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近付く同じ世界の二人

 「まさか・・・ここがオギゴと言う街か・・・」


 「そうだよ!迷いの森にあるオアシスみたいなものよ!ここは昔、森の大精霊ドライアド様が住んでいたと言われる場所なの。そこに太古の人が街を作ったって言われているよ!」


 これは今度アシュタルト神に聞いてみよう。魔力を込めて入り口が出現するとはさすがにこれならいくら探しても分からないはずだ。それにしても凄い人だな。


 「うん?お前等は確か5級冒険者じゃなかったのか?魔物狩りはどうした?」


 「いえ、この冒険者が・・・その・・・」


 「私が言おう。この街の警備の者か?」


 「うむ。俺はオギゴ見回り隊及び警備隊長のスミスだ」


 そこは警備隊っていう一括りではないのだな。まあ別に関係ないが。


 「ならスミス氏?この紅蓮とかいうパーティーを裁いてくれ。女は食うやらヨハン達男は魔物は襲われたように見せて金を奪うと言い襲ってきた」


 「あんたらは・・・ブラン侯爵の・・・」


 「お!?有名なのか?確か特級パーティーとか言ってたと思うが本当に有名だったんだな?」


 「ちょ、ちょっと待ってくれ!あまりに事態が飲み込めん!むしろ俺には荷が重い」


 「は?警備隊長だろう?どういう事だ?」


 「おやおや?こんな所で紅蓮の?何をしているのかな?」


 「チッ。暁の・・・・」


 「ふん。ブラン侯爵のコネで罪を消したがまた罪を犯したか?それでまた侯爵に罪を消してもらうつもりか?」


 「か、関係ないだろう!」


 「あまりとやかく言うつもりはないが・・・稀代の魔術師と呼ばれるハンナ氏から尿の臭いがする!くっさ〜!!」


 「まあ?本当ね?余程怖い思いしたのかしら!?ふふふふ」


 「み、見るな!!!」


 「あんた等は?」


 「おや?初めて見る顔だね?この街に来て全ての冒険者は把握したつもりだったのだけどね?俺達は冒険者で暁というパーティーさ。俺はルイン。こっちはナタリーさ」


 「ルインにナタリーか。こいつ等となにかいざこざが?」


 「まあ少し前にちょっとね?今はもう終わったけど。よければ侯爵に届けて来ようか?明日まで暇でね?腕が鈍らない程度に魔物を狩ろうとしてたのだよ?」


 「ほう?コネがあるようだな?私は何もこの街の事知らないから頼む。私は3等級冒険者ミシェルだ。こっちは長年のツレ、オリビアだ」


 「2人とも綺麗な女性だね?冒険者なんかやらなくとも生活できそうなのにね?じゃあこいつ等は預かるよ?どこに泊まる予定かな?多分侯爵からお金が出ると思うよ?まあ口止め料かな?不条理に思うかもしれないが堪えなさい」


 エクセルシオならば許さないがこの星は貴族階級だから不正は当たり前だろう。こんなつまらない事で話を大きくするのは不毛だ。小遣いも貰えるみたいだし手打ちにするか。


 「リリー?どこか宿を知ってるか?」


 「多分今は空いてないと思うのだけど・・・」


 「本当か・・・ならば野宿だな。ルインと言ったな?私に宿はないからそこらへんに居る。適当に手数料を取って渡してくれるか?」


 「なんだ?泊まるところないんだ!?私達明日には発つから私達の宿に泊まる?女同士だから大丈夫でしょう?」


 「私はありがたいが逆にいいのか?」


 「いいよ!私は色々な友達が作りたいの!それにあなたは少し前に出会った知り合いに雰囲気が似てるの」


 「ふ〜ん。そうか。私も実は探し人をしていてな?この町に居る事は分かってるんだ」


 「そうなんだ?ルイン?私の部屋に泊めるからいいでしょう?」


 「ふん。好きにしていい。仲良くしてあげな?」


 この星の人間は優しい奴が多いな。確かにこの紅蓮とか言う奴等も居るだろうがリリー達にしても優しすぎるな。


 「リリー?ヨハン?ここまでの案内すまない。助かった。道中狩った魔物と魔石だったか?は貰っておいてくれ。駄賃にしては少ないかもしれないがもしまた会う事あればその時に埋め合わせをしよう」


 「うん。寂しくなるね・・・」


 「はは。次は道間違えるなよ?俺達もオギゴで飯でも食って帰る。何か俺達にできる事があればギルドの依頼にでも出してくれよ?」


 「うむ。気をつけろよ?」


 それから暁?と言われるパーティーの好意に甘える事にし、木漏れ日亭と呼ばれる場所に来た。部屋を紹介され、ルインとナタリーは紅蓮のなんとかを連れて行くと行って居なくなった。


 「オリビア?さっきから凄い静かだが何かあったのか?」


 「ミシェル中将は気付きませんか?」


 「うん?何がだ?」


 「3つ隣の部屋に人間とは違うマナを感じます。なんなら私と同じ精霊が使うマナのように思います」


 「すまん。正直分からん。だが確かエルフとか変装して人間の町で生活してる奴も居ると言ってなかったか?そりゃ奴隷として捕まえられるのも多いかもだが」


 「少し気になります」


 「まあ今は良くないか?そんな事より昨日はあまり寝れてないからあの2人が帰るまで寝させてくれないか?」


 「了解致しました。2人が帰る少し前に起こすようにします」


 「うん。悪い。頼む」


 私は眠気に抗う事ができず眠る事にした。そしてこの日の夜にやっと探し人・・・トレノを見つける事に成功する。





 「昨日の酒は美味かったな!ミラは飲めないから分からないだろうが・・・」


 「いえ!ジュースは美味しかったですよ!」


 「そうか。シルビアはどうだった?」


 「にほんしゅと言われるお酒でしたよね!?」


 「うん。そうだ。本物は飲んだ事ないから分からないが例の名前の由来となった惑星の日本と呼ばれる地方の酒だ!俺はたまに飲みたくなり本国エクセルシオでも飲んでいたのだ」


 「ふふふ。喜んでもらい嬉しいですよ!」


 「ルクス?泊まるのは今日が最後だろう?酒は5樽くらいあるのだろう?」


 「はい。昨日1樽消費しましたので残りは5樽になります」


 「2樽この木漏れ日亭に寄付しよう。世話をかけたし今後もここに泊まりたい。この酒なら飲みたい人は多いはずだ。トンゴ氏を紹介して今後どうするかは2人に任したらよくないか?」


 「分かりました。本人達に提案しておきます」


 俺は久々の何もない休日を過ごしていた。昨日深酒を久しぶりにして昼まで寝てゴロゴロしている。しばらくはあの暁の奴らと行軍だからな。美味い飯と酒は暫く口にできないからな。


 「シルビア?今日はここで飯を食べよう。昨日よりは飲まないが少しだけ付き合ってくれないか?」


 「いいよ!トレノってお酒本当に好きなのね?」


 「あぁ。こんな休日は久しぶりだからな?ははは」


 この時はまだ知らない。ミシェル中将が3つ隣の部屋に居るなんて。

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