最終話・僕とユウリとみんな
上映が始まった。
撮影した映像については一切見せられていなかったので僕らにとってもこれがほんとの試写だ。
はっきり言って驚いた。
「なに、これ」
ユウリが呟く。
リアル、としか言えない演出と映像。
休学を決めた後の高校でユウリ扮するシナリへのいじめが極限値に達し、女子生徒がシナリにホットのカフェオレをぶっかけるシーン。
その後シナリは教室の全員が見ている真ん前で濡れた制服を着替えるのだけれども、ユウリのその表情と演技が現実以上に現実的で観客の側がスクリーンの中の本人よりも痛みを思い知らされている。
もしカタヤマさんが死をテーマにした映画を撮ったとしたら。
映画館にいる全員が、自分は今この座席に座ったまま人生が終わってしまうんではないかと恐怖するだろう。
けれども裏を返せば。
希望を描いた映画を撮ったならば、きっと大勢の絶望した人たちを救うだろう。
3話目が終わったところでこのオールナイトの試写会もエンディングだ。
エンドロールが流れる中、暗いステージ上でROCHAIKA-sexが生演奏を始めた。
主題曲の、『行こうか』だ。
監督・カタヤマ、のクレジットが出た時、ステージが再び照明の照度をマックスに上げ、客電も灯された。
「ヒロオ、行こう!」
ユウリが僕の手をきゅっと引く。
客席で観ていた他の出演者たちもステージに上がる。
ミツキさんも、長谷ちゃんも、セヨもみんな。
ユウリと向き合って踊りながら客席を見ると、あの偏屈なマニア集団も立ち上がってリズムをとって踊っている。
とてもぎこちないけれども。
ぎこちなくてもいいんだろう、きっと。
下手くそでも、無様でもいいんだろう。
それが本気ならば、多分、どうにかなるはずだ。
おしまい
ガトリングコミッティー・ストライクス・アゲインの5作目はこれでおしまいです。
ヒロオとユウリたちのことはこれからも書いていきたいと思っていますので、次のお話を掲載したときは是非またよろしくお願いいたします(^^)




