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シングルマザーが転生した冒険者は女神様でした!  作者: 珠々菜
冒険者ギルド編

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09話 冥界の番犬オルトロス

私たちは、モンスターウルフの群れが潜むという岩場に到着した。

近くに川が流れ、岩がごつごつと転がっている。


「転移魔法すごいな!めちゃくちゃ便利!」

「えへへ」

「帰りも、これで帰るんだろ?」

「もちろん!」

「助かるー!」

「まずは、防御魔法かけておくね」


私は、杖を振り3人に防御魔法を展開した。


「ここから先は、慎重に進みましょう」


ジーノが先導し大きな岩を避けつつゆっくり進む。

背の高いジーノの後ろ姿を見ながら、改めて彼の成長ぶりを感じた。

茶色の髪が太陽の光で透けて見え、ゴツゴツとした骨ばった手は一人前の冒険者の証だ。


最初の岩陰のところに、モンスターウルフが4匹。


「ウーッ」唸り声が響く。


ジーノがナイフを投げ、2匹目を撃破。

シュッ!シュッ!!

「キャイン!」

見事に命中し2匹が倒れる。

他の2匹が襲いかかる。リオは素早くレイピアを振るい、急所を一閃(いっせん)

私も、杖を構え雷魔法で残りを撃破。

ズドーン!!!!!


「ふぅ」

「まだ、居そうだな」

「ゆっくり前に進みましょう」


さらにゆっくりと、岩を避けて歩いていく。

大きな岩を4つほど避けてきたところに、また3匹。

こちらが気づくのと同時に、気づかれた!!


私は、雷の雨をイメージして魔法を放つ。

ドーン!!ドーン!!ドーン!!!


3匹とも、あっけなく倒れた。


「これで終わりか?」

「そうですね」

「意外と早く済んだね!」

「それじゃ、戦利品回収して戻ろう」


ちょっと、グロテスクだけど皮、肉、牙、魔石を分別して回収する。

分別は、私の魔法でやればあっという間。

依頼を受けるようになって、杖を買った魔道具屋で魔法バッグを買っておいたので、それに入れてしまえば持ち運びも簡単だった。


「よし、これで完了~!みんな、集まって!」

と、転移魔法をかけようとした時に背後から大きな影のような気配がする。


「エレニ様!!!!!」

「エレニ!!!!」


後ろを振り返ると、2つ首のある大きなオオカミのような魔物が立ちはだかっていた。

「うわっ!!」

石につまづき転ぶ……。まずい!!!!


シャキーン!!!

「グオオオオオオオオオ!!!!」


殺される!!と思った瞬間、上空からペガサスに乗った騎士が襲撃。

私は、立ち上がり騎士に向かって防御魔法を放つ。


「冥界の番犬オルトロスが、なんでこんなところに……」

「オルトロスって、Sランクの魔物じゃねーか」

リオもジーノも驚きを隠せなかった。


「加勢してあげて!!」


私は、騎士が攻撃している頭と反対の頭に向かって雷の魔法を放った。


ズドーン!!!!!

「ガオオオオオオオオオ!!!」


雷が苦手なのか、ダメージは与えている様子だった。

リオとジーノも応戦する。


「くっ!!!こいつの、尻尾が竜だぜ……」


「シャーーーーーー!!!」

竜の頭ついた尻尾はうねうねと動きながら噛みつくような姿勢だった。


「ジーノ、尻尾の目をナイフで攻撃して!」

「まかせろ!!」


ジーノが投げたナイフが尻尾である竜の目に一寸の狂いもなく命中する。

その隙に、リオが尻尾を尻尾を切り落とす。


「グオオオオオオオオオ!!!!」


とてつもない叫び声だが、耳を塞いでいる余裕はない。

私は、両手を上げ大きな雷のボールのような物をイメージしオルトロスの頭に向けて放った。

そして、オルトロスに当ったと同時に手を叩き合わせると大きな衝撃破が起こった。


ドオオオオオオオオン!!!!


オルトロスの片首を衝撃と雷で切り落とした。

そして、もう片方の首を騎士が切り落とした。


ドッターーーーーーーーン!!!!


首も尻尾も切り倒された胴体は倒れた。


「はぁーーーーーーーー」

「ハァハァ……」

「お疲れさまでした……」


倒したとはいえ、心臓がバクバクし手は震えていた。

リオもジーノも、疲労してぐったりした様子だった。

そこへ、真っ白いペ…サスに乗ってた騎士が地上に降り立った。

鎧も盾も白銀で、彼は背が高く白銀の髪は短く、瞳は透き通るような碧眼をしており

誰もが振り返りそうなイケメンだった。

(白馬の王子って、こういうのを言うんだろうな……)


「君たち、大丈夫か?」

「はい、おかげで助かりました。ありがとうございます。」

「すまなかった、本来なら聖騎士達で片づけなければならなかった魔物なのに一緒に戦わせてしまって。俺も、偵察だけのつもりだったんだが襲われそうだったから手を出してしまって…正直助かったよ。」

「あれを、一人で倒すには流石にきつそうだったしな」

「お礼をしなければならないのは、こちらのほうで……」

「私の名は、アイアスだ」

「私は、エレニ」

「俺は、ジーノ!」

「私は、リオです」

「ほぉ、ケット・シーが一緒なだけでも珍しいが君の毛並みはケット・シーの中でも特に見たことないな」

「恐れ入ります」

「もう、この辺には魔物は居なさそうだ。君たちはどこから来たんだ?」

「街の冒険者ギルドからです」

「そうか、私もギルドに立ち寄るつもりだから送っていこうか」

「それなら、私の転移魔法で参りましょう。っと、その前に先にこれ解体しましょうか……」

「え?君、転移魔法使えるのか?いや、さっきの魔法といい、君は一体……」


私は、魔法で魔法で分別し回収した。


「普通の冒険者ですよ!ギルドにこの事を報告して、報酬を分配しましょう。さ、行きますよー!」


私は、杖を頭上で円を描きワープした。


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