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聖夜の贈り物  作者: 青空晴夏、ataru、小倉秋奈、しゃーな (※敬称略)
3/4

家に帰ろう。 ≪家族≫

三つめは家族がテーマです。

↓どうぞ

 今日は12月22日。

「やっと学校終わったー!!」

「冬休みだねぇ。」

「ねぇねぇ、一緒に遊びに行かない?」

 そんな言葉が教室内を飛び交う。あぁ、にぎやかだな。まるで他人事のようにそれを聞いていた。


 私は初瀬川麻梨愛(はせがわまりあ)。普通の中学二年生だ。冬休みのことを考えていると、私の机のまわりにいつものメンバーが集まってきた。河石澄香(かわいしすみか)、勢登菜月(せとなつき)、戸雨有紀(とあまゆき)だ。

 休み時間。いつものように、わいわい話をしていた。

「やっと学校終わるねー。」

「てか、宿題多くない?」

 すると、澄香が言った。

「ねぇ、四人でクリパしない!?」

 みんなは大賛成だった。

「いいね!」

「ちょうど予定空いてるし。」

「いつやる?」

「いつがいいかなぁー?」

 盛り上がってきたところで、チャイムが鳴る。

「あっ、やばっ。」

「じゃあ、LIMEでまた話そー。」

「おっけー。」


 その夜、詳しいことをLIMEで決めた。澄香たちとはなすのはとても楽しかった。クリパは24日。

「おかあさん。私、24日友達とクリパ行ってくる。」

「いいよー。ご飯はどうするの?」

「…外寒いし、できたら家で食べる。」

「わかったわ。おやすみ。」

「うん。おやすみ。」

布団に入っても、わくわくしてその夜はなかなか眠れなかった。


 しかし。次の日のことだ。有紀からLIMEが来た。


有紀:ごめん。デート入っちゃった。

麻梨愛:まじか。てか、彼氏いたんだ。

有紀:うん…結構前から約束してたから、断れないの。ごめんね(´・ω・`)

麻梨愛:全然大丈夫よー。楽しんできて!


 まあ、一人ぬけるくらい大丈夫だろう。そう思っていたのだが、他の2人からも連絡が来た。


澄香:ごめん麻梨愛!彼氏できて、初デートになりました…(;’∀’)

菜月:私も!ほんとごめんね~(/_;)

麻梨愛:まじかぁ…じゃあクリパどうなるの!?

澄香:なしだねー。

麻梨愛:Oh…


 まさか、クリパが中止になるなんて。あんなに楽しみにしていたのに、と悲しくなる。クリパがあるからと他の予定も断ったのに。残念な気持ちでいっぱいだった。


 そして、悲しい24日。私は塾へ行ってから、そのままクリパに行くつもりだった。しかし、何も用事がなくなったので、一人で家へまっすぐ帰る。帰り道にすれ違うカップルを見ると、胸がチクリと痛む。

((私にも彼氏がいたらなぁ…))

 そう思い、はぁ、とため息をついた。


 時刻は午後4時半。

「ただいまー。」

 父は私のあいさつを無視して、本を読み続けている。母は私が早く帰ってきたことに驚いたのか、たくさん話しかけてきた。

「あれ?麻梨愛、おかえり。クリパ行くんじゃなかったの?」

「いや…」

「どうしたの?」

「…なくなった。」

「あらそう。なんで?」

「…知らないし。」

 そこに妹の由梨愛が入ってくる。

「お姉ちゃん、おかえりー!!」

「…ただいま。」

「あれー、どうしたの?」

「何でもいいでしょ。」

「あっ、もしかして!友だちみんな彼氏とデートで、クリパ中止とか?ww」

「…」

 なんでわかっちゃうんだろう。私をばかにしているの?これ以上踏み込まないでほしい。

「…もしかして、図星?」

「…っさい…」

「え?」

「麻梨愛?どうしたの?」


 もうやめてよ。


「うるさい!ほっといてよ!!」

 私は走って出て行った。もう、あんな場所にいたくない。私は振り返らずにただ、走った。

しばらくして、気持ちが落ち着いてきた。私は近くにあった公園のベンチに腰掛けた。

((最悪のクリスマスだ…))

 せっかくのクリスマスなのに、こんなことになってしまうなんて。楽しみにしていた気持ちがガラガラと崩れ落ちていった気がした。

「はぁ…」

 深くため息をついた。

「サンタなんていないんだよ…」

今はもう、前向きになんて考えられない。涙がこぼれ落ちそうになる。

「うっ…泣きたくなんか…ないのに…」

涙がこぼれないように、空を見上げた。まだ5時前だというのに、もう辺りは真っ暗だ。はっきりと一番星が見えた。


「お姉ちゃんっ!」

「ふぇっ!?」

 驚いて、変な声が出てしまった。後ろからひょっこり現れたのは、由莉愛だった。

「由梨愛か…」

「こんなところで何してるのー?」

「…別に。何も。てか、なんできたの。」

「べっつにー?なんとなくかなぁー。」

「…あっそ。」

 由梨愛はするどいから、すぐに心の内がばれてしまう。私はそっぽを向いた。

「ねぇねぇ。」

 由梨愛が話しかけてくる。なんでこんなに話しかけてくるのだろう。うざい、と思いながら無視した。

「お姉ちゃーん。無視しないでよー。」

 もう、由梨愛なんか…

「お姉ちゃん!」

「っ…何よ。」

 さすがにしつこいので話を聞いてやることにした。

「ねー。どうせ暇でしょ?ぼっちでしょ?」

「…そうだよ。」

 ふてくされた私を見て、由梨愛はクスッと笑った。そして、私の頬に何かをあててきた。

「っ!あったかい…」

「どーぞ。」

自販機で買ってきたらしいココアだった。いつもなら甘えてくる由梨愛なのに、今日は変だ。

「えっ…」

「かわいい妹のおごりだよー?ありがたく受け取りなさい!」

 由梨愛はにかっと笑って言った。私も今日くらいは、と甘えることにした。

「…ありがと。」

「いいえ。」


 二人で公園のベンチに座って、あたたかいココアを飲んだ。何も話していなかったけれど、なんだかとてもほっとした。

「ねぇ。」

「んー?」

「なんで由梨愛は私んとこに来たの?」

「んー…なんとなく、かな。」

「…あっそ。」


 ココアを飲み終わって、これからどうしようかと考えていた。勝手に出てきたわけだから、家に戻るのは少し気まずい…

「ねー。」

「んー?」

「家、帰ろ。」

「…うん。」

 由梨愛に手をひかれ、家へ向かう。

「ねぇ。なんで私を…私、いなくても別によくない?」

「んー。いや…」


「たまにはさ、家族そろうのもいいかなぁーって。」


 私は由梨愛の言葉に涙がこぼれた。おさえきれなかった。自分が必要とされていて、ここにいてもいいってわかって、とてもほっとした。何より、『家族だ』と言ってくれて、とても心があたたかかった。


 家に着き、ドアをあけると、奥からばたばたと足音が聞こえた。そして、母が出てきた。母は私を見て、安心したような顔をしていた。

「…ただいま。」

「ただいま!お母さん、お姉ちゃんが帰ってきたよー!」

「麻梨愛、ごめんねー。ちょっと深く聞きすぎたわ。」

「ううん。もういいよ。」

 私は母ににかっと笑って見せた。母と由梨愛は、それをみて、微笑んでいた。

 すると、奥からも声が聞こえた。

「麻梨愛。帰ってきているんだろう?早くしなさい。」

 父だった。めったに私に話しかけてこないのに、今日は変だ。それに、いつもより言葉がやわらかい。父の変化に私はクスッと笑ってしまった。

「由梨愛、麻梨愛、ご飯よ。手を洗ってきなさい。」

「はーい!」

「うん。」

 手を洗い、リビングへ行くと、おいしそうな料理がずらりと並んでいた。それに、ケーキも。

 父はまた話しかけてきた。

「おかえり、麻梨愛。」

「ただいま、お父さん。」

 たったそれだけの会話だったけれど、とてもあたたかい気持ちになった。

「全員そろったか?」

「うん!お腹すいたー。」

「麻梨愛、早くおいで!」

 三人は私に笑いかけてくれた。そのとき、私は思った。


サンタは最高のプレゼントをくれた、と。


 家族のあたたかさを感じた。私は一人じゃない。幸せだなと思った。


「おいしそう…」

「お姉ちゃん!食べよー。」

「…うん!」

「それじゃあ…」

「「「「いただきます!」」」」

 明るい声で、私たちの食卓は始まった。



―――――さぁ、私たちも家に帰ろう。

こちらの作者は…私、しゃーなでした!

ありがとうございました。

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