第七羽 とある休日の美月少年と気になるあの鳥(こ)
間が長く空いてしまい
申し訳ありません……。
——朝、スマホのアラームで目を覚ます。
「しまったなぁ……アラーム、セットしたままだった……今日は部活もないのに……」
今日は五月二十五日の朝。僕はちょっとしたミスで、早く起きてしまった。
休日なのもあり、なんというか……着替えるのがめんどくさい。パジャマのままでいいかと思い、僕はそのままリビングに向かった。
リビングに入ると、そこには普段は仕事で朝早く出かけて夜遅く帰ってくるため、あまり顔を合わせられない母の姿があった。
「あれ? 美月、今日はずいぶん早いねー? なら今からすぐに朝ごはんにしちゃう?」
「うん、ありがとう、お母さん!」
母も休日は会社が休みなので、こうして朝食の時間にお互い学校や会社の出来事を話したりする。
「お母さんも仕事で疲れてるでしょ? 朝食くらい僕が作るのに」
「ふふ、朝食くらいは作るよー。逆に普段作ってあげられないしさ?」
母は笑顔で、僕にそう言ってくれた。
その後、しばらく母との会話を楽しんでいると、晶と福田さんの話題になった。
「なるほどー。晶くんとその福田ちゃんって子、すごく仲いいんだー」
「うん、最近はよく一緒にいるし、『晶に付き合わないの?』って聞いたら、『そんな関係じゃねーよ』だってさ」
「あら? 美月が恋愛の話をするなんて珍しいね?」
「そう? わりかし晶とか相手だと普通にするけどね?」
「そっか。で? 美月は気になる子とか、好きな子とかできたの?」
気になる子……か。
※※※
「月元くん、私と付き合ってください!」
「ありがとう。でも……ごめんね? きっと僕は花香さんが思うようなカッコいい男子じゃないし、気持ちはすごく嬉しいよ。でも、ごめんね」
中学に入ってから、何度か告白を受けたことがあった。
この花香さんが僕より先に晶に告白していたことを、晶から聞いて知っていた。
そして、同じようなことが以前にも何度かあった。
晶は本当にモテるなーと思いながら、わりかし複雑な気分になる……。
断るのも気が引けるし、申し訳ない。でも、「晶がダメなら隣のアイツ」感覚で「好きです」とか言われている気分で、なんかそれも嫌だなって思った。
そんな気持ちで廊下を歩いていると、“ヤバい”と噂のあの女子、鳥羽さんの姿があった。
屈んで何かを拾っていると思ったら、それは画鋲だった。
鳥羽さんはさりげなく、画鋲の入れ物の中に拾った画鋲を戻していた。
別の日、おばあちゃんの荷物持ちをしていたあの時——
気の利く人なんだなーって思ったと同時に、その女の子に興味を持った。
そんなことを母と話しながら、思い出していた。
※※※
「友達になってみたい人なら、いるかな?」
「友達になってみたい人? それって女の子?」
「うん。気の利く人なんだけどね? みんなからは『ヤバい奴』って見られちゃってる人。まー本人の態度が悪いのも原因なんだけど」
「でも、美月的には悪い子ではないんでしょ?」
「うん。話しかければ普通に話してくれるし、注意すれば次からは同じことはしない。そんな人」
「ふふ、話を聞いている限りでは、良い子そうじゃない?」
「うん。普通に良い子だと思ってるから、友達になってみたいって思ってはいるんだけど……ねー、なんかいい方法ないかな?」
僕がそう話すと、母は笑顔で言った。
「じゃあ、今度、遊びにでも誘ってみたら?」
「遊びかー。そうだね、後で連絡先とか聞いてみようかな?」
※※※
「美月ちゃーん、おいすー」
「あ、鳥羽さん! 最近、真面目に朝から来るようになって良かったよ」
今日は五月二十六日の月曜日。最近、鳥羽さんはちゃんと朝から学校に来るようになった。
「家にいるよりはマシだからねー? こうやって美月ちゃんと話してる方が」
「そっか。なら、そのままちゃんと真面目に来なよ? あとは真面目に制服をちゃんと着て来れば完璧なんだけどなー」
「ふふ、それを私に期待しちゃいけないと思うなー」
最近、鳥羽さんが笑うようになった気がする。その姿がとても可愛らしい。
鳥羽さんはちゃんとしていれば顔も美人系だし、きっと男子達にモテるのだろう?
そんな事をふと思った。
※※※
「では、今日は解散〜」
放課後のホームルームが終わり、クラスメイトたちは各自部活に行ったり、下校したりしていく。
前の席の鳥羽さんも立ち上がる。
「あ! 鳥羽さん!」
「ん? 美月ちゃん、どうしたのー? もしかして? 私と遊んでくれたりー!」
いつものいたずらな笑みを浮かべる鳥羽さん。
「うん。鳥羽さんがよければ、日曜日あたりに遊ばない? たしか鳥羽さん家って駅の近くって言ってたよね? その近くで合流してさ?」
鳥羽さんを見ると、目を丸くしていた。
「えーと……私と遊ぶ? マジで言ってるの?」
「え? 冗談で言わないでしょ?」
「……」
鳥羽さんの返事を待ちたいところだけど、僕は今から部活があるから、誰もが使っているSNSアプリ『ルイン』の僕のアカウント番号を書いた紙を、鳥羽さんに渡した。
「よかったらこれ、僕のルインのアカウント番号だから。登録しておいて! あ、強制じゃないからね? あと、さっきの遊ぶ話も、嫌だったら断ってくれていいから」
鳥羽さんは、その紙を受け取ってくれた。
「あ、うん……帰ったら登録してみるけど……」
「うん。あ! 今から部活だから僕はもう行くけど! よかったら、よろしくね!」
僕は鳥羽さんと別れて、部活へと向かった。
今回も読んでくださり
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