スキンシップかな・・・・。
突如、真斗の世話を誰がやるかじゃんけん大会が行われた。翌日、真斗の病室に現れる吉沢と高砂の2人。そして、昨日のじゃんけん大会で見事勝った1人の人物が高砂に興味を示す。ここから、じゃんけんの勝者と高砂は深い絆で結ばれていく。
真斗との面会時間が終了した1時間後、夜桜を含むnumbers達はファミレスに居た。なぜかと言うと、明日から身寄りの居ない真斗の身の回りの世話を誰がするかと言う話し合いが行われていた。本来なら、楓がするべきなのだが肝心の楓はまだ意識が回復していない。なので、この中から誰がするかと話し合いで決めることにした。
「うーん。霧山君は論外ね」
「うん。そうだね。」
「えっ!?何でおれだけハブかれてんの?おかしくない?」
「どうせ、真面目にやらないでしょ?学校をサボれるから都合が良いって理由でやろうとしてるでしょ?」
「失礼だな。俺はそんな事これっぽっちも考えてないよ!」
「霧山さんが真兄の身の回りの世話するとか想像しただけでもチョーキモイんですけど!」
「え!?何それ花穂ちゃん!酷くない?」
「だって、そうじゃん!男同士であんなことやこんなことするんだよ!?マジ無理!」
「いや!!!何を想像してんだよ!?」
「だから、ほら・・・真兄の体拭いたり、ご飯食べさせたりとかさ、色々だよ!」
「!?」
「一ノ瀬君の体を拭く・・・ご飯を食べさせる・・・そしてその後は・・・・。むふふふふふふっ。」
「おい!若干1名とんでもねー事想像してるやつが居るぞ!」
「なら、ここは婚約者でもある私がやるべきね!私なら学校もないし、やる事もないから!ハイ決定!」
「栞菜さん、自分だけ抜け駆けはダメですよ!ここは公平に決めないと!」
「そうだ、そうだ!紅葉ちゃんの言う通りだ!」
「そうだよ、栞菜ちゃん!1人だけずるい!公平に決めて、男性の霧山さんは無い!」
「いや、何で俺なの!?」
「男だから!」
「そんなの差別だ!差別反対!」
「あらあら、そんなに揉めるなら私がやりますよ!?」
「おい愛梨!何、お前どさぐさに紛れてしれっとやろうとしてんだよ!」
「あら!?ダメなの?」
「ダメに決まってるじゃねーか!」
「残念。」
「――――――――――――――――。」
「埒が明かないわね。じゃ、公平にじゃんけんで決めましょう!これなら文句ないでしょ!もちろん、大河くんは不参加で」
「ちょ、栞菜さん!?」
「よし!じゃ、いくよ!じゃーんけーん」
「「「「「ぽん」」」」」」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
――――――――――――――――翌日。
真斗の病室に2人の人物が面会に来た。
【コンッコンッ】
「はーい!開いてるよ!」
「失礼します。」
「おぉ、君は確か・・・・・・。」
「お久しぶりです、一ノ瀬先輩。吉沢豪です。先日は助けてもらってありがとうございます・・・・・・・。って先輩何やってんすか?」
部屋に訪れたのは吉沢と高砂だ。
「何!?って見ればわかるでしょ!?筋トレだよ。なんせ2週間も寝たきりだったからね、身体がなまっちゃいけないし。」
「い、いや。それ、病み上がりの人間がやる事じゃないですよ。って、先輩あちらの方は?」
「あぁ、吉沢君と百合ちゃんは会うのが初めてだったね。紹介するよ。真穂、こっちにおいで!」
そこには、昨日の帰り真斗の世話を誰がやるかのじゃんけんで見事勝った真穂が居た。花の世話をしていた真穂は、真斗に呼ばれて駆け足で真斗の側に行く。
「この子は、月乃宮真穂。今、俺の身の回りの世話をしてくれている。」
「――――――――――――――――――――――――。」
真穂は、吉沢と高砂にお辞儀をする。そして、ジッーっと高砂を見ている。
「俺は吉沢豪、中等部1年だ。そしてこの子は高砂百合、同じく中等部1年だ、よろしくな、おチビちゃん!」
吉沢は、自分よりもだいぶ小さな真穂の頭を撫でる。すると、真穂は勢いよく吉沢の足を踏みつける。
【バンッ】
「いてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!何すんだこのクソガキ!」
【ポカンッ】
吉沢は足を踏まれた事で怒り、勢い余って真穂の頭にげんこつをする。
すると、怒った真穂は弐式を構築する。そして、真穂の後ろに大きな盾を持った女神アテナと古代ローマのグラディエーターが現れた。
「ちょ!真穂落ち着け!それはやばい!」
「あわわわわわわわわわわわわわっ」
女神アテナとグラディエーターを見た吉沢は腰を抜かす。
「すまん、吉沢君。俺の説明が足りなかった。こう見えても真穂は君たちの先輩、中等部の2年で、numbers2なんだ。」
「えええええええええええええええええええ!」
吉沢は、自分よりもはるかに小さくて幼い女の子が先輩で尚且つnumbers2だと知り、驚愕する。そして、すぐさま得意の土下座をかます。
「すみませんでした。先輩とは知らず無礼な行いを・・。」
「――――――――――――――――――――――――。」
「まぁ、真穂も俺に免じて許してあげてはくれないか?」
真穂は真斗の言う事は何でも聞く。すぐさま弐式を解いた。
「すみません先輩・・・・。」
「いやいやいや。」
「それよりも驚きました。こんな小さな子がnumbers2だなんて。」
真穂はじろじろ見てくる吉沢に警戒心を抱き真斗の後ろに隠れてしまう。もちろん、壱式の盾を出して全身を隠すようにして。
「すごいだろ!?この子は相当強いぞ!」
「先輩とどちらが強いんですか?」
「うーん、どうだろうな。お互い本気でやったら五分五分だろうな。真穂は攻守ともに優れているからな。見た通り、大盾をもつ守りの女神アテナ、そして攻撃の剣闘士グラディエーターを同時に操るからな。」
「・・・・・・・・・・・・それって勝ち目あるんですか?無敵過ぎません?」
「真穂に勝つには長期戦に持ち込まなくちゃならないな。まぁ、栞菜なら多少苦戦するだろうけど、俺よりは勝てる確率はあるが。」
「マジですか。」
「あぁ、マジだ。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
すると、真穂は高砂の事が気になるのか再びジッーと見つめている。その視線に気づいたのか、百合も黙って真穂を見つめる。
「ん!?どうした真穂!?百合ちゃんが気になるのか?」
真穂は恐る恐る百合のもとへと近づく。大きな盾を構えながら横から顔を出して。やがて、真穂は車椅子に座る百合の目の前までやってきた。吉沢は黙ってその様子を見つめている。
「――――――――――――――――――――――――。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
お互いがお互いを黙って見ている。真穂は盾を左手に持っており、空いている右手をそっと出し、百合の太ももをつつく。しかし、百合の反応はない。
「――――――――――――――――――――――――。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
もう一度、真穂は百合の太ももをつつく。すると今度は百合が反応して、ゆっくり左腕を持ち上げる。真穂は百合の左腕が持ち上がったことに対して驚き、盾に隠れてしまう。
「――――――――あの。これ、何やってんすかね?」
「うーん。真穂なりのスキンシップかな・・・・。」
突いては隠れを繰り返している真穂。はたから見たら漫才でもしているかのような光景。突かれるごとに段々と反応する百合。やがて、その反応が面白くなってきたのか真穂は百合で遊び始める。すると真斗が、
「吉沢君、少し百合ちゃんを借りていいかな?」
「え!?あ、はい。」
「おーい真穂、ちょっと百合ちゃんと2人で売店で飲み物とお菓子を買って来てくれるか?」
「――――――――――――――――――――――――?」
真穂は少し考えた後、小さく頷く。真斗は財布を取り出しお金を真穂に渡す。真穂は預かったお金を無くさないようにウサギの顔の財布を出してお金をしまう。百合は、真穂のウサギの財布をジッーっと見ている。それに気づいた真穂は、あげないよと言わんばかりに財布を抱きしめる。
「――――――――――――――――――――――――。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
「じゃ、頼んだぞ!」
吉沢は握っていた車いすから離れ真穂に百合を任せる。
そして、真穂は車椅子を押しながら百合と2人で売店へと向かった。




