花言葉 黒薔薇編
前回の「花言葉」(桜編)とはまた別物です。
白夜は澄晴じゃないし夜花は咲良じゃないからね?(圧)
『ねーねー、白夜』
それまでしていた雑談を止めて、夜花が俺を呼ぶ。
つい1年前には慣れないな、と思っていたはずの白夜という呼び名も、すっかり定着していた。
『どうした?夜花』
『よか、来週誕生日なのー!だからオフ会しよー!』
相変わらずいきなりだなと思いつつも、オフ会ということは土日だろうか、などと考える。
そして、次の土日のスケジュールを思い出す。
『わかった。次の土日…20と21は両方都合つくけど、夜花はどっちがいい?』
本当は21は夜遅くにバイトのシフトがあるが、そんな時間まで会うことはない。
だから、別に言わなくてもいいだろう、と思った。
『んーとね、よか21行けないや。20ならいけるーっ!』
21はリア友とお出かけなの〜、という夜花。
こういう奴がリア充やら陽キャやらという人種なのかな、と思う。
『じゃあ20だな。場所はいつもの所でいいよな?』
20ならまだましな方かな、と思いながら、どっちもどっちかな、と思い直す。
けれど、なんとなくマシな気がした。
『うん!楽しみにしてるね!』
そういう夜花は、画面越しでもわかるくらい明るくて。
思わず、目を細めた。
その後、話す話題もない俺たちは、黙っていた。
どちらからともかく話し出す、なんてこともなく、気まずいまま、通話を切った。
夜花との通話を終えた後、すぐにショッピングアプリを開いて、とあるものをカートに入れた。
なんでここまでしちゃうんだろうな、という思いと共に。
本当にこれでいいのかな、と思いながらも、購入ボタンに触れる。
購入ありがとうございます、という簡素なテキストと共に、静寂が訪れる。
不安になる感情を無理やり丸め込んで、これでいいんだ、ということにした。
そして待ちに待った、オフ会当日。
駅前で合流した夜花は、前に会ったときから何も変わっていないように見えた。
「おまたせ〜、待たせちゃった?」
そう言った夜花は少し息を切らしていて、早足で来たことが伝わってきた。
「全然。俺も今来たとこだし」
そう口では言いながらも、10分以上前から待っていたことは内緒にしておく。
徒歩2、3分のカフェまで、早いとは言えない速度で進んでいく。
「そういや何頼む?」
今日くらい奢るよ、という言葉を添えて、夜花に送る。
「んー、何にしようかなぁ…?夜花、あんまりメニュー覚えてないしなー」
決められない、といったような目で、俺に助けを求めてくる。
「俺も。いつもカフェオレしか頼まないからわかんねーわ」
他の奴らに、たまには別のもの頼めば?と言われるものの、それでも変えられない固定メニュー。
「ケーキでも頼むか?誕生日祝いらしく」
そう言ったはいいものの、夜花は昨日も誕生日パーティーだったんだからその時食べたよな、と思い出し、その発言を取り消そうとした。
その瞬間、俺より先に夜花が口を開いた。
「え、いーの?!」
じゃあ食べよ〜っと、なんて言っている夜花は、満面の笑みを浮かべていた。
そんなことを言っていたものの、結局俺達が行ったカフェには夜花の食べたいケーキはなくて。
代わりに、タルトを頼んだ。
タルトを美味しそうに食べている夜花は、心の底から幸せそうで。
思わず目を細めてしまうほど眩しかった。
その後、なんやかんやと30分くらい雑談を重ねた後、ふと鞄に仕舞われたままの物の存在を思い出す。
「話変わるんだけどさ。誕生日プレゼント、用意したんだけど…いる?」
ぎこちなくなってしまって申し訳ないなと思いつつ、夜花の反応を待つ。
「え、用意してくれたの?ありがとう、もし良ければもらいたいな」
そう言ってもらえて、少し気が抜けた俺は、誕生日プレゼントを取り出す。
「見た目だけ見ると縁起悪そうに見えるかもしれないけど、悪い意味だけじゃない、から」
そう言って、夜花の前に黒い薔薇を差し出す。
しばらくの間、沈黙が流れる。
やがて、夜花が俺の手から花のアレンジメントを手に取る。
「ありがとう、大事にするね」
その言葉だけで、もう十分だと思えた。
楽しい時間はあっという間に終わりを告げて、時刻は夕方になった。
「じゃあ、またね。」
その言葉を互いに送り合って、それぞれ違う方向の帰路についた。
帰宅途中、電車から降りて音楽でもかけようかな、と思い、スマホとイヤホンを取り出したとき、ピコン、という音と共に液晶が光った。
光ったスマホのバナーから見えたのは「ごめんなさい」という言葉だけ。
その言葉が、何故かはわからないけれどとてつもなく怖くて、なんやかんやと理由をつけて、2時間くらい放置していた。
いつもなら絶対放置しない、夜花からのメッセージを。
けれど、理由にしていた課題も尽き、ついにそのメッセージを開かない理由もなくなってしまって。
開こうとして、やめて。
そんなことを繰り返していた。
落ち着かないまま、5分、10分と時間が過ぎていって。
時計の針が半分程度回ったあたりでついに、そのメッセージを見てしまった。
開かれたメッセージに残された文章。
『ごめんなさい。もう、貴方とはいられないや』
最初の一文しか見ていないはずなのに、鼻がツン、と痛くなって。
机には、水たまりが出来ていた。
「ごめんなさいを言いたいのは、こっちだよ…ばか」
自分が元いた場所から、しばらく動けなかった。
あけおめことよろ!
あ、初めましての人は初めまして!如月です!
今日頑張ったんです!スランプになりながら頑張ったんで!
まじ褒めて?笑
というためだけに作られた短編でした
好評でしたら花言葉第3弾もやりますので!
続編希望の方はなんか向いてそうな花とかあったら教えてください!
ではまたっ!!
もし良ければ花言葉 桜編(旧:花言葉)も読んでください!私が喜びます笑
んじゃまた〜




