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第9話 真っ白な少女の神様は、純粋に楽しんでいる。

ちょっと長くなったかもです!


真っ白な少女の神様は、優しい声で僕に言う。



「それじゃ、服を脱ぐのだ……今から君の中にある物を取り除くから、少し眠っててほしいのだ」



そう言いながら真っ白な少女の神様は、ニコニコと僕の方に近寄って来たのだった。


正直なところ、そんな笑顔でゆっくりと近づいて来られると、とても怖い……確実に何か、僕にきつい事をしよとしている。


彼女の拳は、とても力強く握り閉められており、そんな拳を見て僕は震え声で言った。



「えっと、その……準備をするのになっなんで……なんで拳を握ってるんですか?」



すると真っ白な少女の神様は、一瞬で僕の前に近づき叫んだ。



「こうする為なのだ! オリャァァァァア!」



そんな真っ白な少女の神様の、可愛らしい声には似合わない、とても強烈な拳が、「メキッ」と何かを砕く様な音を鳴らし、僕の顎にぶちかまされた。



「な、何するんですか! ひどいです神様!

めちゃくちゃ、超痛いじゃないですか!」



真っ白な少女の神様は、ぽりぽりと頬っぺたを掻きながら口笛を吹いて誤魔化し、軽口で言った。



「あーごめんちょ、ごめちょなのだ〜アッハッハ!

次は失敗しないから…………任せるのだ!」



こんなに軽く言われると、流石の僕も少しイラっとしていたが、そんな事を御構い無しに、真っ白な少女の神様は、僕の事を気絶するまでボコボコにする、血が吹き荒れていても殴る。


そして真っ白な少女の神様の表情は変わらない……ずっと笑顔で、そんな表情がとても狂気じみており、何か思い出してはいけない事まで、思い出しそうになっていたのだった。



「今回の魔王はとっても丈夫なのだ!

殴り甲斐があるのだ……アッハッハッハ!

でもこれ以上殴ると、流石に死んでしまうからそろそろ殴って気絶させるのは諦めるのだ……。

本当に残念なのだ!」



真っ白な少女の神様の一言に、僕は「おいっ」っと突っ込みたくはなったのだけど、きっとこれも必要な事なのだろうと、そう思って僕は今は何も言わなかった。


そして真っ白な少女の神様は、よそ見して口笛を吹きながら僕に言った。



「ヒューピューヒュー……その、これで気絶させるのだ………………ウフフ♡」



僕は、真っ白な少女の神様の手に持つ、何かの液体が滴り落ちているナイフを見て、顔を真っ青にした……。


一体そのナイフで、僕に何をするつもりなのだと……絶望の表情を浮かべ、オドオドしながら言った。



「その……まさか……刺し……ガハッ!」


「アハァッ♡」


甘い声を出して、僕の腹部にナイフを差し込む真っ白な手は、真っ赤にそまっていた。


そして最後まで言わせてくれよと、僕はそう思いながら青草の上に、真っ赤な血の水溜りを作って「バタッ」と倒れると、そのまま段々と視界が暗くなっていき、気絶する間際、真っ白な少女の神様は僕に言った。



「安心して眠るのだ! アッハッハッ! ウフ♡

次起きた時には、ある程度終わらせておくのだ!」



そして僕はようやく気絶……いや、生きてるのかわからないが、とりあえず気絶したのだった。



「はぁー長かったのだ〜流石に1時間も殴り続けると、私のお手手が真っ赤になるのだ!

……とっても綺麗♡ ウフフフフ♡

アハハハ、アハハハハハハ!アハァッ!

それより早く、彼の中から取り出すのだ、かき集めるのだ! 骨と血液と肉と魂を!」



真っ白な少女の神様は、何やらご機嫌ボイスでルンルンと言いながら、異空間のゲートを開きそこから箱を4つ取り出した。


真っ白な少女の神様の手は、髪の毛は、さらに魔王の血により赤く染まっていく。


優しい表情の彼女の顔が、段々と狂気の表情へと変わっていく……。


僕は、僕の体が全てバラバラにされていく光景を、魂となり見ていた。



「本当に大丈夫なのかな……グッチャグチャなんだけど」



すると魂だけになった僕に、真っ白な少女の神様は答えた。



「大丈夫なのだ! きっちり体は元に戻るから今は眠っておくのだ! それより何で魂だけなのに見えてるのだ?」



真っ白な少女の神様は、僕の魂をすくい上げ、箱の中にしまった。



「ふぅーこっからが勝負なのだ……

失敗しないようにきっちり、均等に分けるのだ!

魔王の体のために半分は残すとして……さてと、残りで彼等の器を作るのだ!」



そして箱の中に閉じ込められた僕は、外から聞こえる音に少し困惑していた。



「ビシャッ」と言う音に「ベチャッ」と何かが落ちる音に「ベキッ」と何かが砕け散る音……本当に一体何をしているのだろうと、とても不安になっていた。


1時間ほどが立ち、ようやく箱が開けられると、僕は作り変えられた器の中に入って行った。



「ふぅーーー! やっと元の体に戻れた!

でもなんか少し変な感覚が……」



すると真っ白な少女の神様は、疲れていたのか、青草の上に大の字で寝転び僕に言った。



「そりゃそうなのだー、変な感覚がしない方がおかしいのだ!

だって今の君の体は、君だけのものじゃなくなったのだ!わかるよね? この意味?」



最初は一体何の事を言っているのかわからなかったが、僕の中から声が聞こえると 、なるほどなと納得した。



「魔王様、お待ちしておりました。

さてどうなされますか? 特に急ぐ必要はないと思いますが……それに魔王様の今するべき事は、他にあります。

目の前に存在している神様に、この体の使い方を聞く事です」



今僕の中で語りかけてきたのは、部下の中で一番頭の良いオロバスだ。


元々は小さな馬の形をした知恵の悪魔であり、とても忠実な犬ではなく、忠実な馬なのだ……。


僕は昔、人間と仲良くなる際や、困っている時、彼の知恵をよく借りたものだ。


そして彼の言う通り、僕は、とりあえず真っ白な少女の神様に質問した。



「神様、僕の体の中には……まさか仲間の10人分の魂が入っているのですか?」



だるそうダラダラと、疲れ切った真っ白な少女の神様は答える。



「え、ん? そりゃ、そうなのだ?

もう、つーかーれーたーのーだ!

疲れた、疲れた、疲れたのだ!

ちょっだけ眠るから、少し待ってるのだ……その後きっちり体の事は教えてやるのだ、話しかけたらごちゃ混ぜに魂を混ぜるからな! わかったら返事するのだ!」



最後の一言に恐怖心をいだきながら、僕は真っ白な少女の神様の眠りを邪魔しない様に、小さく「はい」っと返事した。


そして丸1日ほど経ってから、ようやく真っ白な少女の神様は大きくアクビをしながら、両手を空に広げて伸びをすると、今の僕の体についての事について語り始めたのだった。

よければ感想評価ブクマおねげーします!

読んでくれてありがとう!

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