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Numbers  作者: 雨のち晴れ
双子のnumbers

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それは普通に不審者ですよ。

真斗が退院し、柊木が目を覚ました。高砂も歩く練習を毎日している。そして、とある朝。学園に通い始めた高砂を迎えに行くため吉沢が高砂の家へとやって来たのだが、そこには挙動不審な1人女の子が居た。その女の子は何が目的で高砂の家の前に居るのか。謎は深まるばかり。

月も変わり6月となった。つい先日、柊木桃花が目を覚ました。真斗は無事に退院し、それからは毎日楓のお見舞いに来ている。野外実習からひと月が立とうとしていた。あれから高砂は必死にリハビリをしていた。

徐々に立てるようになるが手すりが無いとまだうまく歩けない状態だ。日替わりで、吉沢と真穂が高砂のリハビリに付き合っている。真穂はすっかり高砂に心を開いていた。吉沢にも以前よりは心を開いていた。


ある日の朝、吉沢は高砂の家へと向かっていた。少し前から高砂は学園へと通いだした。野外実習は、クラスメイトが数名犠牲になり最初は荒れていた。しかし最近はクラスも穏やかだ。落ち着きさを取り戻したことにより、吉沢は高砂を学園へと登校させる決断をした。もちろん、高砂の母親と相談しての事だ。そして、今日もいつも通り高砂の迎えに来ている吉沢。


「・・・・・・・・・・・・・・ん?」


何やら、高砂の家の前でキョロキョロしている女の子が居る。その少女は呼び鈴を押すかどうか迷っている。すると、


「じゃ、お姉ちゃん先に行くね!ほら柚子も行くよ!」


「うん。ゆりおねえちゃん、いってきます!」


【ガチャっ】


玄関の扉が開かれ、勢いよく柚子が飛び出していく。続けて皐月も玄関から出てくる。


「こら!柚子、走ると危ないよ!」


「だいじょうぶ!」


そのまま走っていく柚子。それを追いかけるように皐月も走って柚子を追いかける。


「あ!ごうくん、おはよう!」


「おはようございます、豪君!今日もお姉ちゃんをよろしくお願いします!」


「おう!任せろ!2人も気を付けてな!」


「「は―――――――い!」」


あっという間に姿が見えなくなる2人。2人を見送ったあと吉沢は高砂の家の玄関をみる。そこには、壱式の大盾で姿を隠している真穂が居た。


【クスッ、クスッ、クスッ、】


通り過ぎる人が真穂を見て笑う。


「いやいや、それは普通に不審者ですよ。真穂先輩・・。」


真穂は盾の横から顔を出し皐月達が居なくなったのを確認する。すると、そんな真穂を見ていた吉沢と目が合う。2秒ぐらい目が合うと、真穂はまた盾に隠れる。


【シュッ】


「なんでやねん!」


そう真穂にツッコミを入れながら玄関と向かう吉沢。そして、真穂の盾の正面に立ち、


「何やってんすか真穂先輩?」


「――――――――――――――――――――――――。」


真穂は『自分じゃない』と後ろを見る。


「いや、あんただよ!」


盾の横から顔を出す真穂。少し恥ずかしそうに吉沢を見る。


「百合と一緒に登校しようとしてんすか?」


【コクッコクッ】


と頷く真穂。


「でも、ビビッて呼び鈴を押せないと?」


【コクッコクッ】


再び頷く真穂。


「じゃ、まずその壱式解いてもらえますか?百合が玄関開けて目の前にその盾があったら『何事か』?って思いますよ。」


【コクッコクッ】


素直に壱式を解除する真穂。そしてすぐ様吉沢が呼び鈴を押す。


【ピンポーン】


「!!!!!」


ビックリした真穂は吉沢の後ろに隠れる。


「あの・・・先輩?普段、学園でどう過ごしているんですか?」


真穂のあまりのビビり具合に苦笑いしながらツッコミを入れる吉沢。すると玄関の扉が開き、車椅子に乗った百合が現れる。真穂は吉沢の後ろからそっと顔を出し百合を見る。相変わらず高砂は無表情だ。そして、吉沢が高砂を玄関の前まで車椅子を押して、高砂から家の鍵を預かり施錠する。振り返り高砂の車椅子を押そうとしたのだが、車椅子のハンドルは既に真穂が握ってドヤ顔をしていた。


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・なぜ、ドヤ顔?」


「――――――――――――――――――――――――。」


真穂を見る吉沢。吉沢を見る真穂。


「・・・・・真穂先輩が押していくんですか?」


「――――――――――――――――――――――――。」


『任せろ!』と言わんばかりに鼻を鳴らす真穂。


「はぁ・・・・。じゃ、お願いしますね。」


こうして、真穂はルンルンで吉沢は呆れ顔しながら吉沢達の教室までやってきた。


「――――――――――――――――――――――――。」


「いや真穂先輩、何やってんすか?当然かのように俺の席に座ってますけど。俺達、クラスはおろか、学年も違うんですけど。」


真穂は当然かのように、高砂の隣の席の吉沢の席に着席している。その様子を周りの生徒達は『どうしたんだ?』という目で吉沢達を見ている。


「早く真穂先輩も自分のクラスに行かないと遅刻しますよ?」


「――――――――。」


悲しげな顔をする真穂。そんな真穂は渋々自分の教室へと歩き出した。


【昼休み】


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」


クラスメイト全員がポカンと口を大きく開けて開かれているドアの方を見ている。


「はぁ・・・・・・・・・・・。何やってんだあの人は。」


吉沢がドアの方を見ると、そこには見覚えのある大きな盾がドアの前にある。真穂だった。開いていたドアから入った時、クラスメイト数人が『誰だ?』みたいな目で見たため真穂はビビッて壱式を出し隠れていた。吉沢はそんな真穂に近づき、


「何やってんすか真穂先輩?」


吉沢の声にビクッとする真穂。盾の横から顔を出し吉沢を見る。すると廊下から声がする。


「おーい!真穂!どこ行った?おーーーい!」


「おかしいな?こっちのほうに来たと思うんだけど、どこ行ったんだ真穂のやつ。おーーーい!」


「真穂先輩、誰か呼んでますよ?」


「――――――――――――――――――――――――。」


すると声の主は吉沢の教室の前に来て真穂をみつける。


「ワオッ!真穂、こんな所で何やっちゃってんのさ?」


「――――――――――――――――――――――――。」


声の主は花穂だった。授業終了のチャイムが鳴った途端、猛ダッシュで走っていく真穂を追いかけてきた。手には2つの弁当箱を持っている。そして、


「あはははははははははははっ!そうだったんだね!いや、ごめんね、うちの真穂が!」


吉沢、高砂、真穂、花穂は今4つの机をくっつけて昼食を取っている。先ほどの状況を吉沢が花穂に説明しながら。そんな吉沢達を見てクラスメイトは絶句していた。それもそのはず。

ヤンキーの吉沢と、真面目少女高砂、小さなビビりの真穂、小さなギャル花穂。この異様に思える光景に。


「それにしても驚きました。真穂先輩が双子だったなんて!」


「でしょ?まったく正反対の双子でしょ?でもね、前は真穂も良くしゃべる女の子だったんだよ。でもね・・・。」


「弐式の影響・・・・。」


「そう!知ってたんだ!」


「はい。以前、真斗先輩から聞きました。」


「そっか。私達ね、小さい時に親に捨てられそれから町はずれの孤児院に引き取られて、そこが魔物に襲われた時に2人して弐式を発動させたの。その影響で真穂は声を失い、あたしは相手に攻撃をすればするほど体に傷が付くんだ。もう、背中とかお腹とかすごいよ!見る?」


「いえ、けっこうです。人生が終了しそうなんで。」


「あはははははっ!君、面白いね。」


「いや、別に面白くはないですけど!」


「真穂が2人を気に入るの分かる気がするわ!」


「ええぇぇぇぇぇ!?俺って気に入られてるんですか?」


「うん。気に入られていると思うよ。じゃなきゃ、真穂は近づこうともしないし、もし仮に近づいたとしても、君の方に盾を出しっぱなしにして、見えないようにしてると思うから。」


「マジかよ。」


「入学当初は凄かったんだから!あまりのビビりに、授業中ずっと盾を出してて自分の存在を見えないようにしてたんだから。笑えるでしょ?」


「それで、よく学園に通おうとしましたね。」


「まぁ、真兄の勧めもあったからね!」


「真斗さんの?」


「うん。色々あってね。真兄には迷惑かけたなぁ。入学金や学費も当初は出してもらってたし、孤児院出身だから毎日心配して送り迎えしてくれたし。」


「当初?あぁ、今は真穂さんが学費を出してるんですね。」


「いや、あたしだよ!」


「え!?」


「あたしもnumbersだから。流石に妹に出させるのは姉として違うかなって。ちなみにあたしはnumbers4番」


「ええぇぇぇぇぇぇぇ!?姉妹でnumbers。すごい。しかも2人して上位!」


「いやいや、4~10番は同じぐらいの強さだよ!栞菜ちゃんと真兄と真穂がズバ抜けて強いだけ!悔しいけど、どうやってもこの3人には4~10番が束になっても勝てないよ。」


「話には聞いていましたが、それほどまでとは。」


「良かったね、真穂に気に入られて。真穂が心開いた人間は少ないよ?それこそ数人だから。特に男の人には真兄以外は心開いていないね。他にもnumbers5番,6番,10番が男の人なんだけどその3人すら心開いてないからね。この前なんか10番の霧山さんが真穂にぶっ飛ばされてたし。」


「マジですか。良かった俺。」


「まぁ、何かあったら私や真穂に相談しなよ!力になるから!私も君たち気に入ったし」


「その時は是非お願いします。」


こうして、楽しい?昼休みはあっという間に過ぎていった。

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