女の子との連絡は緊張する
その後もお互いに質問などをしあったりして時間はあっという間に過ぎていった。
「ねえ、央紀」
帰る準備をしていると、縷々が話しかけてくる。
「何? 」
「今回も一緒にSクラスに残ろうね」
「うん、そう言えば、縷々ってずっとSクラスなの? 」
「一応ね、結構ぎりぎりだけど」
「それでも、ずっとってすごいよ」
「そうかな、でも上には上がいるから」
荷物をまとめて二人で歩きながら話し続ける。
「それって花陽たちのこと? 」
「まあ、そうね。あの3人は別格って感じだけど」
そう軽い調子で言う瑠々の言葉に、
「確かに」
と少し笑みを浮かべながら俺も同じように返す。
「実は央紀だけ誘ったのもそれが原因だったりもするんだ」
「どういうこと? 」
「2人で力を合わせてあの3人に少しでも近づこうってことっ」
この時俺は、花陽と同じで縷々もまた、まっすぐな強さを持った女の子だということを感じた。
「そう、それで他の三人はいなかったんだな」
「そういうこと、じゃあ、私こっちだから」
自転車を押しながら歩いていると、いつの間にか別れの場所に来たようだった。
そう言うと縷々は自転車に乗り、離れていく。
その後ろ姿をしばらく見た後俺も帰路へとついた。
家に帰って、しばらくすると縷々からのメッセージが入っていた。
「今日はありがとっ。それでよければなんだけれど、明日も一緒に勉強会しない? 」
「こちらこそありがとう、いいよ」
「じゃあ、明日は朝からいいかな? 場所は今日と同じで」
「了解」
しばらくすると、またスマホが震えた。
見ると、今度は花陽からのメッセージが入っていた。
「央紀君、こんばんは。よろしければ明日うちにテスト勉強しに来ませんか? 綾女の講義も受けれますよ」
「ごめん明日は先約があって」
「先約ですか? 」
「そう、縷々と図書館でテスト勉強する予定」
「そうなんですね。もし縷々さんさえよろしければ、一緒に勉強するっていうのはどうでしょうか? 」
俺は今日の帰り道に縷々が言っていた言葉を思い出す。果たしてこの提案に縷々が乗ってくるだろうか。
「分かった。縷々に聞いておくよ」
「お願いしますね」
俺は縷々にメッセージを送る。
「今、花陽から連絡があって、一緒に勉強会しないかって誘われたんだけど」
「いいわよ」
瑠々からの返事は意外にも賛成のものだった。
「それで場所はどこ? 」
「場所は光堂寺の、ほら前にパーティやったところ。それにしても本当に良かった? ほら今日の帰り道」
「ああ、あれね。もちろん二人で秘密にしながら、力を合わせてあの3人に近づきたいっていう気持ちは本物だけど、目標が向こうから誘ってくれたんだから、そのチャンスはやっぱり大事にするべきだと思うの」
「そう、ならよかった」
まっすぐに目標に近づこうとする。美人で頭がいいというだけではなく、性格までいい子が本当に多い部活である。
「じゃあさ、綾さんも誘う? 」
「いいと思う。花陽に聞いておくよ」
「ありがとっ」
再び花陽に連絡を取り、みんなで集まることに賛成をもらい、次に俺は涼音さんへと連絡する。
行けるとの返事があった。
こんなにも、女の子と連絡をとりあったことはないので緊張してしまった。文章もめっちゃ考えたし。
今回も読んでいただきありがとうございます。みなさんのおかげで5月は毎日投稿できました、これからもよろしくお願いします。




