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03.魔物と遭遇


 ジーノは、草原の真ん中に立っている木からすこし離れ、木の幹に向かって小石を両手で交互に当てる。

 その命中ぶりは見事で、しっかり真ん中の同じ場所に当っている。


「ジーノすごい!ちゃんと同じところに当っている!」

「まぁな!いつも練習してるからさ。」

「ふーん」

「お前もやってみるか?」

「うん!やってみたい!」


 そう言って、私も小石を拾い木の幹に向かって投げてみる。

 小石は、しっかり真ん中に命中!しかしジーノのように利き手じゃないほうは当たらない。


「やっぱり、利き手じゃないほうは当たらないや…。」


 その時、風が吹くと同時にエレニの髪に結わえてたリボンが解けて飛んでいく。


「あっ!」


 慌ててリボンを追いかける二人…。

 夢中になって走り、気が付けば森の入口に来ていた。


「ジーノ待って!」息を切らしながら呼び止める。

 ジーノは、森の入り口のところで立ち止まる。

「このまま、森の奥行ったら魔物が出ちゃうよ。」

「シッ!」そう言ってジーノは私の口を塞ぎ小声で言った。

「何か居る。」

 目を凝らしてよく見ると、森の入り口の木の根元に獣人のような何かが血を流して横たわっている。

「魔物にやられたのかな?」とジーノに聞く。

「そうかもしれないけど、あいつも魔物かもしれないぞ。」

「私にはそうは見えないけどなぁ…。」と、恐る恐る近づく。

「おい、エレニ!戻れ!危ないって!」

 よく見ると、それは猫だった。

 しかも、ペットで飼ってたリオにそっくり!


「リ、リオ・・・・・?」恐る恐る声を掛けてみる。


横たわっていた猫が、目を細めて見つめる。


「な、なぜ・・・私の名前を知っている・・・?」

「本当にリオなの?ひどいケガをしてる。手当しなきゃ…。」

「ダメだ、近寄るなあいつが来る。」

「あいつ?」

「エレニ!危ない!!」とジーノが叫んだ。

私が頭を上げると、オオカミのような魔物が近寄ってくるのが見える。


まずい!!このままだと、私もリオも殺られる!

「エレニ!早く戻れ!」

「リオをこのままにして、置いて行けない!」そう言って、立ち上がる。


不安のほうが99%あるけれど、いちかばちかやるしかない!

心を落ち着かせ、オオカミのような魔物に向かい立ち、頭の中で雷をイメージし手をかざす。


バリバリバリバリ!!!


一瞬で、オオカミのような魔物は、倒れた。

「ふぇぇぇぇ・・・・・。」そのままへたり込む。


「エ、エレニ…?」

ジーノは、何が起こったのか理解できなかった。

「エレニ、無事か?」

「ジーノ・・・・怖かったー。」と泣きついた。

「一体、何が起こったんだよ…。」

「私は、大丈夫だからリオを連れて家まで帰ろう。」

「お、おう…。」


そう言って、2人はリオを連れて家まで戻るのであった。





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