サンタクロースを信じてるコイツをどうすればいい?
最近ますます独り言が増えてきました。
いもしないサンタクロースを語るコイツを、どうすればいい?
サンタクロースというキャラクターがいるのは誰だって知っている、勿論俺も知ってるさ。だけど、まるで親戚だとか先祖代々続く古くからの知り合いみたいに語るコイツを、どうすればいいんだ? だってアレは空想のキャラクターであって、実在なんてしないんだ。
ヤツ曰く「クリスマスの朝起きると、ツリーの下に家族に宛てたプレゼントが置いてある」って言うんだ。その上「サンタクロースは忙しいからね、プレゼントの数が足りないかもしれないだろう? 昨夜そっと起き出して、家族宛てのプレゼントを置いといたのさ」
ちょっと待てよ! 俺が叫びたくなるのも分かるだろう? 聞き出してみると案の定、ヤツが置く前にも幾つか置いてあったけれど、今朝になったら増えてたって言うんだ。
それサンタクロースじゃねーだろ!
そんな俺を、まるで可哀想な子犬を見るような目でヤツが「サンタクロースはちゃんといるよ、ほらコレ」そう言って、ツリーの傍にあった箱を手渡して来た。
哀れみなんかまっぴらだ! 俺がなげすてた箱の包がグシャリと破け出てきたのは…。
……。
「受け取ってくれるだろう」
ヤツが懇願するような目で俺を見る。何をどう言えば良いのか分からなかった。
サンタクロースはいないんだ! これはサンタからのプレゼントじゃあない、これは…。
俺はそれを拾い上げる。
俺はどうすればいい? いもしないサンタクロースを語るコイツになんと言えばいいんだろう。