてお前達がしようとしてる事を教えろ。場合によっては手伝ってやろう。むしろ安心してほしい。私のミッション達成率は90%を超えている」


 「な、何を言っているんだい!?」


 それから暫くはルインが好きだろう言葉遊びが始まったがそれはすぐに驚愕に変わった。ミシェル中将は、回りくどい事、核心に入らない事が嫌いな人だ。いつも単純明快に話してくれる人だ。


 それに驚くは暁のパーティーの人達だ。


 「え!?じゃあ他の国と言うのは世界すら違うところから来たって言うの!?」


 「あぁ。私達はエクセルシオという国の軍人だ。私が上官でトレノは部下。トレノを救出するために私はこの星に来た。失礼・・・この惑星に来た」


 そこからは質問の嵐だ。それはどこにあるのか。言葉が同じなのか。どんな魔法があるかとかだ。


 「とまあ、私達軍人にはartificial intelligence。略してAIが頭の中に居る。このAIを作ったのはドクターであり博士でもあるクライアンス氏という人が作ったのだ」


 「そのAIという名前の意味はあるのかい?」


 「アーティフィシャル インテリジェンス。先に言ったクライアンス博士は変わり者だったらしく遠い世界を見るのが趣味だったらしい。そしてとある世界は宇宙には行けるが航行技術が発展途上にあり、まだ私達を観測する事ができなかったんだ」


 「何か関係があるのかしら?」


 「あぁ。ある日クライアンス博士がその惑星を観察していた日に、その世界のとある国の言葉でのAIがアーティフィシャル インテリジェンスという略語と分かり博士の一存で決まったらしい」


 「へぇ〜。そんな大事な物の名前がそんな簡単な事でつけられるのだね?」


 「なんでも博士は食べる事も好きだったようでよく、その世界の料理を色々な人に振る舞っていたらしいぞ?そして名前の由来となった国のはんばーがーと呼ばれる飯が好物だったらしい。それでその国の言葉が名前になったらしい」


 「はんばーがー・・・初めて聞いたわ」


 「その昔から似た料理は私達の国にもあったのだが博士はその国のはんばーがーが好きだったらしい。肉をパンで挟む料理らしい」


 「詳しいのだな?」


 「まあな。国では学舎があるのだがそこで必ず論文を書かなくてはならないから私はこの博士の事を調べたのだ。そしてこのトレノも博士と同じ趣味を持っている」


 「ちゅ、中将!?何故それを!?」


 「知らぬと思うてか!?貴様が自作で観測機を使い遊んでいる事くらい知っている!人の趣味はそれぞれだ!私はとやかく言うつもりはない!」


 恥ずかしい・・・しかもあのエクセルシオの軍人ならば知らない人は居ない博士が好きな世界が地球とは初めて知ったぞ・・・確かあめりかと呼ばれる自治体だったよな・・・


 ミシェル中将は卒業論文にクライアンス博士の論文を書いたのか。これも初耳だ。


 「その話は俺達は分からないけどとにかく進んだ世界からやってきたのだね?それで目的はあるの?」


 「あぁ。実はアシュタルトとノルンに会った」


 「はい!?いやいやさすがの俺でもそれはーー」


 「本当だ。オリビア?アシュタルトを呼べ!」


 はぁ〜・・・ミシェル中将・・・神を呼べとはどれだけ恐れ知らずなのですか!?







 「フーバー!フーバーはどこだ!?」


 「た、大将!!ビクトリア大将!」


 「チッ。呼べば5秒以内に現れろ!それでビーコンや連絡はどうなっている!?」


 「それが・・・ビーコン喪失・・・連絡もありません。ですが先日一度だけ、極超超長波での連絡がありました。古い規格のものです」


 「意味はッ!?なんて言っていた!?」


 「それが・・・『モンダイナイ カエリオソクナル ソンブレロチカシ ビーコンキル』でした。恐らく中将のAIが操作して発信したものと推定しております!」


 「馬鹿か!何故その発信の元を辿らないのだ!ソンブレロが近いだと!?私の部隊の者ならば即座に意味を理解し逆探知をする!どけッ!!!」


 「ビクトリア大将ッ!!!」


 「ミシェルを探しに行く!元帥に直談判だ!」


 「それは国の損失になります!俺に行かせてください!仮に俺がソンブレロに見つかり宇宙ゴミにされても誰も文句は言えません!」


 バチンッ!!!!


 「例え違う部隊の者だとしても将来のある部下を行かせるわけないだろうが!それにこれは軍として動くわけではない!一個人、家族として探しに行く!」


 「ならば俺もお供します!肉盾にでもお使いください!」


 「ならん!私だけで行く!」


 「ビクトリア大将!」「大将!」「大将ッ!!」


 「な、なんだお前達は!?」


 「元第8艦隊所属 アレス艦長の部隊に居ました ライアン・ブルーノです!俺達も行きます!」


 「なに?アレスのふねに居たのか!?なら尚更だめだ!このままお前達を未知の宙域に連れて行けば私がアレスに怒られる!」


 「ですが・・・」


 「だめだ!私はロズベルグ元帥に話を付けてくる!」


 バタン


 「フーバー曹長!?どうされますか!?」


 「ビクトリア大将は間違いなく行くだろう。だが元帥がなんと言うかだな。暫し待機。俺は家族に別れを告げてくる。どんな所だろうと俺は大将に着いて行く」


 「分かった。俺もだ」 「俺も」


 「ミハエル!?ニカ!?お前達もか!?」


 「当たり前よ!中将を一人にしない!生きてるのは確実なんでしょ!?ソンブレロが近くに居るなら助けるの!」


 「すまん・・・元は俺のせいだ・・・俺が怪我をしなければ良かったのに・・・」




 コンコン


 「入りたまえ。ビクトリアか?珍しいな?なんかあったのか?」


 「はっ。除隊願いを申し上げに参りました」


 「ふん。却下だ。妹ミシェルの事だろう?」


 「な、何故それを!?」


 「お前と対照的な妹を野放しにするわけないだろう?監視とまではいかないがな。お前が随分手を焼いているのを知っている。だがその分功績も申し分ないがなんせあの自由奔放な性格だ。本来なら姉妹で大将になれるだろうがな?まあ座れ」


 「なら私の事を分かっていただけるかと」


 「長年の誼もある。お前も随分と私を助けてくれたな?内勤になってからの雑仕事もしてくれている。通信はあったのか?」


 「はっ。古い規格の極超超長波にて」


 「うむ。そういうところだ。未知の宙域にて気取られにくい古い極超超長波で連絡するとは分かっている」


 「はい?」


 「まあ良い。ロアーク家はエクセルシオに多大なる貢献をしている。それに有給がかれこれ残っているだろう?直ちに大規模な作戦はない。200日の暇を与えよう。私ができる範囲はこれまでだ。国防府がなんて言うかは分からないが200日は私が面倒事を引き受けてやる」


 「ロズベルグ元帥・・・あなたは・・・」


 「私も弟を亡くしている。兄弟の絆とはどんなものか知っている。必ず連れ戻せ!それと手掛かりがあったかは分からないがトレノ・リアクも居れば連れ戻せ。ソンブレロを見てもすぐに逃げろ!戦闘はするな!以上」


 「あ、ありがとうございます!帰れば一杯奢ります」


 「ふん。一杯じゃ足りないぞ?」


 高速艇をレンタルして片道20日、回収に3日、帰り20日。よし!なんとかなるぞ!


 "ビクトリア大将 作戦工程は決定でかまいませんか"


 "あぁ。ガーネットには造作をかける。個人的な作戦だがよろしく頼む"


 "お任せ下さい 久しぶりの外勤ですね"


 


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