ユウコの同胞
「やぁ!やっと会えたね。トレノだったかな?それにシルビアさんとミラさんだったかな?もう一人少ないように思うが?」
一回しか会ってないのによくもまあ、名前を覚えておけるな。俺には無理だ。
「あの時はどうも。ルインさんとアセスさんでしたっけ?」
「覚えててくれたんだ。嬉しいよ」
「なんだいあんた達は知り合いってかい?シルビア?久しぶりね!?トレノもね!」
「宿のお母さんお久しぶりです。シルビア?先に部屋だけ確保しておこう」
「君達もここに泊まるのかい?」
「一応そのつもりです」
「ふ〜ん。なら俺達と一緒だな。この前の紅蓮の事は聞かないのかい?」
何か中々核心に入ってこない話し方だな。こっちから攻めるか?
「別に興味ないですよ。それでこの前俺達と一緒に飯でもとか聞いていましたが?」
「ははは。その事も含めて今日の夜ご飯なんかどうかな?シルビアさんは特に気になる事があると思うけどね?」
やはりエルフの事分かって言っているな。
「分かりました。とりあえず俺達は部屋すらまだ確保してないから先に部屋のお金を払い夜はこの宿で食べるって事でいいですか?」
「もちろんそうしよう。じゃあ7時頃に適当にどこか座って待ってるから。あぁ〜!もちろん俺達の奢りだから好きなだけ食べて飲んでもいいよ」
「シルビアさん?ではまた後でね?」
ナタリーって女性がシルビアに一言言い別れた。多分あっちがエルフ・・・なのか?
「何か知り合いって感じじゃなさそうだね?どういった関係だい?」
「それは、話せば長くなります。簡単に言えば先日とある件で知り合い少し仲良くなり今度飯を食べようとなり今日久しぶりに出会ったって感じです。なので夜はここでご飯食べさせてもらっていいですか?」
「うちはかまわないけど、くれぐれも喧嘩はやめておくれよ!?」
「いやそんな事はしませんよ。部屋もいきなり来たのにありがとうございます」
部屋の鍵を貰い、ユウコ、ミラと一緒に入るがなんと一部屋しか空いてなく3人で寝泊まりする事になった。
「いやさすがに女性二人の部屋に俺が入るのはまずいだろ!?」
「トレノは変な事する人じゃないし、さっきミラとも話したから大丈夫だよ!ね?ミラ?」
「はい!ミラは大丈夫です!」
今日の夜は地獄か!?性欲がないわけではないがそれに乱暴とかする気もないが寝る時のイビキやなんかも気をつけないといけないな。
そんな事を考えながら部屋で雑談しながら夜まで待ち、時間になり下の食堂に降りるとルイン達は先に待っていた。
「やぁ。やっと来たね。とりあえずエールでいいかい?シルビアさんもいいね?それにミラ嬢は果物のジュースでいいかな?」
「はっ、はい!ありがとうございます!」
ミラはあのルインって男に目がハートになってるのか?緊張してるな。
「俺達の出会いに乾杯!」
「「「かんぱい!」」」
最初の方は出された料理・・・この惑星に不時着して誰かが調理した物で中で初めて見た料理だった。肉は肉料理だが葉っぱで包み果物を回りに彩り一見では合いそうにない物だが果物の香り、甘味が肉の油と混ざり非常にこれも美味しかった。
「久しぶりボアの果物焼き食べたけど美味しいな!」
「そうだな。こんな田舎料理かも思ってたけどここのは美味いな」
うん?これは田舎料理なのか?そもそも料理に田舎も都会も関係ないだろ!?しばらくは冒険の事や倒した魔物の事など当たり障りのない事を聞き酒が結構入ってきた所でルインが話してきた。
「ところでそちらのパーティーは秘密があるようだけど?」
「秘密なんかありゃしないけどそれはそちらも同じでは?」
俺も上手く切り返したと思う。シルビアもミラも真剣な目になった。
「はは!面白いね!この言葉遊び嫌いじゃないよ!」
「ちょっと!ルイン!せっかく同胞に会えたんだからそんな事言うの辞めて!私から言うわ」
「シルビアさんあなた仮の姿ね?」
ナタリーって女性が核心を聞いてきた。シルビアは俺を見てきたので軽く頷いた。
「はい。理由あってこんな感じです」
周りに少し他の客が居るのでぼかして話しをする。
「久しぶりに同胞に会えたよ!!私は嬉しいよ!!どこの森で産まれたの!?家族は!?知り合いはまだ居るの!?」
「おい!ナタリー!声が大きい!」
「ごめんごめん!それでどうなの?」
そこからヒソヒソ声になったがナタリーが自分の生い立ちを言いシルビアも自分の事を言った。するともう一人の女性ステラと言う女性が初めて喋る
「試してごめんなさい。ルイン?アセス?このシルビアさんが言った事は本当よ。それと、先に私の事を言うわ。私もエルフなの。ただ普通のエルフ族じゃなくダークエルフだけど」
「えっ!?ダークエルフは滅んだはずじゃ!?」
「まあ数は少ないけど残ってるわよ?現に私がそうだよ。認識阻害の魔法は今は解けないけど後で本当の姿で話しましょう?」
「どういうことだ?」
「いやぁ〜トレノ?ごめんごめん!君達の事信用できなくてね?とあるアーティファクトで調べさせてもらったんだよ?これさ!俺達は真実のペンダントと言ってるんだがとある遺跡で見つけてね?」
ルインは少し前に帝都近くの遺跡を調査してると、奥の間にミノタウロスという魔物だけど本当の意味の魔物じゃないのと出会ったらしい。
そのミノタウロスという魔物は通常普通に魔力溜まりから生まれる魔物じゃなく、魔界に居る魔物らしく誰か召喚士が召喚した魔物らしい。
そしてそのミノタウロスのマナが大きくミノタウロスから新たな魔界の魔物が生まれるのを阻止するためにこの暁のパーティーと他にも数パーティーが遺跡攻略をしたらしい。その戦利品がこの真実のペンダントと言った。
「これを装備してこのボタンを押すとどういうわけか嘘か本当か分かるんだ。このように相手に向けて押し、試しに自分に向けるけど・・・オレはシルビアさんと友達になりたいと思っている!で青色になっただろう?オレはシルビアさんが嫌いだ!で赤色になっただろう?赤色は嘘の事なんだ」
「なんで赤色が嘘と分かる?」
「これをドロップしてから色々試したんだ。嘘の事言ったら赤色に変わるから俺達はそうだと思っている。というか本当にこの使い方で合っているかも分からないんだ。なんせアーティファクトだからな」
シルビアはお酒だけではなく、なんか恥ずかしそうにしてるが以前、俺に嬉しい事言ってくれたはずだが鞍替えか!?恋愛は本人の自由だが少し寂しいな。
「けど、いきなりそんなの使われるのは気分が悪いな」
「トレノさん!ごめんなさい!」
ステラが謝ってきた。
「本当にごめんなさい。久しぶりの同胞で嬉しくて嬉しくて・・・。あなたもシルビアさんが居るなら分かると思うけど私達は酷い扱いで・・・・」
「あぁ。すまん。俺も言いすぎた。だが今後はこんな真似しないでくれ。それでルイン達の目的はなんなんだ?」
「・・・・・・。今の国王は必要と思うか?」