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最初に言っておく‼︎ 転生者はキミだけではない‼︎  作者: クリクロ
第一章『精霊指定都市ミストラル編』
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青山 顎人(アオヤマ アギト)05   ☆画像あり

挿絵(By みてみん)

 移動中、あといくつかの質問をされた程度で、事前手続きは終わった。……そうこうしているうちに到着したようだ。移動魔法が解除され、正門みたいな前にたつと、改めて実感がわく。


「あ〜本当に俺の知らない世界なんだなぁ〜」


「ようこそ‼︎ ここが『精霊指定都市ミストラル』です」



カミュールさんが、なんかダジャレみたいな事を言い出したけど‼︎……まぁ〜空気読んでスルーしてあげるよ。というより、目の前に広がる光景に目を奪われてそれどこじゃなかった。


 深い青緑の池が外堀のような役目を果たし、森が城壁のように周囲を覆っている。……この世界に初めてきたときはきりに覆われてまるっきり視界が見えなかった。ミストラルと呼ばれるこの場所もそれとよく似ているが、どちらかといえばもやという感じで、濃度が薄いせいでだいぶ視界がいい。ただ第一印象で景観重視ではなく、防御重視なような気がした。このもやも池も木々もこの地を守っているにように見える。土地そのものから生命力を感じるというか、癒しを感じるというか……この景色にはそういう幻想的な空気感を漂わせてした。


「この街全体を覆うきりもやは防衛の為ですが、街の中に入ると気にならないくらいに明るいんですよ」


カミューさんが、上を見上げていた俺を察して、説明補足をしてくれた。


 正門のエントランス(入り口)から奥をのぞくと木々に囲まれた街並みが見る事が出来た。このまますんなり入れてくれて、市街の案内でもしてくれるのかと思っていたが、そうではなく正門すぐ隣の守衛棟みたいな建物に通された。


「ここは⁉︎」


「最後の入国チェックを行う管理棟です。採血以外の情報は精霊経由で移動中にすでに伝達しております。これは伝達魔法【ネクストコール】によるものです。流石に血液を転送することは出来ませんからね」



……どうやら、本当にワープが出来ないように、物質転移も出来ないらしい。つまり『魔法』とはいえ、なんでもありの世界ではなさそうだ。……そりゃそうだよな〜。ワープ出来たら、すぐ魔王んとこ行ってもう終わりだもんなぁ〜。冒険する間もないもんあぁ〜。つか、俺が呼ばれる理由がないもんなぁ。



……このあと、いわゆる身分証明証やら市民権やら移住登録など、多くの書類に同意のサインを書かされた。


「やっぱり、こういう手続きするですかぁ〜。結構めんどくさいですね」


「あとあと、トラブルにならないための準備です。そしてこの身分証明証はどんな魔法でも偽物は作れません」


「そうなんですか、転移魔法と違って、コピー魔法くらいありそうですけどね」


「模写魔法【トレース】は、あります。ただし、身分証明には適用しないのです」


「どうしてですか⁉︎」


「それは、後ほどご説明します。そしてお待たせしました。血液検査の結果が出ました。オールクリアーです。そして、魔法適性も判別出来ました」


「おぉぉ〜‼︎ で、で、俺はどんな魔法使えるんです⁉︎」



「魔法を覚える場所、つまり精霊と契約する場所は、街の中心部にあります。そして契約時に適正魔法はわかると思いますよ」


「教会みたいなところですか⁉︎」


「いえ、なびです」


なび⁉︎ ……学び舎じゃなくて⁉︎ つか、またダジャレですか⁉︎ 『精霊指定都市』といい、ここの人はなんで親父ギャク感覚で名称つけるかなぁ〜」


「『親父ギャグ』……は理解しかねますが、そこで魔法契約と共に、魔法熟練の訓練と、この世界について学んでいただきます」


「は⁉︎ 俺、授業受けるの⁉︎ この世界の事を学ぶの⁉︎ ……いやいや……いやいや、もっとやる事あるでは⁉︎」


「と言いますと!?」


「まずは、住む処を探すとか⁉︎」


「ですから、なびに寮が隣接してます」


「うぐぐ……んじゃ、せっかくだから、観光案内とか、、、、」


なびの歴史資料室に、ミストラル都市俯瞰図としふかんずが展示されています」


「だからなんで、全ての選択肢がなびに繋がってんの!?なにがなんでもなびに行かせようとしているよね⁉︎」


「そういう流れですので。まずは、この世界のルール、この街のルールを知ってもらいたいのです」


「もうルールっていうか、『レール』だけどね‼︎ なびに続く寄り道なしの一本道だけどね‼︎」



「そうそう、言い忘れていたことがあります」


「ん⁉︎」


「最初に言っておきます‼︎ 転生者はアギトさんだけではない‼︎ ……ということです」


「……ん⁉︎ なんで、今それ言った⁉︎ つか『最初』どころか出会ってから結構経ってるけど‼︎ ……取って付けたように、なんで、今それ言った⁉︎」


「いや、ここらが頃合いかと」


「(トウタさんが転生者ってのが気にはなっていたけど)ま、まさかゴロゴロおるの⁉︎ 転生者が大勢おるの⁉︎ だからカミューさんが全部教えてくれるのではなく、なびが存在するの⁉︎」


「さすがです。なので魔法修練への『レール』は長いですが頑張ってくださいね」


「うまくないよ!!そんなところでレールをかぶせてこなくていいよ!!」




……なんだか話が上手すぎるとは思っていたが、こういうことかぁ。……まぁ〜それでも、俺のワクワクは止まらないよ。ここまできたら、レールに乗せられてやろうじゃないか‼︎ 最後の目的を果たすまで、あんたらの思惑レールに乗ってやるよ‼︎



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