火曜日の昼ご飯
今回、二人がデートに出かけます。その中で作者初の食レポが入りました。おいしそうに表現できたかは別として。
それでは、本編を楽しみください。
この30分後、私たちはユノの家の前で合流した。平日なのでどの店もすいているが私はお気に入りのカフェ、「Suite.」を目指した。
「ねぇー、おなかすいたよー、ユター?どこまで行くの?」
「もうすぐ着くから大丈夫だ。『Suite.』って店だが行ったことあるか?」
「ない。どこにあるのその店?」
そういうユノには申し訳ないと思っている。自転車を家に置き、制服から着替え、準備するのに時間がかかってしまいこんな時間になっている。さっきから腹の虫もグーグー言っている。
ユノがうだうだ言いつつも5分ほどでカフェについた。そのカフェは温和そうな初老の女性のオーナーが一人で切り盛りしている店だ。私も課題に行き詰まった時たまに来て作業をしている。シックな調度品とジャズミュージックが流れる落ち着いた店内だ。
ここでユノがセルフサービスのお冷を持ってきてくれた。どこまでも気の利く優しい子である。ユノは初めて来た店のはずなのに、どっからその気遣いと行動力は湧いてくるんだ。まことに不思議で仕方ない。
「ありがとう。ユノ。そういえば、ここの店、ランチがすっごく安いんだ。」
「へえー。どれがおすすめなの?」
「この『学生オムライス』かな。ランチ限定で500円。ボリュームとしても文句なし。私が昼時に来たらこれを頼むことにしている。」
「じゃあ、私もそれにする!すみませーん!学生オムライス2つくださーい!!」
食に関することとなるとユノは行動力がすさまじい。声がでかい。普通なら恥ずかしくて止めてやるところだが、幸い客は私とユノしかいなかった。それに可愛いから許す。
「そういえばユタ、あの事件、何か進展あったのかな?」
「さあな。テレビでも盛んに報道合戦が始まったようだが。確か、学校の帰りにテレビ局の車を数台見たような見なかったような・・・でもさ、ニュース見てても犯人の形跡すらつかめないってどういうことなんだろうな。」
「さあ・・・?ユタがわからないなら私だってわからないよ。」
「そしてユノ、その事件があったってわかってるなら散歩するなよ。あんたすぐ迷子になるだろうが。」
「だって外に出たくなっちゃうんだもん!それに迷子じゃないし!自分の知らない場所を歩いてるってワクワクしない?」
「そこがよくわかんねーんだよ。犯人に遭遇したら危ないだろ?通り魔なんか相手はお構いなしなんだから。」
「はいはい・・・wそういうユタも女子会に誘っちゃって、大丈夫なの?」
「・・・それを言われてしまったらおしまいだな。まあ、誰にも邪魔されないで話したかったからこんなことしてるんだがなw」
そうこう話しているうちにオムライスが来た。皿いっぱいに盛られたオムライス。ふわっふわの卵に包まれたチキンライス。この店の名物だ。口の中に広がる濃厚な味。至福のひと時。この味で500円(税込)とはマジですごい。
「おいしーね!!!こんなおいしいご飯が食べられるところ初めて来た!!!ユタ、紹介してくれてありがとう!!!」
「ああ…それはよかった。それとユノ。声がでかい。やかましい。耳が痛い。」
「ごめんなさーいw」
おちゃめな謝り方もかわいい。こんな風にユノと話しながらおいしいものを食べて他愛のないおしゃべりをして過ごす時間。この周囲の時間が止まってしまえばいいのにと何度思ったことか。家に帰れば現実が待っているだけ。神がもしこの世に存在するのであればこの時間を永遠にしてほしい。いや、「してください」と言うべきか。
「ごちそーさま!!」
もうユノがオムライスを平らげてしまっていた。あれだけあったのに。彼女の細い体の一体どこに入っているのだろうと疑いたくなる。私も急いで食べ終え、会計を済ませて店を出た。
実においしかった…と余韻に浸っているとユノが話しかけてきた。
「ねえ、これからまだ昼過ぎだし散歩しない?」
「言ってるそばから…まあいいや。行こう。」
「出発だー!」
そうして私たちはまた当てもなく歩き始めた。
ここまで読んでくださり皆様ありがとうございます!!!毎度感謝しております。
第12話はいかがでしたでしょうか。カフェの名前は適当につけました。二人のデートはまだまだ続きます。次回の投稿はいつになるかわかりませんがよろしくお願いいたします。




