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いま、誰かと話がしたい。  作者: ひかり
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はじめに

 書くことで何かを変えたい。

 それが、私がこのエッセイを書き始めた最も大きな理由です。


 書くことで何かを変えることができるんじゃないか――。私がそんなことを考えるようになったのは、高校生になってからのことでした。それ以前も私は書くことがとにかく好きで、小説(主にミステリ)や詩だけでは飽き足らず、俳句にまで手を伸ばすほどでした。書きたくて書きたくてしょうがなかったんです。


 でも、あるときふいに思いました。自分は今までただやみくもに文章を書いていただけだったけど、もしかすると、自分の書いた文章で、誰かの心を動かすことができるんじゃないか。自分の好きな小説の一節や、歌詞のワンフレーズや、たった十七音の俳句にさえ心を動かされることがある。それなら、同じことが自分の書いた文章でもできるんじゃないか……。


 ちょっとした、思い上がりなんですよね。事がそう簡単にいくはずもありません。でも、そう考えたことが、私の創作活動の方向性を変えた大きな一つの転機であったことは間違いないと思います。事実、その頃から私の書く小説は、それまでのミステリ一辺倒から大きく変化し、青春小説とかあるいはもっと社会性の濃いものへと変わりました。もともと俳号として使っていた「たてしな昇平」という名前をペンネームとして正式に使い出したのもその頃からです。この名前は友だちの名前を一部拝借したものなんですが、その子にも何度か小説を読んでもらう機会があり、思わぬ高評価を得るようになりました(もちろん、お世辞の可能性もありますけど)。


 そんなこんなで私はますます調子に乗り、結果現在へと至ります。調子に乗っていろいろ書いてきたわけですけど、どんな形であれ、この経験が無駄になることはないと思っています。もちろん、私のこの3年ほどの歳月がどれほどの価値を持つものだったかについて、あれこれ論じてみることは可能でしょう。書き続けてきたことで得たもの、あるいは失ったもの。それらを一つひとつ取り上げて、精緻に分析していくことは当然できます。でも、そんなことに意味があるとは思えませんし、ここでそんな議論をするつもりもありません。私はこれからのことを見据えています。


 私はこれまで、書くという行為を通して多くの貴重な体験をしてきました。小説を書くとなると、自分の知らないことと向き合う時間も増えます。取材の機会も多くありました。さらにそれと並行してたくさんの書籍に触れ、さまざまな報道に接してきました。また、自分自身、高校では新聞部に所属していたこともあり、学生新聞という非常に限定的な範囲ではあるにせよ、取材をし、それをできるだけ正確に主観を交えずに伝えるという基本を教わることもできました。


 私はこの春から大学生になります。青春がどうのこうのと言っていられる時間もあとわずかです。モラトリアムの渦の中から出ていく日が近いことをひしひしと感じるようになりました。こんな自分に何ができるのか、ということを考えたとき、私はやはり、自分の武器である「書く」ことを通じて社会に何かを発信していくことではないかと思います。そしてそれと同時に、こちらは完全な私事ではありますが、エッセイという体裁をとることでこの青春晩期の自分の姿をここに留めておくということでもあります。


 21世紀の社会はますます混沌の様相を呈してきていて、人々の価値観や考え方はさらに多様なものになってきていくことでしょう。一方、社会の高度化が進んだことでどこか社会が歪められ、あらぬ方向へと舵を切りつつあるのではないかという不安もあります。あるいは、もう舵を切ってしまったのかもしれません。私も昨年からTwitterを通して現在の社会の問題点を何度か指摘してきました。しかし、Twitterは非常に優れたSNSである一方、やはり限界は感じます。


 そこでこのエッセイでは、私の日常生活で感じたさまざまなこと(社会問題に関することも含めて)を文章にして残すことで、これを読んだ誰かの心に何かを届けることを目的に、不定期でいろいろと文章を投稿してまいります。まだまだ勉強も途上であり、拙い文章ではありますが、少しでも多くの方に読んでいただきたいです。また、ここに書くことはあくまで私の一つの意見ですので、「自分はこう思う」「こういう考えもあるんじゃないか」という貴重なご意見をいただければ幸いです。どうぞよろしくお願いします。

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