火曜日の昼下がり
そこで私たちは市街地をぶらぶら散歩することにした。賑やかな町と人々の声。だがユノと一緒にいるとそれだけで、まるで2人だけの世界に感じられる。そこではだれにも邪魔されないはず・・・だった。やはり、幸せな時間はいつまでも続くものじゃないと知らされた。
「なあ、ユノ、私がもし殺人犯だったらどうする?」
「なーにおかしなこと言ってんの。そんなわけないじゃない。ユタはいつだって優しくて、おおらかでわざと人を傷つけたりしないじゃない。それに人を殺すということの重大さぐらい、わかってるでしょ?」
「そうだな。そう言ってくれて嬉しいよ。殺人の定義、命を奪い、そこで誰かの人生におけるすべての可能性を奪う…か。幸せになれる可能性、不幸になる可能性すべてひっくるめて。そこには当人の意思など存在せず、強引に奪う…それで悲しみに暮れる者も出てくる。あってはならないことだな。」
「やっぱり、きちんと言えるじゃない。大丈夫よ」
「しかし、これをどこまで真に理解しているのだろうか…言葉だけ、上っ面だけなのかもしれない」
「大丈夫。ユタにそんな残酷なことできるわけないし、聞くだけでも耐えられないでしょ?」
「・・・そうなのかな」
ここまで話した時、私の視界の中に4人の見覚えのある人影が目に入った。それも出会ってあまり嬉しい類の人間ではなかった。ユノをいじめていたクラスメイトの女子と男子だ。奴らはユノを心身ともに痛めつけ、不登校においやった元凶だ。そんな奴らだ、周囲のことなどお構いなしで馬鹿笑いをしながらこちらへ向かってくる。ユノが気付かないうちに他の場所に移ろうとも考えたが奴らはこちらに気付いたようだ。
「あー。あいつ高神じゃね?あの転校した。」
「マジやん。しかも服だっせえwww」
「幸崎はともかく、ぶりっ子でダサいとかホント救いようがないよな」
「頭悪いしウザすぎーwキモイーwww」
「まだこの町にいたんだーw」
ユノにキモイだのウザいだの連発するんじゃない!!と怒りがふつふつとこみあげてきた矢先、意識がだんだん遠くなってきた。
ここまで読んでくださりありがとうございます。第13話いかがでしたでしょうか。
いよいよ、次回は炯君の出番です。彼には盛大に暴れてもらいましょう。
それではまた次回もよろしくお願いいたします。




