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最初は友達っていう話でした。5

「うーん、どうしてでしょうね」

といたずらっぽく言う。

 それ以上尋ねても答えてくれそうにない感じだったので、俺は次の疑問を口にする。

「何で俺なんですか? 」

内心乗り気ではあるのだがそれを知られるのは恥ずかしいのであえてぶっきらぼうな感じで尋ねる。

「それは、鳥飼さんが花陽さまの幼なじみだからですよ」

「この10年間会っていなくても幼なじみって言うんですか? 」

「もちろんです、後で調べていただいても構いませんよ、とにかく花陽さまの友達作りをサポートできるのは鳥飼さんだけなのです」

 美形にそのようにまっすぐ見つめられると、思わず視線をそらしたくなる。ていうかそらした。

「でも、俺なんかに友達作りをサポートできますかね、だって俺友達いないですよ」

 そう、俺も彼女のことを言える立場ではなく友達がいないのである。だからこそ、こうして平日の放課後に時間が取れるわけではあるのだが。

 だが、綾女さんはそんな俺の言葉を聞いても態度を変えることなく、

「失礼ですが、鳥飼さんに親しくされているご友人がいないというのは大体察しがついておりました」


 ですが、と綾女さんは続けて

「だからこそと言いますか、一緒に花陽さまに寄り添っていただくことができると思うのです。 それに鳥飼さんにとっても親しい友人がいた方がいいと思いますよ。」

「でも上手くサポートできる気が……」

 そう言っているうちに急に不安が増してきた。

 俺の不安が綾女さんに伝わったのか優しい口調で、

「そんなに気負っていただかなくても大丈夫ですよ。サポートと言ってもただ寄り添って一緒に日々を過ごしていただけたらそれでいいのです。 いかがでしょうか? 」

「うーん」

と考えるふりをしながらも俺の心は既に決まっていた。形はどうであれ、あんな美少女に近づけるのである。

それに綾女さんも言っていたようにサポートといってもただ一緒にいればいいというだけならばそんなに真剣に考える必要もないことなのかもしれない。

この時俺は、はっきり言って浮かれていた。だってそうでしょう? なんでもない日々がいきなり色のあるものに変わったんだぜ?


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