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5話 闇の誘い

そろそろカンザキさんに本格的に関わってもらいましょう

 休憩のはずが休憩にならなかった……。


 疲れが一気に襲ってきたと捜査課に戻ってくると……。

 

 ざわざわざわざわ


「……?」

 何だこのざわざわ感。事件でも起きたか。


「神崎っ!! お前。異能課(保育所)に引き抜かれそうになったというのはホントかっ!!」

 何で知ってんだ?


「上田が見たって⁉」

 上だというのは俺が教育した後輩だ。俺のお気に入りの休憩スペースも知っているとはいえ……。

(あとで締める)

 と決意してそちらを見ると。

『すんません』

 とアイコンタクトされる。


「話は来ましたけど、断りましたよ……」

 と下手な噂がたったら面倒だと告げると。


「まあ、そうだよな。――それにしても、異能課に実際行くとなったら調べてもらいたい事もあったけどな」

「………………どっちなんですか」

 まあ、行きませんけど。


「まあ、純粋に。異能課は変な集団だよな」

「そうですね……」

 本来なら警察官を名乗れないはずの年齢の者が普通にいる。


「正規の試験を受けた者は近藤しかいない」

「近藤は受けたんですか……?」

 ってか、近藤というと二人いる。


 近藤智和と近藤学人。


「ああ。課長の方。近藤学人に関しては、近藤智和の養子としか情報がない」

「見元不確かな者は警察になれないという暗黙のルールがあったと思うんですけど……」

「――だからだよ」

 それを調べたくてもな。


 手段がないと呟く言葉に。


「かといって潜入捜査というわけにはいかないですしね」

 そう言葉を返しながら仕事を再開する。


 今、とある事件が以前もあったような気がして調べているのだ。――同一犯か模倣犯かも知れないという疑いを持って。

「あれっ?」

 資料が足りない。

「マジかよ……」

 資料室に取りに行くとするか。


「神崎?」

「資料室行ってくる」

 立ち上がり、休憩前に行ってきた資料室に戻る。


 子どもの連続誘拐事件――。

 良くある話だが、きな臭い。


 誘拐される基準は不明。

 だが、誘拐される時の方法は酷似しているから連続誘拐と判断した。


 資料室に入り、それ関連の資料を探す。

「えっと、確かこれ……」

 手を伸ばした瞬間。乱雑に置かれていた――まるで手入れをされてなかったのだ――その資料は床に落ちる。


 ばさっ


 埃が舞う。

 それで目と鼻が痛みを訴える。


「ったく。資料の整理ぐらいしとけよな……」

 文句を言いつつ、その落ちた資料に手を伸ばす。


 だが――。


「何だ、これ……?」

 それはかつて行われた誘拐事件の資料。


 伊藤春樹。伊藤由真。

 夫婦。


 ()()()()()


 そして、その数日後その夫婦。

 ()()()()()()()()()()()

 と書かれた捜査報告書。


 だが、その捜査は打ち切りと上から勧告されている。


「何だよ……これ……」

 その半年後。


 私立探偵が保護。

 その探偵の名は。


()()()()。助手、()()()()………」

 何で、ここに。あいつらの事が書かれているんだ。


「…………」

 だが、細かい記載はない。

 まるで、その資料が消されたように――。


「これだけ残っていたのも奇跡か……」

 だけど、これはいったいどういう事なんだろうか……。







 別の場所。

「――静姫」

 学人が静姫を呼ぶ。


「どうしたの?」

 静姫がパソコンを覗き込んでいる学人に近付いて声を掛けると。


()()()()()()()()()()調()()()()()()()

「…………………十中八九。カンザキさんじゃない?」

「ああ。そうだな」

 捜査課に来ている連続誘拐事件の事。


「俺らの管轄だ」

「そうだね」

 その二人の言葉は冷たい憎悪を含んだものを宿していた。

静姫が一番厄介なキャラです。多分

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