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Numbers  作者: 雨のち晴れ
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ある日の日常

この世界は、魔物が蔓延る世界である。故に魔物と人類の争いが幾度となく繰り広げてられている。そんな世界で、人類は対魔物に対抗する手段としてイリュージョンウェポン(幻想武器)を神から授かるのであった。しかしそれは成人になるまでの子供たちのみ授かる事許されており、成人を迎えた者は自然と使えなくなる。マナという能力により創り出され、各々が創造する物一つだけ与えられる唯一の対魔物に特化した武器である。全ての子供が創り出されると言うわけでもなく、何かしらの力が働いて創り出されるもの。その何かしらの力と言うものは未だに解明出来ていない。そんな中で今日もまた一人の少年が理不尽なこの世界で必死に生きているのであった。

楓を助けてから、二年の月日が経った。この二年で、Numbersの仕事も増え家にいる時間もそこまで多くはなく、それでも楓の保護者と言う建前で俺は他のNumbersよりはプライベートの時間を優遇されてはいる。


そして、俺が不在の時に何があってもいい様にと、あれから毎日楓には戦闘の基礎や、マナの使い方、イリュージョンウェポンの使い方などを叩き込んだ。


その甲斐あってのことか、他の同学年の少年少女より楓は何もかもが段違いですごい。戦闘センスの良さ、頭の良さ、何をとっても一番なのである。この前、今年から中等部になる楓の学園で入学試験があり、全て満点。欠点など一つ無いのだと思われるが。


まぁ、ただ一つだけ欠点を言と・・・・・。


《ドドドドドドドドドドッ》


物凄い勢いで階段を駆け上がる音がすると思えば、部屋の扉が大げさに開けられ


(いや、壊れちゃうからねっ?)


一人の女の子が、俺の部屋に入って来るなり『とうっ!』って言いならがら俺のベットにダイブして来る。

楓である。


二年前と比べて、髪の毛は肩ぐらいまで伸び、髪型もツインテールはやめて、ストレートになり、左耳の方は軽く三つ編みされたオシャレさんになっている。


そんな楓が俺のベットにダイブしてきて馬乗りになり、


『お兄ちゃん、朝だよ起きて!起きたら、ご飯にする?お風呂にする?それとも楓にするる?楓のオススメは三択目の楓でにするかなぁ。こんな可愛い妹とちゅーが出来るんだから!んーんーんー。』


と言って楓は、唇を尖らせて俺の顔に近づけてくる。


『やめいっ!この馬鹿ブラコン妹が!』


そうなのである。あれから二年、何故こうなったのかは分からないが、楓は極度のブラコンになってしまったと言う欠点がある。


俺はイチャついて来る楓の顔を離し


『楓のそれはどうにからなんのか!』


楓が不思議そうに考え込むと、何かを閃いたかの様に、


『あー、おっぱいの事ね!まだまだ発育中だからこれから先どんどん大きくなるよ!あっという間に、柊木さんなんか追い越しちゃうんだから。』


そう言うと楓は、自分の胸を持ち上げ勝ち誇る。


『違うわ!おっぱいの事じゃねーよ!その極度のお兄ちゃん大好きアピールだよ!』


朝からどうでもいい事を言い合う二人。


『またまた、お兄ちゃん照れちゃって!可愛いなぁ!そんなに楓の事が好きなの?ははーん、お兄ちゃんも極度のシスコンだねぇ。楓は嬉しいよ!』


涙など出ていないのに、涙を拭く真似をしてみせる楓。


『そりゃ、楓は可愛いし、好きだよ!自慢の妹だよ!でも、そー言う事じゃねーんだよ!』


必死にどうにかしようと争う真斗だった。


『楓はね、あの日からお兄ちゃんの事が大好きなの!絶対に、誰が何と言おうと結婚するって決めたの。もう、楓はお兄ちゃんだけのもの!あー、かっこよかったなぁ。昔のお兄ちゃんも!村の襲撃の時の『クソ虫がぁぁぁ!』とか、『チッ、テメーらみてぇーなクソゴブリン見てると腹が立ってくるは。。よくもここまでやってくれたなぁ、クソゴブリンさん達よう!』『わりーなっ、遅くなった。大丈夫か!?怪我はねーか?』とかあと、『わかった。よく頑張ったな、偉いぞ!あとは俺に任せろ。このクソゴブリンどもは俺が片付ける。』とか、あんな風に声かけられたら世の中の女子は全員堕ちちゃうよ!!!』


そうニヤニヤと笑いながら楓に対して真斗は、


『あーーーーーーー!わかった、わかった俺が悪かったから許してくれ!俺の黒歴史を蒸し返さないでくれーーー!』


今にも泣きそうな真斗がそう言い放つと、


『しょうがないなぁ、じゃお兄ちゃんは楓が大好きで仕方ないって事でいいのね?』


楓は言うと、


『はい、私は楓の事が好きすぎて毎日眠れません。早く楓が結婚出来る歳にならないか、何時も思っております。』


白目になって真斗は楓に言う!


『言質とった!それでよろしい!!お兄ちゃん大好き!!』

もう、何なんだと言わんばかり体を起こす真斗であった。


『さてと、今日は高等部のオリエンテーションだから朝飯食べたら学園行って来る。』


楓をどかして、着替えを始めようとするのだが


『おい、妹よ!』


『何だ?兄者?』


『いつまでそこに居座るんだ?着替えたいんだが』


『兄者の、華麗なる肉体美をこの目で拝むまでだが?何か問題でも?』


真斗の頭の中で何がキレる音がした。


『いいから出ていけーーーーー!』


楓を摘み出し、着替えを始める真斗。


『はぁ、何で朝からこんなに疲れるんだ・・・・。ようやく高等部が始まるって日に。』


王立学園は中高一貫となり、高等部の制服は、中等部の制服とよく似ている。違うところと言えば、白ベースのブレザーで所々にアクセントとなる色があり、中等部は黄色で高等部は赤。そこだけの違いだ。


制服に着替え終えて、楓が用意してくれた朝ごはんを食べて学園に向かう真斗。

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