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04.再会


「ただいま!」 


家に戻った私とジーノ、そして猫のリオ。

血だらけの猫を抱いた私を見て驚く、ハルマとフィーロ。


「ぐす…ぐすっ…。お願い。助けてあげて…。」涙ぐみながら言う私。

「一体、何があったんだ?」とハルマが聞く。

「エレニのリボンが風に飛ばされて追いかけたら、

 森の近くにコイツが倒れてたんだ。」

「まぁ!森の近くまで行ったの!?」

「ご…ごめんなさい。でも、どうしてもこの猫を助けたくて…」

「水を汲んでくるわ。」そう言ってフィーロは井戸に向かった。


 苦しそうにしながらも、語りかけるリオ。

「ありがとう…。君はもしかして、ママなのか…?」

「やっぱりそうなのね!リオなんだね!

 でも、話しが出来るなんてビックリだよ」

「あなたには、これで2度も助けられましたね」

「また、会えて良かった…。本当に良かった。早く治るといいね」


 そう言って、傷口にそっと触れながら

 祈るようにして傷が癒えるようイメージした。

 すると、柔らかい光に傷口が包まれ徐々に血が止まり

 ゆっくりと傷口が塞がっていく。


 え・・・・?


 その様子を見ていた、ハルマとジーノが驚く。


「い、今のは魔法か?」

「エレニ、魔法が使えるの?」

「え…と…。今日はじめて、

 魔法が使えるのがわかって自分でも良くわからないの」

「そうか、お前は赤ん坊の頃から妖精がいたしな。おかしい事ではないさ。」


 井戸から水を汲んできたフィーロが戻る。


「さぁ、傷を見せてちょうだい。」

 そう言って、血で汚れた部分を拭いていく。


「あら?血も止まってるし傷が塞がっているわ…。」

「あぁ、そうなんだ。実は、今エレニが魔法で治したんだよ。」

「エレニが?」

「まだ、エレニも今日はじめて魔法が使える事がわかったらしいんだ。」

「まぁ…。それで、さっき遊びに行く前に魔法の事聞いてきたのね。」

「うん…。隠しててごめんなさい。」

「いいのよ。何も悪い事じゃないのよ。」

「そうだ、素晴らしい事じゃないか。」

「でも、まだちゃんと使えるわけじゃないの。だから練習しないとダメかも。」

「わかった、それはこれから少しずつ考えていこう。」


窓の外から、夕日が差してくる。


「オレ、そろそろ帰らないと。」

「ジーノ、今日は色々ありがとうね。また、おいで」

「うん、それじゃ」


そう言って家を出て行ったジーノを追いかける。


「待って!ジーノ…。今日は、本当にありがとう。」

「いや、オレは何も。もしかして、あの魔物倒した時の雷も魔法なのか?」

「うん・・・。」

「そっか、魔法ってすげーな!」

「えへへ。」

「でも、練習だってひとりでするなよ。危ないからな。」

「うん、わかった!」

「おぅ!それじゃ、またな!」


そう言って、ジーノは家へ帰って行った。

私は、家の中に戻りベッドにいるリオのところへ行く。


リオは、傷が治ったせいか穏やかな顔をしていた。

「ママは、今はエリニって呼ばれているんですね。」

「うん、新しい名前だね。」

「では、エリニ様と呼ばせてもらいますね。」

「ええ?エリニでいいよ…。」

「いいえ、私の主様です。ですからエリニ様と呼ばせてください。」

「わかったわ。」


 なんだかリオと会話できるなんて変な感じ。

 でも、猫だったリオと今こうして会話できるのはとても嬉しかった。


「エリニ様は、なぜすぐに私だとわかったのですか?」

「だって、茶トラで尻尾が土筆のように縞模様だったから…。」

「そうでしたか。」

「リオは、どうしてあの森にいたの?」

「私は、この世界に来たら妖精のケット・シーになっていました。」

「ケット・シー?」

「はい。ケット・シーの国があり、そこからエリニ様とレイ様を探しに旅をしていました。」

「それで、あの森に?」

「そうです。街へ向かおうと森を抜けようとしたところ魔物に襲われてしまいました。」

「ひとりで、旅するなんて無茶だよ…。」

「ところで、リン様はご一緒ではないのですか?」

「実は、私がこの世界に来た時は赤ちゃんで、その時に一緒にいた妖精がいるの。」

「では、その妖精がレイ様なのですか?」

「たぶん・・・・。実は、確証がないの。

 この妖精は見つかった時からずっと眠ったままで、まだ眠りから覚めてないの。」

「そうでしたか。」

「でも、何か方法があると思う。だから今は力をつけて絶対に助けて見せる!」

「そうですね!私もお手伝いさせていただきます。」











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