知らないおじさんについてった
初投票なので拙い物かもしれませんが、楽しんで頂ければ幸いです。
基本主人公はヤレヤレ系のうざい感じです、苦手な方はオススメしません。
「うわぁ、本当に異世界来ちゃったよ」
僕は今見渡す限り草原が広がっている大自然の中にいる。
突然だが皆は異世界と言ったら何を想像するだろうか?
チートで俺TUEEEとか、まるで将棋だなとか思うことだろう。
僕もその一人だ、いつもなろう小説を見ながら自分もチートでイキりたいなぁ等と考えていた。
10分程前のことだ、僕は自分の部屋のベッドの上でダラダラと過ごしていた。
そして首を横に向けた瞬間、おじいちゃんの顔があった。
意味がわからないだろう?僕もだ。
「ぎゃああああ!美少女がよかったあああああ」
僕は思わず声をあげた。
「神様になんて無礼な小僧じゃ、慌てながらも美少女を要求するとはお主中々よの」
「いやいや、首だけの爺さんが添い寝してたら焦るだろ普通!」
そう、この自称神様の爺さんは首だけなのだ。
どうやって喋っているのか、一体何なのか色々聞きたいことがあるが。
「えーと、神様が一体どんな要件で?」
「はて、なんじゃったか、何で儂ここに来たの?」
やっぱただのジジイじゃねぇか。もうボケが始まってるよこれ。
「知るか!そもそも何で首だけなんだよ!」
ずっと我慢してたけど言ってしまった。
「そうじゃ!お主、儂の世界の住人にならんかのう?」
「・・・意味が分かりません」
もうどこからツッコミを入れればいいのか分からなくなってきた。
「いやぁ、それがのぉ、色々あって別の世界の人間が必要でな。
ぶっちゃけ誰でもいいんじゃが、お主は別の世界に憧れていたようだったのでな」
「えーと、つまり偶然異世界転移したいなぁと思ってた僕を自分の運営する世界に勧誘しにきたってことでいいですか?」
どうして必要なのかとかは僕もぶっちゃけ興味ないけど、チート貰えて俺TUEEEできるなら何でもいいや。
「うむ、そう考えてもらって構わん。」
「チート、貰えますよね?」
転移特典とかなかったら無理ゲーもいいところである。
言語も常識も何もかも違う世界に行くのだ、僕はそんなハードな異世界生活は望んでいない。
「ちーと?なんじゃそれは」
「そっちの世界で困らないように何か力が欲しいって意味です」
「儂の勝手な事情故構わん、ある程度の願いは聞き届けよう」
キタコレ!ついに僕も異世界でチーレムできるのでは?
「そういえば、どんな世界なんですか?」
「ほれ、お主が丁度読んでいた小説のような世界じゃ」
なん、だと。
剣と魔法のテンプレ世界じゃないか!目指せス〇ホ太郎!
「剣と魔法の世界ですか!」
「この世界に比べて物騒な世界故お主にはちときついかもしれんぞ」
チート貰えるなら平気だろう、多分。
「でも何か力貰えるんでしょう?」
「あくまで人間の枠に収まるレベルの力までしか与えるわけにはいかんのじゃ」
それは少し残念だが逆を言えば、人間の中じゃ最強クラスの力を貰える可能性もあるわけだ。
「そうじゃのぉ、”言語理解”と”魔法理解”ってところかのう」
「もしかしなくてもそれ、戦闘系の能力じゃないよね?」
明らかに戦闘系じゃない、それじゃチートでイキれないじゃないか。
「む、便利なスキルなんじゃぞ!戦闘向きではないがの」
「戦闘スキルくれよ!」
「仕方ないのぉ、”捻転”もつけてやるかのう」
良く分からないがまぁいい。戦闘系が一つでもあれば平気だろう。
そもそも物騒な世界に送り込むくせして戦闘スキルつけないとか嫌がらせでしかない。
「金とかは貰えないの?ポケ〇ンですら最初から3000円くらい貰えるんだぞ!」
「欲深い小僧じゃ、3000ディールもつけてやるわい」
ディール?お金だろうか?本当に3000円相当のお金らしい。
一日やそこらで消えそうなんだが。
「最後に一つ」
「なんじゃ、まだあるのか?」
「なんで首だけなんだ!」
「こっちの世界で顕現するのは難しいのじゃ」
この世界の神様ではないから上手く形を保てないのか。
てかこっちの神様的には平気なんだろうか?
「こっちの神様の許可とか取らなくていいんですか?」
「ギクッ、ば、バレなきゃ平気じゃ!」
本当にコイツ神様なのか、こいつが運営する世界とか地雷な気がしてきた。
「もういいや、連れてくならはよ」
「急に態度悪くなったのぉ、ではいくぞい」
首だけの自称神様がそういうと同時に黒い煙のようなものに吸い込まれる。
そして次の瞬間には僕は草原に立っていた。
今回は短めですが次回からは長く書きます。
感想やアドバイスなど頂ければ嬉しいです。




