4※リーフ視点
しばらく見なかったトールの姿をギルドなどで頻繁に見るようになり、リーフは安堵した。
パーティーから離脱させて以来、行方がわからなかったので心配していたのだが、どうやら新しいパーティに加わることが出来たようだ。
(トールは良い縁に恵まれたんだな)
和気あいあいとしていて、関係も良好みたいだ。どんなパーティに入るのか気になっていたが、これなら心配をしなくても良いかもしれない。
仲間はトールを獣人だというだけで蔑むが、リーフはトールを友人だと思っていた。
(しかし、獣人のパーティか。めずらしいな)
なかなか癖の強そうなメンバーだった。
特に目を引くのは、筋肉隆々な大男だ。上半身は裸で、入れ墨をしており、獣人であることを隠しもしていなかった。
それだけに、威風堂々としていて、風格があった。
(少なくとも俺より遥かに格上だろう)
だがそれは何よりも心強いことだった。荷物持ちは危険度が低いように思えて、いつ死ぬかもわからない役目だ。
パーティーのメンバーが手練れであれば生存確率も上がるだろう。
(またいっしょに酒を飲める日が来るといいな)
そう思っていたのが数分前だ。
「おい、お前。俺の弟が世話になったらしいな」
(ーー終わった)
そう思っても仕方がないだろう。男は据わった目つきでリーフの前の席に座ったのだ。
(弟? 全然似てないけど、トールの兄弟なのか?)
トールに兄弟がいることなんて、聞いたことがない。
だいぶ年が離れているように見えるし、性格も好戦的で今にも噛みついてきそうだ。
どのパーティでも、この男を荷物持ちなんかにはしないだろう。
冒険者は、複雑な家庭環境に身を置いている者も多い。故に、出自を探ることはタブー視されている。
(トールは、とんでもないパーティに入ったな)
リーフは緊張の面持ちで、男と対峙したが、数分後、「トールと友人らしいな! いつもトールの手紙にはお前のことが書いてあったぞ! トールの友人は俺の友人だ! 仲良くしようぜ!!」と言った。
(そっちの意味なの!? 心臓に悪いよ!!)
リーフはガハハと笑うウルドから高い酒をおごってもらったが、緊張しすぎて、飲んだ気がしなかった。




