モモちゃんのデート01
大精霊祭から数日後。ここ数日の雨から解放されやっと晴れたので、私はここぞとばかりにまとめて洗濯物を干し終えた。そして(ミストさん改め)ミトさんに頼まれていたラル用のミルクを買いに出かけていた時、ちょうど通りの陰でオサム君とゲンキ君とスバル君を見かけた。なにやらコソコソしているのだ。そして3人の視線の先を見ると、なんとモモちゃんとトモミ君が二人仲良く手を繋いで歩いている。
これは、嵐が起きそうな予感がしますわ……と思っていると、いきなり後ろから肩を叩かれた。
「なにやっているんすかぁ〜カミュールさん。だいたいちびっ子の恋愛関係に首突っ込むなんて大人気ないですよ」
「まぁ〜アギト君も……偶然ねぇ〜。いいのかしら⁉︎ その言葉をそっくり返しますけど」
「だって、面白そう〜じゃないですか、どう見ても」
「悪いリーダーね〜アギト君は。でも、この結末は見届けなければならない……そんな気がするのよ」
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「みんながモモちゃんを好きなの知ってるのに。『抜け駆けはなし』とか協定結んでいたのに、なんでトモミがモモちゃんとデートしてんだよ⁉︎……つか、あいつ17才だろ。前世なら犯罪だぞ。つか、ここの法律どうなってんだよ⁉︎ ミストラルの法律はどうなってるんだよ⁉︎ オマワリさんどこだよ⁉︎」
モモちゃんとトモミを尾行しながら、スバルの怒りは収まらない。
「し、知らないよ。授業でそんなの習わないもん」
そう言いながらもゲンキはスバルのテンションについていけず、リアクションに困っていた。
「そういう問題じゃないんだよ。だいたいみんなの居る前で、こんな質問出来るわけないじゃん」
「まぁ〜授業でそんな質問をした時点で公開告白してるようなもんだもんね」
「そ、そんなことより6才と17才の年の差カップルを認める気かよ⁉︎ つか自称17才だけど見た目は30才くらいの体のくそデカイおっさん顔だからな‼︎ つか、本当は年齢偽っているんじゃないか⁉︎」
「言い過ぎじゃない。そこまで言われるトモミも可愛そうだなぁ〜」
「あんないい加減な相手は認めないからな‼︎」
……スバルのその立ち位置はなんなの⁉︎ モモちゃんのお父さんなの⁉︎
しばらく二人の会話を聞いていた中立的立場のオサムが、心の中でツッコミを入れた。
「モモちゃんだって、本気にするわけないと思うよ。きっとただの散歩だよ。でも二人とも仲いいよね〜」
「ないわ‼︎ 100%ないわ‼︎ 絶対に許しません‼︎」
……だから、スバルはモモちゃんのお父さんなの⁉︎
「でもさぁ〜モモちゃんって普段からトモミの背中が大好きだよね!!」
「お、終わったわ。……もう二人で明るい家庭を築くがいいよ」
……なんで、もう諦めてるんだよ。そして、なんでスバルはさっきからお父さん目線なんだよ‼︎
「文句を言い合ってると二人を見失っちゃうよ」
「……もう俺はいいから、あとは任せたよ」
ここまでくると、オサムのツッコミは心の中だけでは抑えきれず、ついに声に出してツッコミを入れた。
「なにを任せたんだよ⁉︎ 意味がわからないよ。そもそも言い出しっぺのスバルのリタイアは、ないからな。最後まで付き合えよな」
「もう、ど〜でもいいけどさぁ。あの二人どこまで行くんだよ⁉︎」
「し、知らないよ。授業でそんなの習わないもん」
「ゲンキは授業から少し離れろよ‼︎ そもそも授業でこんなの習うわけがないだろ‼︎」
「あっ、花屋に入っていったよ。おい、コレはもしかして⁉︎」
「嘘だろオイ‼︎ ガチでこのデート中に花束を渡してトモミはモモちゃんに告白する気なのかぁ〜⁉︎」
「ショック〜〜」
「……おいおい、落ち着けよ」
ツッコミ役のオサムが、今度は宥める役になった。
「バカやろぉ〜〜‼︎ こ、これが落ち着いていられるか‼︎ ここは俺の分解魔法『ミリオンブラッド』でその花束を原子レベルまで分解してやる〜‼︎」
「なに適当にトウタさんの魔法のネーミングをまるパクってるんだよ‼︎ つか、そんな魔法は持ってないだろ‼︎ だいたいスバルの分解魔法【ハーフディバイド】は半分とか4等分が限界のはずだろ‼︎」
「ちょ、ちょっと、声が大きいよ」
「あ〜〜〜、今度はグリーンミストパークの方に行ったぞ。まさか公園の真ん中で告白するのか⁉︎」
「あり得るね」
「ゆ、許さん」
「……あっ、公園の入り口付近で管理人みたいな人にトモミが呼び止められているぞ……捕まるんじゃないのか、コレ⁉︎」
「あははは〜お腹いたぃ〜〜〜」
「そのまま捕まれ‼︎ そのまま捕まれ‼︎」
「スバルはさっきまで凹んでいたのに、もう元気になってるよ。もう完全復活してるよ。立ち直りが、はえ〜〜なぁ〜おい」
「なんか、モモちゃんが二人の間に入ってなんか言ってるね〜」
「おお〜二人のデカイ大人がモモちゃんにペコペコしてる」
「やっぱりモモちゃんは、かっこいいよね〜〜」
「だろ〜〜ああいうところがいいよなぁ〜」
ここにきて、まさかのスバルとゲンキの息があった。それを見て、驚きを隠せないオサムが恐る恐る質問をした。
「え⁉︎ え⁉︎ ……二人がモモちゃんの好きなところって、ああいう所なの⁉︎」
「うん、そうだよ。ああやってモモちゃんから怒られたいよね〜」
「決まっているじゃないか‼︎」
「スバルだけかと思っていたけど、ゲンキもブッとんでるわ。……いい機会だからこの際、言っておくよ。お前ら二人とも『ドM』だよ‼︎」




