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静かな恋愛~朝にしか会えない君と~  作者: アオ


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#1 電車の中で……

皆さん、こんにちは!アオです!

本日から新しい連載ものがスタートします!

もちろん毎日更新していくつもりですのでよろしくお願いします!

それでは「静かな恋愛~朝にしか会えない君と~ 」をどうぞ!

俺「っ……好きです!付き合ってください」

長年秘めていたこの想いを俺は今好きな人にぶつけた……

好きな人「……ごめんなさい、(りょう)君とは付き合えないです」

俺「っ……そっか、まあ高校行ってもお互い頑張ろうな」

好きな人「うん、でも気持ちはすごくうれしい。ありがとう」

そう言って俺の好きな人は去って行った……


小林凌(こばやしりょう)、中学三年生の最後の三月で失恋だ。

まさに最初は一目ぼれから始まってだんだんと近づきたくて

たまらなかった……でもこんな結果になるなんてな~。

そんなことを思いながら夕日が照らす道をトボトボと歩いて帰った。


帰ってからも何もやる気力が起きない……来週からは高校生だと言うのに。

いやむしろこれで振られてよかったのかもしれない。

好きな人とは別の高校だしこれで気まずくならないのであればいいか。

いや!そんなことで納得できるわけないだろう!

そう思って俺はお気に入りの歌手の失恋ソングを流し始める。

こうやって音楽を聴いているときが俺にとっては一番落ち着く……


この歌手がマイナーなため周りに知っている人はあまりいない。

だからこそ秘密基地のようなわくわく感とともに歌われている

恋愛模様が好きでこの歌手にはまったのだ。

……まさかこの失恋ソングに共感する日が再び来ることになるなんてな。

ベッドで横になりながら聞いていると自然と涙がぽつりぽつりとこぼれる。


母「凌、ごはんよ~!」

それから何十分なのか何時間なのか経つとリビングから母の声がする。

それに気が付いて俺はスマホの時計を見る……あれから二時間も経ってる。

若干目が腫れているがこの程度、何にも問題がないだろう。


それから一週間後……気持ちは別に吹っ切れたわけではないけど

なんとかメンタルは持ち直しつつある今日この頃。

そして今日からはとうとう高校生活の幕開けだ。

高校に行けば何か変わるかもしれない。

そう思いながら若干ぶかぶかの制服に身を包んで家を出る。


最寄り駅に着き電車に乗る。電車で約三十分……そこそこ遠いのだ。

……イヤホンを差してお気に入りの音楽、ではなくずっと聴いている

失恋ソングを再び流し始める。俺って結構、過去のこととか

引きずってしまうタイプなのかななんて思いながら窓にもたれかかる。


車内は通勤・通学の人でそこそこ多かったが満席とまではいかなかった。

そりゃあ地方路線だからあまり使われないのも無理がない。

やば、失恋ソングを聞いているとまた涙が出てきそう……

すると電車はだんだんと速度を落として駅に到着する。

学校までまだ二十分か……それまでに気持ちを切り替えないと!


すると隣に同じ年いや一つか二つくらい年上の女子高校生が座る。

たまたまスマホが見えてそこにはよく知っている画面が写っていた。

俺「えっ!?その歌手知ってるんですか!?」

車内だというのに俺は思わず大きな声で言ってしまう。

周りからの視線が痛し、何よりその人は目を丸くしていた。

俺「あっ……いや、すみません。なんでもないです」


ああ、穴があったら入りたいっていうのはこういう気分なのか。

するとその人が俺の肩をたたいてメモ帳に書いた文章を見せてくる。

「うんこの人の曲めちゃくちゃ好きで何回も聞いてるの!

 もしかして君もこの人を知ってるの?」

俺「はい、そうなんですよ。でもなんでこんなメモ帳に?」

場所をわきまえて俺は小さな声で質問する。


まさか話に乗ってくれるなんて思ってもいなかったがその人は

スラスラと鉛筆で文章を書き進めて俺に見せてくる。

「実は生まれつき話せないからいつもはこうやって会話してるの」

俺「へぇ~、なんかいろいろと大変ですね……」

「まあ慣れちゃえば簡単だけどね。というかこの人の曲知ってる人と

 はじめてあったかも。友達に進めても全然聞いてくれないし」


俺「俺も初めて会いましたよ。周りに聞いている人全然いなくて」

俺がそう話しているとその人は俺にメモ帳と鉛筆を出してくる。

「さすがに一人で話してると変だからこっちの方がいいと思うけど」

確かに!俺は二つを受け取って電車の揺れで変形したミミズのような

文字で文章を書く……我ながらかなり下手だな……


「そうですね、ありがとうございます」

ミミズのような俺の文字を見てかその人は笑っているような表情を見せ

「めちゃくちゃ字がぐにゃぐにゃだね」

俺「し……仕方ないじゃないですか!結構揺れるんですから」

思わず声に出してそう言ってしまう。

それに対してその人は面白かったのか笑っている。

声には出てない笑いだけど、その笑いの顔は誰にも負けないくらいに感じた。


「そういえば君の名前、なんて言うの?」

「高一の小林凌です。呼び方はなんでもいいですよ。そっちは?」

「高二の大野宮亜紀だよ、よろしく。もしかして今日は入学式?」

「はいそうです。高校生活がここから始まります」

「一年前、私もそんな感じでドキドキしてたな~」


すると駅の到着を知らせるチャイムがなる。

俺はペコリとお辞儀をして電車から去った。

読んでいただきありがとうございました!

ブックマークや評価を付けてくださるとうれしいです!

それでは次回お会いしましょう!アオでした~!

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