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最初に言っておく‼︎ 転生者はキミだけではない‼︎  作者: クリクロ
第一章『精霊指定都市ミストラル編』
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転生してきた赤ん坊02

 移動魔法は師匠の担当で、加速魔法【ブースト】で高速移動を行い、さらに加速魔法の痕跡を残さぬように浄化魔法【オールクリーン】を重ねている。


そして同意した転生者がいる場合は、さらに同化魔法【セイム】を重ね、我々と転生者を一塊ひとかたまりにイメージした単体として同時に移動魔法の対象にしてくれる。しかし今回、この赤ん坊に同化魔法や加速魔法を耐えうる免疫があるかわからないと師匠は心配し、仕方なく通常のピッチ走法で移動し、痕跡の浄化魔法【オールクリーン】だけに留めた。この辺りの臨機応変さが師匠の素晴らしい所なのだが、このペースだとミストラルまで戻るのに、いったいどのくらいかかるのか私にはわかるはずもなかった。



「師匠〜‼︎ ミストラルまでどのくらいかかりそうですか⁉︎」


「そうだね。この移動速度だと、3日はかかりそうだねぇ〜」


「そ、そんなにかかります⁉︎」


「最短距離で戻れば1日くらいかもしれない。でも厄介な事に、【レッドエリア】が立ちふさがっているんだ」



レッドエリア……ワイルドモンス【少数の凶悪モンスター】の生息地域の分布図でテリトリー(縄張り)を示し、その危険度を表している場所だわ。それに対し【オールグリーン】はテリトリー外なので問題ないエリア。【イエローエリア】は注意領域。そして最も危険なエリア、つまり未知数の超危険領域の事を【ゼロエリア】と区分してる。


「師匠〜、それは関わりたくないですねぇ〜」


「そうだね。自分とカミュールさんの2人だけならともかく、赤ん坊がいては不利だと言わざるを得ない。……ところで突然で悪いが、1つ質問があるんだ」


「はい⁉︎ なんでもどうぞ」


「カミュールさんの覚えている一番古い子供の頃の記憶は、いくつごろかなぁ⁉︎」


「……え〜〜と、たぶん4〜5才かと」


「成人が覚えている記憶はそんなもんだと思う。それも日常ではなく衝撃な事に巻き込まれた事件とか出来事に限定されるはずさ。さらに親などに聞かされたり、当時の記録を見た時の刷り込みによる擬似記憶という可能性もある」


「そうなんですよね〜。記憶って曖昧ですよね」


「記憶というのは、いわゆるその場その場の出来事を脳で信号に変え保管する。逆に『思い出す』というのは、保管に刺激を与え再生するという能力なんだ。……何が言いたいかというと自我が目覚め記憶が認識出来る時期が、イコール魔法を使える年齢だと俺は考える」


「なるほどぉ〜」


「前世界では人間の能力、つまり勉学でも運動でも美術でも英才教育が主流となっていてね」


「へ〜。それは具体的にはどういう教育なんですか⁉︎」


「いわゆる低年齢化の教育さ。例えば0歳教育や胎内教育と称して、音楽や語学を繰り返し聞かせてるといった教育方法が確立していた」


「それは、意味があるんですか?」


「俺が(前世界に)いた頃には、科学的根拠が出なかった。しかし素人考えで、こうではないかと考えている。胎内教育、0歳教育は、『子供のため』ではなく実は『母親のため』ではないかと」


「なるほど、母親が精神的に安定、リラックスしていれば、それを感じている赤ちゃんも安心しそうですよね」


「そして、人は20才くらいで肉体の成長がだいたい止まる。身長などの骨格に関してはもっと若い場合もあるね。その辺りが精霊とは違うけどね」


「精霊は未だに未知数ですよね」


「魔法に適応出来る年齢もこの転生という任務に関わってきて、同じなのではないかと思うようになってきた。だから転生魔法の条件を満たす後精霊【死間際の精霊】との『等価交換』の条件は4〜20才くらいと決めつけていた」


「そうですね。これまでの転成者の年齢の幅と一致しますよね」


「……ところがね。世の中には例外イレギュラーが存在する」


「それが、この子ですね」


「そうだね。さらにこの赤ちゃんは無意識ながらも防御魔法を発動している」


「最初にも言ってましたもんね……ところで師匠。さっきも質問しましたけど精霊と契約もしていないのに魔法が発動してるとはどういう事なんでしょうか⁉︎」


「……おそらく考えられる理由は一つしかない」

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