表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/24

たこ焼きではなかったか・・・

長谷ハセちゃんは楽しそう。ユウリは微妙。僕は不機嫌。


セヨは僕に白のオーバーニーソックスまで装着するように指示した。僕は不機嫌ついでに足を組んで腕も組んでセヨをにらみつける。


「覚えてろよ」

「えーと、ヒロオだっけか。もう忘れた」

「この・・・」

「ほら、ニーソ履かないと汚い男子の足が隠せないだろ? そっちの女子2人はまあ素足でも構わんのだろうけど」


メイド服を着た長谷ハセちゃんは大学生のくせにやたら幼く見える。ニコニコしてコンデンスミルクを入れた『ちょ甘ミルクティー』を飲んでいる。

ユウリはまあ似合っている。年齢相応だし、まあ・・・かわいい・・・と、思う。


「ヒロオ、かわいーよ」


ユウリが僕に囁いてきた。それをセヨは見逃さない。


「何だ。お前ら付き合ってんのか」

「付き合ってるかどうか自分たちでも分かんないけど、一応一緒に暮らしてる」

「リア充が・・・」

「セヨ、お前は何なんだ。女が好きなのか?」

「違う。現にその2人は別にどうでもいい。ウチはミツキ様だけが好きなんだ」

「ミツキ・・・様?」

「そうだ。あのマフィアをやっつけた動画を見た時からずっとフォローしてた」

「フォローじゃなくって、ストークだろうが」

「やかましい! あれ? そういえばヒロオとユウリってあの動画に映ってなかったか?」

「今更何言ってんだ。ミツキさんと僕とユウリとで力を合わせてあの場を収めたんだよ」

「いーや。活躍したのはミツキ様だけだ。お前らバカップルはただうろたえてただけだ」

「セヨちゃん〜」


突然、長谷ハセちゃんが話に割って入ってきた。


「なんだよ」

「セヨちゃんってさ、大阪出身〜?」

「あ? 何でだよ」

「だって、たこ焼きひっくり返すやつ持ってるし、イントネーション大阪風だし、自分のこと『ウチ』って言うし〜」

「・・・広島出身だよ」

「何だお前、広島ならお好み焼きだろうが」

「えーい、名物なんて今はどうでもいいんだよ。それより、ウチはミツキ様を広島に連れて帰るからな」

「はあ? 小学生かよ。っていうか、ほんとはなに学生なんだ」

「中学生だよ」

「何年生だ」

「2年だよ」

「はあ・・・ほんとに中ニ病の中学生か・・・」

「セヨ様。わたしはこの店での勤めを辞めるわけにはいきませんわ」

「ミツキ様・・・」

「もしわたしのことをご贔屓にしてくださるのでしたら、お出でになった時には必ず精一杯のおもてなしをさせていただきます。どうぞ、早く広島へ帰られてご両親を安心させてあげてください」

「あ? なんだ、セヨは家出してきてんのか?」

「違う! 行き先を告げずに外出してるだけだ」

「それを家出というんだよ。なんだ、親御さんと喧嘩でもしたのか」

「うるさい!」

「あ〜、分かった〜」


長谷ハセちゃん、ほんとに分かったの?


「テストで悪い点とったんでしょぉ〜」


いや・・・いくらなんでも中学生ならそんなことで家ではしないだろう。進路とか何かもう少し深刻な・・・


「うるさい! だったらどうだってんだ」

「あ〜、当たった〜」


これが大学生と中学生の会話だろうか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ