『タダほど怖いものは無い』それって基本
二度寝って素晴らしい!
「その代わり、お願いね?」そう言われて安心するのは、変だろうか?
何もしないで欲しいものが手に入るなんて、世の中そんなに甘いもんじゃない。
善意や善行にだって、感謝という見返りを求めるのが常識で、某かやってもらったら某かのお返しをするのがマナーというものだ。例えそれが無駄な善意でも、それが不要なものでも。何かを手にしたら、何かを手放さなければ釣り合いが取れなくなる。
枕元にプレゼントを見つけた瞬間、さて困ったぞ…と思ったのはコレが何処から来たのか知っていたからだ。前々から欲しいと言っていた物が手に入ったらしいのだから、素直に喜べば良いんだとは思う。
けれど、どう反応するべきなのか? 「わーい?」「やったぁ?」嘘くさ! は? 子供のくせに考え方がジジくさい? ほっといてくれる? アンタらが思うほど、俺は子供じゃあないんだよ。
…何やら期待のこもった視線を感じる。どうすれば良いか分からなかったから、それを抱えて布団に潜り込んでみた。
「…シャイなん…」
「はずかしがっ…」
どうやら上手くごまかせたらしい、大人達のはしゃぐ声がする。まったく、貰えるものは貰っとくけど、こういう回りくどいのはやめて欲しい、こんなことをやる度に、俺は精神的屈辱と引き換えに、欲しかったものを手に入れ、黒歴史が増えるのだ。