第26話 新たな仲間
おひさおひさですわ!
ようやく完璧に氷の魔王の話が終了であります
長かった……
私の体は残虐な勇者に操られ、ある一本の呪われた魔剣を握らせられ、そしてそのまま私の婚約者である、バラバラにされてもなお生きている、リザルガの元まで操られた足でゆっくりと進んで行った。
彼の下までたどり着くと、彼は大声で叫んでいる。
「やめてくれ、お願いだ……アルトネア!
その剣で斬らないでくれぇぇぇえ!」
そしてその光景をニヤニヤと眺めながら、残虐勇者は映像に記録していた。
「はーいはーい!
今から婚約者同士の殺戮ショーが始まるデス!
楽しみデス! どんな風に泣き叫ぶデスかな?
イヒヒヒヒィィィィィイ!」
そしてそのまま私は、空高く掲げた赤黒く染まる呪われた魔剣で、リザルガの足の小指を綺麗に切り落としたのだった。
「ヒギャァァァア! 何するんだ、アルトネァァア!」
彼の憎悪に満ちた声が私の心に突き刺さる、響く、とても痛いと、私の心は感じていた。
だがこれは始まりに過ぎない、ここから更に私の体は口は操られ、彼は絶望に顔を歪め、私はそんな彼の顔を見ながら泣きじゃくる事しか出来ない。
私の気持ちが……体が拒絶していても、私の体は止まってはくれないのだから。
そして彼の指は一本ずつ斬り落とされ、ゆっくりと刻むように腕を、足をスライスしていく。
「グガァァァァァァア!
やめろ、もうやめてくれぇぇぇぇえ!
お願いだ……許してくれ、アルトネアァァア!」
そして操られた口で彼女は彼に言う。
「私を食べた癖に……なに虫のいい事言ってるの?
あなたはそれでも、男なの? 男なら男らしく、潔く私の愛を受け入れなきゃ、ね♡ ウフフフフフ♡」
私の心は操られた言葉とは全く違う事を、ずっと唱え続けていた……「助けて」とそう唱えるも誰の心にも届かず、彼の苦痛の声を聞きながら私の顔は、笑い、歪んでいる。
そして抗えずにいる自分の無力さに絶望し、失望し、ただ嘆くことしか出来ない。
もし今の私に力があれば、きっとこんな絶望的な状況も打破出来ていたのだろうと、力無き自分を責めた。
仕方がない事なのはわかっているけど、それでも自分を責める以外に何もできなかった。
そして操られた私の体は剣をゆっくりと上に持ち上げ、彼の頭部めがけて全力でふりおろされるのと同時に、私の体は自由を手に入れたのだった。
彼は叫ぶ、命乞いをしながら森に、城内な響くくらい叫んだ。
「嫌だ、殺さないで! 死にだくなイィィイィィイ!」
振り下ろされた剣は止まることはなく、そのまま彼の頭を真っ二つに分断し、彼の目からは既に生気は感じられず、私はその場に膝をつき無表情で頭を抱きしめながら言った。
「私も今からそっちにいきますね」
だがそんな事は許される訳もなく、独特な笑い声が全体に広がっていく。
「イヒヒヒィィィィィィイ!
なぁ〜に勝手に死のうとしちゃってるデス?
楽しいのはここからですよ? イヒィ!」
残虐勇者は彼女の髪の毛を掴んで、自分の顔に近づけて笑っている。
そしてバラバラになり彼女の手によって殺されたリザルガ死体を掻き集めると、異空間のゲートから調理台、フライパン、圧力鍋、を用意して、薄く切られた彼の肉を、陽気な歌に乗せて塩胡椒で味付けし、焼いている。
「おっいしっくなぁ〜れぇ〜、おっいっしっくなぁ〜れぇ、いひぃ! いひぃ! イヒィイイィイ!
おっ次はつっよ火でじゅーじゅーじゅ〜♡
こーまかーくきーざんでミンチ肉♡
ねってぇーねってぇーハンバーグ♡
イヒヒヒヒヒ♡ さー食べるデス!
あなたの愛しの婚約者〜 ヒヒヒヒィィィィィイ!」
カリカリに焼かれ塩胡椒で味付けされた肉に、丁寧に作られた肉汁溢れる婚約者味の食べ物が、アルトネアの前に置かれた。
「ひどい……どうしてそこまで出来るの……頭おかしいよ、壊れてる……」
そんな彼女の事を、睨みつけながら言った。
「壊れてるぅ? わたしぃー全然壊れてなんかないデス! イヒャャャャッ!
ただ人々の為に、害をなす魔族供を狩り殺して調理しただけデス! イヒィィィイ!
さー食えデス! 食べられないんだったら……私が食べさせてあげるデス!
私はとても優しいのデス! イヒヒ♡」
一体何が、何処が優しいのかわからないが、彼女は私の口にそれらの料理を無理矢理口に押し込みながら、とても楽しそうにしている……そんな彼女の事を私は哀れむような目で見ていた。
きっとこの子は歪んだ環境で育てられて壊れたのだと、そして次々に押し込まれていく料理を私は、涙しながら無理矢理喉に通した。
「何ですその目? ちょっとムカつくデス!」
そう言いながら残虐勇者は圧力鍋で、彼の頭を使ったあまぁーい煮付けを作った。
「メインディッシュデス!
存分に味わいやがれデス!イヒヒ!」
そしてその料理も私の口に無理矢理押し込まれ、吐き出してしまった物もすくい上げて、再び私の口に入れられた。
「イヒヒィィィ! ゼェ〜ンブ食べちゃったデスね?
可哀想な婚約者デス!
さーそれじゃそんなお前にもサプライズデス!」
これ以上の事がまだあるのかと思ったが、疲弊しきっていた私は、投げやりになり、もうどうにでもなってしまえと思っていた。
そして彼女の、サプライズと言う名の残虐ショーは、丸1日続いた……ひたすらに私の皮をめくり続けては再生させ、首を落として刻んでは再生させ、何度も何度も殺された。
そして私が叫ばなくなったら、残虐勇者はようやく飽きたのか、私の事をを十字架に打ち付け、そのまま火炙りにしながら、ポテトチップスを食べてニヤニヤ鑑賞していた。
「ふぅーこれが芸術デス! こんなに美しい光景お前達は見た事があるデス? そんな光景を見ながら食べるポテトチップスは本当に格別デス!
イヒヒヒィィィィィイ♡」
そして彼女が絶命すると、勇者の仲間たちがさらにバカにするかの様に用を足し、愉快に歌いながら帰ったのだった。
「ふぁぁぁあ……最高だぜ、こんな可愛い子を汚せるなんて幸せダァ〜」
そしてそんな映像記憶を見せられたノアは頭が痛いのかずっとうずくまっており、ノートは口から胃液を吐き出した。
「こんな事をするなんて……絶対におかしいよ、間違えてる……こんな事絶対しちゃいけないのに、ダメなのに。
しかもこいつの事、やっぱり見覚えがある……」
そしてノートは口を拭って、見覚えのないグリア一族の勇者の事を必死に思い出そうとしたが、頭痛が彼にも起こり思い出せなかった。
ただノートの表情は少し青ざめていた。
そしてノアとノートは、なぜリザリオンが残虐に人間を駆逐していたのかを理解すると、何も言わずに抱きしめた。
「ずっと、ずっと戦ってきたんだね……残虐勇者を探すために……だけどこれからはやり方を変えて探さないとね……じゃないとあなたのしてる事も、アイツと一緒の事になっちゃうし
そうだ! これから僕たちと一緒に旅をしようよ?」
ノアがそう言うとリザリオンの顔からは涙がこぼれ落ちる、とめどなく溢れてくる。
きっと彼女はずっと一人で悩みながら、人間への復讐をおこない、その行いが間違いだと気付いていたのだろう。
だけどそれでも彼女は許せなかった、残虐勇者と同じ人間達が……そして彼女は知っている人間は優しい事を……ただ一部の心無い人間がいる事も知っている、そして心無いものと同じ事をした事をきっとリザリオンは後悔して泣いているのだろうと、自身の悪を理解して悔やんで泣き、そしてこれからは1人じゃないという安堵の気持ちで泣いていると、僕は感じ取っていた。
そしてその後僕達はマキュアの癒しの力で全てを元に戻し、村人たちには何も言わずにこっそりと、逃げるように出て行ったのだった。
新たな仲間を引き連れて、全種族を繋げて仲良くさせる夢を叶える為に歩みを進めた。
いつも読んでくださってありがとうです!




