ミシェル中将 初めての複合魔法 超電磁砲
「オリビア・・・だよな!?」
「はい!ミシェル中将のAIオリビアです!」
「いや随分とまあ・・・なんというかな・・・」
「知識の泉のアップデート、身体を貰いリフレッシュ致しました!話したい事が山程あります!」
それからオリビアから色々聞きた。魔法の事はもちろん、精霊とは何か。何故このような身体を貰えたのかだ。
「そもそもその身体がなくなっても私の頭の中に本体があるという事なのか?」
「はい!なので言葉の通り身体を張ってミシェル中将をお守り致します!それに私は感動しております!トレノ曹長AI ルクスのアップデートにより私は感情を覚えました!」
「なに?それはどの感情だ!?こんなのエクセルシオに帰れば私の7代先まで遊んで暮らせるようになるぞ!?AIは擬似感情を持てても本物にはならないとーー」
「なら私の感情は偽物ですか!?」
いや確かにちょっとした表情、言葉使いは10年来の友人と話しているようだ。これは信じざるえないな。
「いやそうとは思わない。ならばこれからは人間と思って話しをする」
「ありがとうございます!それと・・・魔法とはこれ程面白いものなのかと感心しております!リリー達が来るまでまだ少し時間があります!少しお付き合いください!」
「お、おい!?」
バシューーーーーーン
強引に転送を使うとは・・・うん?ここはどこなのだ!?
「はい!着きました!見ての通り絶界の孤島です!私は運命神 ノルン様から身体をいただきました!だからこんな事ができるのです!」
「!?!?!?」
ピシュン ピシュン
オリビアは物理では言い表せない瞬間的なスピードで私の周りを浮遊しながら移動している。
「これは私の周りにマナを放出し、それを目標に飛んでいるだけです!」
「いや待て!待て!そもそもマナを私は持っていないぞ!?」
それからオリビアはカリホルニウムを使った臓器を作った事をサラリと言った。正直聞いた瞬間私とした事がビビってしまった。
「ならこの惑星の現住民達はみんなそのマナの発生機関的な臓器があるのか!?」
「はい。その通りになります。これは大発見ですよ!エクセルシオに帰れば連日取材の内閣府やら外務省、衛生省から引っ張りだこですよ!」
いやそれはごめんだ。私は一軍人に過ぎない。そんなの私が凄いわけではなくこの世界の当たり前なのだからこの惑星と友好関係を築けば良いだけだ。
いやそもそもこの惑星は宇宙を把握していないし飛び出す方法すらないはずだ。
「とにかく・・・私に魔法を教えてくれ」
「はい!ただ・・・知識の泉によると、トレノ曹長はこの惑星では既に大賢者と呼ばれるくらいの魔法を放てるみたいです」
「は!?なんだと!?トレノがか!?そもそも大賢者とは何か分からないがトレノが大賢者と呼ばれるのはだめだ!何故か分からないがだめだ!私が負けを認めたのと同じだ!オリビア!1時間で魔法を覚える!効率の良いプランを2分で考え、私に転送しろ!」
「はい!お付き合い致します!」
私は海に向かい魔法を放っていた。オリビアから聞いた事はとにかく発声が大事なのだと。難しいマナを構築し詠唱をしないと本来は放てないのだがそのプロセスはオリビアが引き受けてくれると。
「仮に私が居ない時でも本体である私が居る限り大丈夫です!というかむしろそうしないとミシェル中将は魔法を放てません。引いてはエクセルシオの人間は魔法が放てません」
「う〜ん。何が何やら分からないがお願いする」
そしてマナを感じるとの事だったがこれに関してはすぐに分かった。身体の中から気を出すようなイメージだ。まぁこれもオリビアが難しい事をしてくれているからそう思うだけなのだが。
「これが精霊魔法という部類に入ります。私は精霊と呼ばれる種族になりますので、この惑星の人間達は中々精霊魔法を放てないそうです」
「分かった」
「ミシェル中将が気になっているエルフ族と呼ばれる種族は精霊魔法を使えるそうです。なんでも、産まれた時から潜在的マナが高く精霊を認識できるようです。私は大精霊ですがこの人間界には上級精霊、中級精霊、初級精霊が居ます」
「まさにファンタジーとジャンルされるような世界なのだな。とにかくさっきまではマナを放つ衝撃波だけだったが今度はエクセルシオでは初期の大砲のような魔法を放とうと思う」
「いつでもどうぞ!ちゃんと魔法に名前を決め発声してください!」
「うむ。キャノン砲!」
ドォォォォーーーーンッ!!!
「さすが!ミシェル中将!!お見事です!」
「これはいいな!でも確かマナは魔法を放てば放つ程枯渇していくのだろう?大丈夫なのか?」
「それはまだ大丈夫です。例えるならば先程のキャノン砲と呼ばれる炎属性魔法ならば後、5000発は放てます」
「そうか。だがこれも徐々に私のマナも増えていくのだろう?」
「ミシェル中将の場合は私が作った仮臓器なため成長はしませんがこの現地住民達よりはマナの回復が早くなります。ちなみにこの現地住民の間ではマナの事を魔力と呼んだりもします」
「そうか。とにかく時間が惜しい。できるだけ想像できる魔法を放つ!トレノ如きに遅れを取るものか!!」
ドォォォォーーーーンッ! シュゥゥゥゥーーーーー!
パンッパンッパンッパンッパンッ
ドォォォォーーーー
「どうしても風属性になりそうな魔法の想像ができない。ハリケーンのような物しか想像できないのだが・・・」
「わざわざ苦手な魔法は覚えなくても大丈夫ですよ!ミシェル中将が思う魔法を放てば良いのです!」
「そうか。ならばエクセルシオが誇る最新鋭宙域艦に搭載されている次世代の超電磁砲を放とうか。雷を風で回転させ、その周りを炎で熱し、どんどん膨張させたところで発射のイメージだな」
「はい!ですが3属性複合魔法になるとマナの消費が激しく1発しか放てません!」
「複合魔法になると燃費が悪いのか。だがトレノの度肝抜くにはこれくらいしないとな。オリビア!行くぞ!」
「いつでもどうぞ!」
私は頭の中でイメージし、もう発射できる想像ができた時に少しだけ後悔した。マナの枯渇・・・この世界では魔力枯渇とも言うみたいだがその前兆が現れたのだ。
「クッ・・・超電磁砲ッッ!!!!!!」
私は自分で放った魔法を見た瞬間に気を失った。