青山 顎人(アオヤマ アギト)04
「もうしばらくでミストラルに到着します。ですが、入国する際に手続きと審査があります。
「……入国手続き⁉︎ 審査⁉︎」
「ミストラルの住人として登録する手続きです。まぁ〜登録名はなんでもいいんですけど」
「うーん、アギトでいいですよ。他に、、、、思いつかないし」
「では、『アオヤマ』だからさぁ〜ブルーマウンテンってのはどうだろう⁉︎ 略して『ブルマン』」
「師匠のネーミングセンスは最高です。早速『ブルマ』で登録しましょう」
「ちょ、ちょっと待ったぁ〜‼︎」
「はい⁉︎ なんでしょうか⁉︎」
「いやいや、色々とおかしいでしょ⁉︎ 悩んでなかったでしょ⁉︎ 今、即答で「アギトでいい」って言ったよね⁉︎ そもそも『ブルマン』ってなんだですか⁉︎ そしてカミュールさんに至っては『ブルマ』になってるよ‼︎ 省略の省略になってるよ‼︎ もう原型がわかんないよ‼︎」
「はい。それが何か⁉︎」
「俺の前世界の車とか電車とか、鉄オタみたいな情報は知っているのに、なんで『ブルマ』を知らないんですか⁉︎」
「すみません。師匠からは、まだ教えてもらってなかった言葉でした。……ちなみに『ブルマ』とはどんな意味なんですか⁉︎」
「フフフ……どうするよ、ブルマ君‼︎ カミュールさんがブルマの意味を知りたがってるぞ‼︎ 教えてあげればいいよ」
「確定みたくブルマ君って呼ぶなぁ〜‼︎ そして、腹たつわ〜‼︎」
「……どうされました!?」
「……いいですか!!カミュールさん。……ブルマとは、、、、、」
「はい、ブルマとは⁉︎」
「……過去のトラウマです。なので『アギト』でお願いします」
「まぁ〜、それは失礼しました」
……トウタだっけか⁉︎ コイツは絶対、俺をネタに遊んでやがる‼︎ カミュールさんが『ブルマ』を知らないことをいい事に、完全に移動中の暇つぶし感覚で俺の名前で遊び始めやがったよ。……小学生の頃、同学年の女子からこのあだ名で呼ばれ、当時の俺すら訳もわからず何度変態扱いされたことか‼︎ 危なく、この世界でも変態扱いされるとこだったじゃないか‼︎
「では『アギト』で登録の手続きをしますね。そして登録にもう一つ必要なことがあります」
「……まだ、あるの⁉︎」
「はい、それは『血液検査』です。到着する前に、採血しときますね」
「な、なんで、採血されないといけないの⁉︎」
「最初に、言いましたよね‼︎ まだ『不審者』だと」
「た、確かに、初対面の俺に対して『不審者』扱いだったね。それと血液検査とどういう関係があるのさ⁉︎」
「ですから、私たちはまだあなたの全ては知らないのです。なので、仮にあなたが病原菌を運んでいたり、感染力の高い有害ウイルスが体内にあれば、街の中には入れることは許可されません」
「た、確かに、そうだけどさぁ〜。病原菌は流石に言い過ぎじゃない⁉︎ つか、そもそも俺は死んだ身なんですよね⁉︎ ……仮にあったとしても病原菌も死んでるのでは⁉︎」
「念のためです。それに、現在のあなたの健康診断も同時に出来ます。これはあなたにとってもメリットがあるんです」
「どういう事⁉︎」
「こちらの世界でいう『健康診断』は、文字通りの健康診断ともう一つ「魔法適性診断」があるのです。ミストラルでは、人間1人に対し精霊1位【位は精霊を数える際の単位】が契約を結び魔法能力を発動する事が出来るんです」
「おぉぉ〜精霊なんかがいるんだ。俺でも見れるんですか⁉︎」
「視認出来る精霊もいれば、出来ない精霊もいます」
「……あ‼︎ 話の腰を折ってすみません。説明続けてください」
「構いませんよ。質問はいくらでもどうぞ。では、説明を続けます。精霊と契約するといっても相性があります。ですので、あらかじめ魔法適性を知る事で、精霊契約をスムーズに円滑に行う準備なのです」
「なるほど‼︎ だから、さっきの登録名前もそうだけど、ミストラルに到着する前にやれることはやっておくんですね」
「その通りです。こういう移動時間すら無駄にせず、あらかじめ準備をしておけば到着時にロスなく登録が出来るのです。血液検査はそのための情報提供だと思ってください。その見返りに住民としての登録と、魔法発動における精霊契約を約束します。」
「わかりましたよ。んじゃ、採血をお願いします」