部活動紹介
次の日、朝早く学校に集まった俺たちは、フリースペースとなっている掲示板に昨日作ったポスターを貼った。ここならばより多くの生徒の目に触れることができるだろう。
その後、校門前に立って、4人でチラシを配った。
特に光堂寺花陽と涼音綾が何か配っているというのはすぐに噂になり、その2人から受け取ろうと、長い列ができていたりもした。
午前の授業も終わり、俺は楽しみに昼休みの放送を待っていた。
スイッチが入る音がして、放送部員の声がする。
「さあ、今日も始まりました。レヴィン学園放送部による昼休み放送です」
「いやあ、最近はすっかり春も進んで過ごしやすい季節になりましたね」
「そうですね、暑くもなく寒くもなく何かするには最高の季節だと思います」
という2人の生徒の進行で番組は進んで行く。
その後、今日の運勢占い(俺は3位だった)や人気コーナーだというお悩み相談のコーナーを挟みながら、いよいよ俺が今日一番気になっている部活動紹介の時間になった。
「さて今日は久しぶりにあのコーナーの時間があります」
「あのコーナー? 」
「そうです、4月はみなさんよく使っていただいた、部活動紹介のコーナーです」
「今日はどんな部活なんですか? 」
「それがですね、今日は珍しいですよ。科学部です」
「科学部というと、わが学園が誇る発明家、涼音綾さんが所属している部活ですよね? 」
「そうです、それに最近は何とあの光堂寺花陽さんも入部したということでこれまた注目の部活動なんです」
「それはすごいですね、ではそのお2人に今日はお越しいただいていますので早速紹介をしてもらいましょう」
「ありがとうございます」
スピーカーから花陽の声が聞こえてくる。
「みなさん、こんにちは。私たちは科学部です。今日は部員募集の案内をさせていただきに来ました。今日の朝もチラシを配らしてもらったので受け取っていただいた方もいるかと思いますが、今科学部では部員を募集しています」
そこまで言って、いったん言葉を区切り、
「実は科学部は今のところ部員が4人しかおらず、明日までにもう1人入らなければ廃部になってしまいます。ですので、今の活動を続けていくためにも、科学や発明に少しでも興味のある方は是非一度部室に来てみてください。場所は特別棟の一階の端の教室です」
「……お願いします」
「これで私たちの紹介というかお願いを終わります。ご清聴ありがとうございました」
「はい、科学部のお2人でした。ありがとうございました。ぜひ皆さん興味のある方は足を運んでみてくださいね。では今日のお昼の放送はこれまで。最後はこの曲でお別れしましょう」
そう言って放送は終わった。
今回も読んでいただきありがとうございます。よろしければ感想や評価、ブックマーク等よろしくお願いします。




