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最初に言っておく‼︎ 転生者はキミだけではない‼︎  作者: クリクロ
第一章『精霊指定都市ミストラル編』
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野盗集団襲来01

 精霊指定都市ミストラルからの距離、およそ4km。この辺りは元々ワイルドモンス【少数の凶悪モンスター】の生息地。この危険な場所に野盗集団が襲撃しモンスを全滅に追いこみ、新たに陣を構えた。その理由は、この場所がミストラルを一望出来る最高の場所だったのだ。そのために全く関係ないワイルドモンスすら手に掛けた。




「1週間かけて、やっとベストな高台をオレたちは見つけたぜ‼︎ そして、前線基地と監視を兼ねた最高の場所を確保した。文字通りマウントポジションを取ったって状態だぜ‼︎ これで俺たちの優勢に死角はない。……あの『トウタ』とかいうムカつくやつめ。転生時に散々好き勝手言いやがって……今度こそあの時の借りを返してやるぜ‼︎」


いきり立つリーダーとは対象的に、用心深い部下がなだめに入る。


「……兄貴〜本当に平気なんですか⁉︎」


「あ〜こんなの楽勝だろうが‼︎ 完璧だろうが‼︎ 俺を誰だと思っているんだよ、サウスクラウド国の第一師団長『ガガビー』様とは相棒なんだよ‼︎マブダチなんだよ‼︎」



「それは言い過ぎでしょ〜、向こうは団長ですよ。」


「言い過ぎじゃないんだなぁ〜……コレが‼︎ 俺がガガビー様に『転生魔法』の情報を流した唯一の人間よ。これはもう相棒確定だろうが‼︎」


「……そぉ〜すっかね〜⁉︎」


「しかも、俺たち野盗軍総勢45人全員に魔法契約してくれたんだぜ。これはもう信頼の証だろうが‼︎」


「まぁ〜そぉなんですけどぉ」


「ガガビー様は転生魔法を知りたい。俺たちはミストラルに一泡吹かしたい。それぞれの思惑が一致したんだよ」


「なるほどぉ〜」


「さらに『造反した精霊』も俺たちがわについた。つまり俺たちは、情報戦においてもミストラルよりも上にいっている。これはもう勝ち確(勝利確定)だろうが‼︎」


「よく、精霊を仲間に出来ましたよね〜」


「精霊からの交信は半分くらいしか理解出来ないが、どうやら精霊にも不満はあるんだろう。ストレスがあるんだろうさ」


「そんなもんすっかね〜」


「とにかく俺たちには、ガガビー様からいただいた『精獣魔法』がある。ミストラルですら放置していたこの場所に生息していたワイルドモンスを、俺たちは秒殺で倒したんぜ‼︎ 楽勝だったんだぜ‼︎ もうミストラルなんぞ恐るるに足らずなんだよ‼︎」


「まぁ〜そぉ〜っすね〜」


「その圧倒的戦力で俺たちが、3方向から最初にミストラルに侵入し場を混乱に陥れる。その直後、ガガビー様の本陣、第一守衛団〜第三守衛団、総勢300人もの戦力で、一番混乱している箇所から、一気に攻め込む手筈(手はず)になっている。……もう完璧じゃないか‼︎」


「まぁ〜立場的に俺たちの役目はこんなもんですよね。……でも、先行する理由はなんなんっすか⁉︎」


「ミストラルの連中が大精霊祭で油断している間だからこそ、俺たちが侵入しやすい。さらに、転生魔法の使用者を知っているのは『俺を含めた数人』だけだ。だから一番最初に侵入して、あの2人を見つける事が俺たちの最優先事項だ。ましてや俺たちの精獣魔法はワイルドモンスすら凌ぐスピードと強さを兼ね備えている。先行班としての機動力は申し分ないだろうが‼︎」


「なるほどぉ〜」


「見つけてしまえばもう俺たちに用ない。適当に時間稼ぎしてれば、後から来る事になっているパワー系に優れた守衛団に任せれば、問題ないだろうが‼︎」


「なんだ。楽勝じゃないですか」


「どぉ〜転んだって、俺たちに死角はない。俺たちだけでミストラル軍を倒せれば言う事なしだし、苦戦するならば、守衛団が来てくれる。さらに、この戦果次第では俺たちの株も上がる。ガガビー様の信頼も厚くなるって算段よ‼︎ こんなに楽でオイシイ話があるかよ‼︎」


「俺たちに分け前はあるんでしょうね⁉︎」


「当然だろうが‼︎ 本当に実利ある功績、つまり転生野郎の2人を捕まえる事が出来たあかつきには、ガガビー様の特命により、現在空席中の第18守衛団部隊に俺たち全員がそっくり成り上がれるってシナリオよ‼︎」


「おおお〜‼︎」

「おおお〜‼︎」

「そりゃ、すげ〜〜や‼︎」


「だろ〜〜が‼︎ 俺様に抜かりは無いんだよ‼︎」


「ただしだ、襲撃時刻だけは統一しろ。ここだけは絶対に間違えちゃいけね〜ぞ。離脱してきた精霊の情報によれば、祭りが始まって精霊たちが一斉に空を舞い争奪戦を行うあたりがピークらしい。この場所からミストラルまでなら、俺達ならあっという間さ。祭りに夢中の時に侵入さえ出来てしまえば、あとはパニックに乗じて俺たちのやりたい放題だろうが‼︎」



「おおお〜‼︎」

「行くぜ行くぜ‼︎」


……いいか、俺の咆哮魔法【バーク】で門を砲撃した音が合図だ‼︎ 一斉に3方向の入り口から同時に攻め込む。なんなら、通行人や観光客を人質に取ってもいいぜ。要はらくして中に入れればいいのさ。……お前らぁ〜気張れよ‼︎」


「入り口以外の場所はダメなのか⁉︎」


「ここから見た感じだと、あの街を囲む大きな池はココから見た感じ、かなりやばそうだ。精霊からの情報だと詳しく理解出なかったが『水掘り』の機能と何かしらの対侵入者用防御対策があると見てまず間違いないだろう。だが、そんなリクスある所をわざわざ行かなくても今回は楽勝だぜ〜〜‼︎」



「おぉぉぉ〜‼︎」

「楽勝だぜ〜‼︎」

「完璧だぜ〜‼︎」




 ここに、精獣魔法使用可能な野盗45人がつどい、決起会が行われた。そして数時間後、この野盗集団は確実に『精霊指定都市ミストラル』に襲撃しに来る。

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