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ミシェル中将の高揚感

 プシューーーーーーーーーーーーン


 "無事着陸致しました"


 "うん。オリビア?すまない。で、このまま外に出ても大丈夫なのか?"


 "問題ありません。ここから近くのところに4人組の男女が居ます。ドローンからの映像を映します''



 『ったく俺もドラゴン見たかったぜ』


 『本当それよね?あぁ〜あどこかに弱りかけのドラゴンなんて居ないかしら?私もドラゴンスレイヤーになりたかったなぁ〜』



 "オリビア!?ドラゴンってあのドラゴンの事か!?"


 "話しの流れではそのように思います"


 "この者達にコンタクトできるか?"


 "はい 向かわれますか"


 私はトレノ救出にこの星に来たが別の意味で高揚感がある。ドラゴンとは架空の伝説上の生き物と思っていたがどうやら間違いみたいだ。


 トレノを回収すれば記念に1匹サンプルが欲しいところ。オリビアをなんとか説得しないといけないな。


 久しぶりに反射スーツを着てのダッシュだ。まだまだ若い艦隊士にも負けないと自負している。


 "目標に接近致します そろそろ向こうも気づく頃だと"


 "了解。友好的に聞く。念の為ドローンは近くで射撃モードにて待機"


 "了解致しました"



 "おいオリビア?一応隠密を心掛けて近付いてはいるが、目と鼻の先まで近付いているのに気付いてないのか?それにこの星の・・・いや訂正する。この星の住人達は何の仕事をしてるのだ?見るからに盗賊のように思うが?"


 "エクセルシオの歴史に当てはめるとおよそ800年〜1000年程前くらいの文化具合でしょうか"


 "前も聞いたが科学は?"


 "痕跡が窺えません"


 おいおい。エクセルシオで1000年も前ならまだ原始的な狩猟を行ったりした生活か?ならこの若い男女は狩りをしてるのか?その割に良さそうな装備をしてるように思うが・・・。それにこんなに接近しても私に気付いてない・・・。声を掛けるか。


 「すまない。聞きたい事があるのだが・・・」


 「「「「!?!?!?!?!?!?」」」」


 "おいオリビア!翻訳した言語は間違いなくアップデートしてるよな!?"


 "間違いありません"


 「すまない。言葉分かるか?」


 「お、お、女だ!!」


 バチンッ!


 「ちょっと失礼でしょ!?こんな綺麗な人が森に一人なわけないでしょ!きっとどこかの貴族の女の人よ!」


 "この星には貴族が居るのだな。どうやら勘違いされているみたいだ"


 "面白い冗談ですね まさか中将を貴族なんて 今のは録画保存しメモリーに保護をかけておきましょう"


 "はぁ!?オリビア!削除しておけ!"


 「構わないか?」


 「え!?あっ、すいません!どうされましたか?」


 「少しこの辺の事を聞きたいのだが・・・」


 「はい!何でも聞いてくださって結構ですよ!」


 案外人懐っこい女だな。嫌味もなさそうな子だ。


 「まずこの辺に街はないのか?見たところ軽装備だが私の観測では付近の街まで徒歩で5日程かかりそうなのだが・・・」


 ドローンによる調査で近い町までそれくらいは掛かるのは調査済みだがこの人間達はどうやって寝泊まりしてるのだ?純粋に興味がある。まさか10日間狩りをしながらって事はないだろう。野営道具すら見当たらないしな。


 「え?お姉さんはどこから来たの?・・ですか?」


 「喋りやすい言葉で構わない。少し遠い場所から来たから土地勘がないのだ」


 「土地勘がないって・・・お姉さんの方こそ武器も何もなくこの森に入ってるの!?そりゃ私達冒険者がある程度は魔物を間引きはしてるけど危険よ!?私達が守ってあげるわ」


 "中将を守るとはこの小娘は中々面白い冗談を言いますね"


 "黙れ!今は集中している!"


 「助かるわ。それでどうやって寝泊まりしてるのかしら?」


 「おいおい!サーシャ勝手に決めるな!パーティーリーダーは俺だぞ?」


 「じゃあパーティーリーダーのヨハン?あなたはこの綺麗な女性を放っておくのかしら?たまたま運良く魔物に襲われなかっただけでもう少しすればボアにだって襲われるかもしれないのよ?」


 「クッ・・・放っておくわけないじゃないか!ただ決定するのは俺の仕事だろ!」


 「ヨハンは小さい男ね?誰が決めようと同じ事よ?遅れてごめんね?私はリリーよ?そして、サーシャとヨハン、こっちがジョンよ」


 「あぁ。私はミシェルだ」


 「ミシェルさんね?喋り方的に貴族の息女さんって感じかしら?」


 「いや貴族ではない。喋り方に関しては癖だから気にしないでほしい。それであなた達は何をしていたのだ?」


 「そりゃ冒険者だからな?ゆくゆくはドラゴンスレイヤーになる冒険者パーティー、ライズだ!」


 "冒険者・・・オリビア?覚えておけ"


 "了解致しました"


 「冒険者とは何をするのだ?魔物というのを狩る仕事なのか?」


 「まあ!?あなたミシェルさんは知らないの!?本当にどこから来たの?サクソン?なわけないよね。ならオギゴを知らないはずないし。ユーダ帝国?そこそこ距離はあるけど・・・」


 「もっと遠い所だ。またそれは追々教える。それで1番近い町はーー」


 ギュゥォォォォォーーーーー


 「今の鳴き声って・・・」


 「おい!下がれ!コカトリスだ!珍しい魔物が現れたもんだ!」


 「ヨハン!何カッコつけてんのよ!まだ私達じゃ無理よ!一旦やり過ごしましょう!」


 「いやコカトリスくらい倒せないとドラゴンスレイヤーになんか永遠になれない!危なければすぐに引く!爪と嘴に気を付ければ大丈夫なはずだ!ジョン!注意を引きつけてくれ!リリー!詠唱に入ってくれ!サーシャはミシェルを守れ!」


 "詠唱ってなんだ?"


 "分かりません ただ 観測不能の何かがリリーって人間の女に引き寄せられています"


 "観測不能だと!?"


 「ミシェルさん?私が必ず守るから安心してね?ヨハンはああ見えて頼りになる男だから!」


 ギュゥォォォォォーーーーー!!


 「青いコカトリス!?!?」


 「チッ!変異種だ!ブルーコカトリスだ!奴は氷塊を撃ってくる!放たれる前に首を切断する!リリー!頼んだぞ!」


 "なんだあの鳥は!?でかいぞ!?それにさっきからブルーとか氷塊とか言ってるけどなんなのだ!?"


 "分かりません これより解析に入りますのでリソースに余裕がなくなります"


 "はいよ"


 「来たぞ!リリー!今だ!!」


 「私はアシュタルト様が作りし世界の理 魔法の理 マナの理を通じて雷の力を使う事の許可を願う 出でよ サンダー!」


 「きゃは!リリーカッコイイよ!ミシェルも見た!?リリーは珍しく雷属性が使える魔法師なのよ!!」


 "おい!!今、リリーって女の手から雷が出てたぞ!?どういうことだ!?しかも魔法と言っているぞ!?"


 "私も驚いています 言葉を言ってから先程引き寄せられていた何かが一気に放出されてました 早急に解析いたします"


 クッ・・・リソースを使うって言ってたのに私とした事が興奮してオリビアに話しかけてしまった・・・少し頭が痛いな・・・。


 「はぁ〜はぁ〜」


 「リリー!後は大丈夫だ!気絶してる間にーー」


 ギュゥォォォォォーーーーー!!!!!!!


 ヒューーーーーン ガンッ!!!


 「え!?嘘!?サンダーが当たって無傷なの!?」


 「チッ。これはダメだ!手に負えん!やり過ごす!物陰に隠れろ!」


 "オリビア!解析中止!今から私があの鳥を片付ける!口上は省略する!あからさまに言葉を発する生物ではないし敵意を向けられている!"


 "了解致しました エクセルシオ軍 ミシェル・ロアーク中将は脳に異常がない事を確認 ミシェル・ロアーク中将AI オリビアは迎撃を許可する"


 「え!?ちょっとミシェルさん!?何してるの!?逃げるよ!?」


 「そこで大人しくしてなさい」


 「え!?だめよ!早く逃げるの!」


 "オリビア?この者達をドローンで護衛してあげろ。絶対に死なすなよ?私があの鳥を破壊する"


 "了解致しました"


 「さぁ来い!鳥!私が相手だ!」


 この星での初の武器使用だ。不足があるといけないがディスラプター銃を使うと対象が炭屑になってしまうからな。

サンプルも必要だ。チャージライフルにしよう。


 ギュゥォォォォォーーーーー!!


 チュドォーーーーーーン!!!


 「な、何だ今のは!?」


 「え!?ミシェルさん!?」


 "目標に命中 対象の生命反応を確認 生命反応喪失を確認 ミシェル中将お疲れ様でした"


 "何回も言ってるだろう?任務中でも呼び捨てで良い"


 「な、何が起こっているの!?コカトリスの変異種は・・・」


 「ば、バカな!?今のは何の魔法だ!?」


 さて・・・なんて誤魔化そうか。

 

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