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愛のカード

作者: 早川 奏一
掲載日:2026/02/11

「さあ、最後の戦いとなりました。これに勝つことが出来たら最大100億という賞金を獲得できます。では最後のゲームです。最後のゲームは代償ゲームです。あなたは31枚のカードがあります。このカードを使い敵を倒します。敵は四体です。このゲームで重要なのはこの31枚のカードです。このカードはあなたの人生でとても大切なものです。例えば、視力、聴力、味覚、嗅覚、などです。しかしそれ以外にも友達との記憶、家族との記憶などです。しかし、お金によってこの大切なもののかわりになります。お金は1億ごとに1のダメージを与えることが出来ます。もしクリアできなかった場合。ダメージのために使ったお金、大切なものは全て没収され、100億も得られません。」


俺は気づいていた。

この金があれば人生を変えることが出来る。

行きたかった場所にも行ける。

食べたかったものも食べれる。


ただ、大切なものを失うのも怖い。

だから、お金をつかう。

どんなことがあっても大切なものは失わない。


「では、第一ラウンドです。最初の敵のは10です。何を使いますか。」


ここは安パイに10億だ。

10億くらい減ったとてそんな傷にもならない。


「10億を使わせてもらう。」


俺は、そう答えた。


「よろしいですか、では、最初のステージクリアです。」


よし、問題はない。

これ以上もらえるのだから


「では第二ラウンドですの10の体力を持つ敵が出てきました。何を使いますか。」


ここも安パイに10億だ。


「10億を使わしてもらう。」


俺は、そう答えた。


「よろしいでしょうか、では、第二ステージクリアです。」


良しこれなら何も失わずにお金を得れる。


そう思った矢先。


「では、第三ステージです。敵の体力は30です。」


急に上げてきた。

待てそうなると第四ステージではどれほどの体力を持つ敵がいるんだ。

いや、もう20億もつかったんだ背に腹は代えられない。


「30億使わせてもらう。」


そうだ、これでいい。

出題者の意に乗っかって20億失うなんて御免だ。


「よろしいでしょうか、では、第三ステージクリアです。」


次だ、次はいくつだ。


「最終ラウンドの敵の体力は100です。」


まずいここまで上げてくるか。

100億なんて使えないぞ。

50億の借金だ。

人生詰んでる。


どうしよう。

そうだ代償としてましなカードはないか。


視力50ダメージ 聴力30ダメージ 嗅覚10ダメージ 嗅覚だったらいいか鼻炎の人もいるくらいだし。

「ではまず嗅覚を使う。」


「わかりました。これで残り敵の体力90です。」


いや、やっぱり嗅覚では弱いよな。


なんかないか


三大欲求?こんなものもあるのか


食欲150ダメージ 睡眠欲300ダメージ 性欲20ダメージ


性欲くらいならいいだろ。


「性欲を使わしてもらう。」


「わかりました。これで残り70ダメージです。」


よし、性欲が意外とダメージあったのは大きい。


あと70だろ。


その時思い出についての項目があった


「思い出か~」


俺には思い出という思い出が何もない。


だって、誰にも愛されたことがなく。

そして、罵倒され続けたんだから。


それを示すかのようにカードはほとんどなかった。


そんなことを考えているときだった一枚のカードがあった。


何だこのカードは、愛…


このカードにはこう書かれていた。


「このカードを出した時点であなたは勝利する。」


愛か、愛って何だろうそんなもの俺に与えた人なんていなかったよな。

いつもいじめてきたし、いつも罵倒してきたりして。


「いらないな。これ、」


そうしてこのカードを捨てた。


「おっと、このカードを捨てるものが現れましたか。愛のカードです。おめでとうございます。あなたの勝利です。」


勝利したか。

結局失ったものは、嗅覚と性欲くらいだ。


これで50億なら大きい。


そうして、俺は帰路についた。










そのゲームを終えた20日後彼は自殺した。


私は彼が死ぬということは予想がついていた。

あの愛のカードを出した時から。


あのカードだけは禁忌だ。

腎臓損失、植物状態などやばいカードはあったがこのカードはそんなもんじゃない。


感情の意味すら失う。

自分を傷つけても何にも思わなくなる。

他者が物のように見える。


いや、これだけならまだいい。

一番恐ろしいのは自分のアイデンティティを失うのだ。

これは人間の生きる意味に直結する。

何で、人は生きるのか、それは自分が生きる意味があるからだ。


だってそうだろ、自殺したり他殺したりする人のほとんどが、自分に価値がないと思っている。だから、自分を、誇示するために他殺。そんな現実から逃げるために自殺するんだ。


ああ、そうだ愛と何が関係あるかって。

じゃあ逆に問いたい

愛がない人間に自分のアイデンティティが持てると思うか?


彼は、人は愛していなくても最低限自分は愛してたのだろう。

その自分さえ愛せなくなって自殺したんだ。

ほんとこのゲームに愛のカード入れてよかった。


ああ、私、私はね。

このゲームを作った主催者だよ。


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