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######怖
流れで肝試しすることになったけど、こういうのは苦手。
普通だったら拒否するところだけど、すごく可愛くて、すごく大好きな美女と二人きりだからいい。
しっかりと密着することが出来るから、嬉しくて仕方がない。
でも、美女がいても怖すぎることに僅かしか変化は起こらないのだが。
「絶対に何か出るよ」
「何が?」
「オバケ的なものとか、妖怪的なものとか」
「ユウくん、かなりビビってない?」
「レイちゃんにはそう見えるかもしれないけど、全然そんなことないよ」
「良かった。私、こういうの全く駄目だから守ってよ」
「分かってるよ。俺、気配をスッて消せるから大丈夫だよ」
「えっ、ひとりだけ消えるってこと?それじゃ、私だけ幽霊に目立っちゃうじゃん」
「えっ、そうなるかな」
「そうだよ。それだと私が狙われちゃうからね」
「でも、いざとなったらひとりで気配消すしかないよね。煮崩れて溶けるみたいな感じでさ」